先日、ファミリーレストランに行ったら、メニューにエスカルゴがあったんです。
妻は珍しいからと言って注文したんです。私はどうも虫を食べるのには抵抗があったので、1個だけ食べてみましたが、味や食感は貝に似ていました。
でも、食べた後にふと思ったんです。エスカルゴって、カタツムリなわけですが、その辺にいるカタツムリとエスカルゴって、何が違うんでしょうか?
そして、カタツムリや、はたまたナメクジは食べられないんでしょうか?
気になったので、徹底的に調べてみたところ、恐ろしいことが分かりました!
そこで、今回はカタツムリとエスカルゴの違いや、カタツムリを食べちゃダメな理由をお伝えします。
目次
カタツムリとエスカルゴ
早速、カタツムリとエスカルゴの違いから見ていきましょう。
まず、カタツムリは陸貝と呼ばれる種類の生物です。貝というだけあって、元々は海の中に住んでいる巻貝が先祖で、それが陸上に上がって、肺呼吸するようになったのがカタツムリの仲間なのです。
その辺りの詳しいことは、こちらの記事に書いてあるので、ここではエスカルゴについて、詳しく見ていきますね。
⇒ カタツムリとナメクジの違い!実は同じ種類の虫だって知ってる?
エスカルゴとは?
結論から言ってしまうと、エスカルゴもカタツムリも同じです!
エスカルゴ(escargot)はフランス語でカタツムリ全般を指す名詞です。
日本ではエスカルゴと言えば、料理のことを指しますが、フランスではその辺にいるカタツムリも全てエスカルゴと呼ぶのです。(ややこしいので、これ以降は料理の方を”エスカルゴ”と書きますね)
とは言え、フランスでもカタツムリだったら、何でも食べるわけではありません。
食用にするのは、リンゴマイマイ、プティ・グリ、グロ・グリという3種類のカタツムリだけです。プティ・グリやグロ・グリはリンゴマイマイの1/3程度の大きさしかないので、人気があるのはリンゴマイマイです。
しかし、リンゴマイマイなどは、繁殖力が低い、希少な種のため、最近ではアフリカマイマイという種類も食べられているそうです。
エスカルゴの特徴
エスカルゴとして食べるカタツムリには、特徴があります。
歴史的に最も食べられてきたリンゴマイマイはフランス語ではエスカルゴ・ド・ブルゴーニュと呼ばれています。これはエスカルゴがブルゴーニュの郷土料理だからです。
そして、ブルゴーニュ地方と言えば、ワインで有名な地域ですよね。
エスカルゴに適した、リンゴマイマイはブドウの葉っぱを食べて育ったものとされています。更にリンゴマイマイはエスカルゴにして食べるだけでなく、その卵はホワイトキャビアなんて呼ばれ、これも食用として人気があります。
しかし、今ではリンゴマイマイは希少なため、一般的に食べられているのは、養殖可能なプティ・グリやグロ・グリが多いようです。
養殖物のプティ・グリやグロ・グリは、衛生管理が行き届いた場所で、穀物などをエサにして飼育されているので、安心して食べられます。しかし、大きさが小ぶりなため、やはりリンゴマイマイが珍重されるようですね。
ちなみにリンゴマイマイの代用として、よく使われるアフリカマイマイですが、本場フランスではそれを使ったエスカルゴは、エスカルゴとは認められないんだとか…。フランス人の食に対するこだわりが伺えますね^^;
というわけで、ここまではカタツムリとエスカルゴの違いを見てきました。
カタツムリもエスカルゴも同じカタツムリだとすると、やはり気になるのは、日本にいるその辺のカタツムリが食べられるのかどうかですよね?それに、ナメクジだってもしかしたら食べられるのかもしれません。
でも、調べてみたら食べるなんてとんでもないことだと分かりました。
そこで、次はカタツムリやナメクジを食べちゃダメな理由をお伝えします。
カタツムリを食べちゃダメな理由
実際にはカタツムリやナメクジは何で食べない方が良いのでしょうか?
その理由は次の3つです。
- 寄生虫がいる
- 変な物を食べてる
- 恐らくまずい…
これだけだと当然、よく分からないと思うので、それぞれ順番に説明していきますね。
寄生虫がいる
カタツムリやナメクジを食べちゃダメな理由がこれです。
実はカタツムリやナメクジには、広東住血線虫という寄生虫がいるのです。
広東住血線虫の成虫は、ネズミに寄生しており、ネズミの体の中で、卵を産みます。そして、そこからかえった幼虫は、ネズミの糞と一緒にに排泄されるのです。
この幼虫入りの糞をカタツムリやナメクジが食べることで、今度はそこに寄生して成長していくのです。
最終的にはネズミが、幼虫が寄生したそれらの虫を食べることで、ネズミの体に寄生します。そして、ネズミの体に寄生した幼虫は、脳の中枢神経に移動して、そこで成虫になるのです。
もし、人間が広東住血線虫が寄生しているカタツムリやナメクジを食べると、人間の体にも寄生してしまいます。
そして、ネズミの時と同じように、脳の中枢神経に移動します。当然そんな所に寄生されると、脳にダメージがあるので、重い障害が起きたり、最悪の場合、死亡することもあるのだとか…。
このようにカタツムリやナメクジには、超恐ろしい寄生虫がいるわけですが、実際には完全に火を通せば、広東住血線虫は死滅するので安全です。
ただし、広東住血線虫は、稀にカタツムリやナメクジが通った後の粘液の中にも存在します。そのため、粘液に触れた後は、よく手洗いをすることが重要になります。
本当に怖い寄生虫なので、くれぐれも注意してください。
変な物を食べてる
一応、完全に火を通せば、寄生虫の心配は無くなりますが、それでもやっぱり食べない方が良い理由があります。
それは、野生のカタツムリは何を食べてるのか、分からないということです。
カタツムリの主食は植物の葉などです。でも、その辺の植物の葉っぱは、除草剤などの環境汚染物質がたくさん付着しています。また、カタツムリは殻を作るために、カルシウムが必要です。そのため、ブロック塀やコンクリートの壁なんかも食べています。
このようにカタツムリやナメクジは、とんでもないものばかり食べています。
実際、野生のリンゴマイマイをエスカルゴにする場合でも、数日間絶食させたり、綺麗なエサを与えたりして、体内を綺麗にするのです。
それくらいしないと食べられないものなので、くれぐれも街中のカタツムリなんて食べないようにしましょう。
恐らくまずい…
そして、最後は食べてもまずいということです。
もちろん私は、カタツムリを食べたことはありません。しかし、エスカルゴに適したカタツムリは、エサが重要と言われています。
その辺のカタツムリは、上にも書いてますが、怪しいものばかり食べているので、とても食用には適さないのです。
それにリンゴマイマイの身の弾力は、他のカタツムリの比じゃないと言います。
このようなことを考えると、わざわざ、その辺の公園で捕まえたカタツムリなんて食べない方が良いです。
ましてやナメクジなんて、気持ち悪いですし、食べようなんて考えない方が良いです。(そんな人いるわけないですよね…)
まとめ
というわけで、エスカルゴはフランス語でカタツムリ全般を指す言葉なので、カタツムリもエスカルゴも同じでした。
でも、食用にする場合は、全くの大違いです。
食べ物として見た時の違いをもう一度、整理しておきますね。
- 大きさが段違いに違う
- 野生のカタツムリは恐ろしい寄生虫がいる
- 野生のカタツムリは怪しいものを食べている
エスカルゴの王様、リンゴマイマイは大きくて身の弾力が他のカタツムリとは比べ物にならない。
野生のカタツムリには、広東住血線虫という恐ろしい寄生虫がいるので、食べるのは非常に危険!
野生のカタツムリは、汚染されたものを食べている可能性があり、食用には適さない。
エスカルゴに適したカタツムリは、自然豊かで綺麗な環境で育っていることが必須条件です。
くれぐれもその辺のカタツムリを食べようなんて、考えない方が良いですよ^^;
私は戦前の生まれです。田舎ではカタツムリを焼いて食べました。美味しかったです。成長してフランス旅行しました。エスカルゴはカタツムリでした。ただ、料理方法が違うので、味はおいしく感じました。でも、これはカタツムリだ、と直感しました。