辛いものが好きな心理!脳は苦しいと気持ち良くなる!?

私は辛い食べ物が大好きです。若い頃は特に辛い食べ物ばかり食べていました。七味唐辛子やタバスコなどは、食卓に常備されその消費量もハンパなかったです!

あまりに辛いものを食べ続けると、それまでの辛さでは満足できなくなります。そのため、どんどんエスカレートしていって、ついにはお腹が痛くなるくらい辛いものを食べるようになってしまいました。

さすがに今ではそこまで辛いものは、食べなくなりましたが、今でも変わらず辛いものが大好きです。

このように辛いものがクセになるのは、私だけではないと思います。一体なぜ辛い食べ物はクセになり、辛さもどんどんエスカレートしていくのでしょうか?

今回は辛いものが好きな心理となぜクセになってしまうのかについてお伝えします!

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目次

辛い食べ物が癖になる理由

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辛いものはなぜクセになるのでしょうか?実をいうと人間の脳は、辛いものを食べると清々しい気持ちになって、ちょっとした恍惚感を持つようにできています。そう、この恍惚感がポイントなのです!

辛い食べ物が恍惚感を生む理由には、次の二つの脳内ホルモンが関わっています。

  • アドレナリン
  • エンドルフィン


なぜこれらの脳内ホルモンが、辛い食べ物がクセになってしまうことと関係するのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

アドレナリン

アドレナリンは脳を興奮状態にして、闘争心と集中力、運動能力を向上させます。その効果には次のようなものがあります。

【アドレナリンの効果】

  • 心臓の筋肉の収縮力の向上
  • 全身に血液をたくさん送れるように心臓のポンプ機能を向上させます。

  • 全身の筋肉への血管の拡張
  • 筋肉を活発に動かせるように、筋肉に血液を送る血管を拡げます。

  • 胃腸などの消化器の機能低下
  • 体の運動機能にエネルギーを回すために、消化機能を低下させて省エネモードにします。

  • 肺のガス交換効率の上昇
  • たくさんの酸素を全身に送れるように、肺の機能を向上させます。

  • 瞳孔の拡大
  • より小さなことも見逃さないように、目の瞳孔を拡げて光を多く取り込みます。

  • 痛覚の麻痺
  • 痛みは運動を妨げるため、痛みを感じないようにして、運動能力を維持することを優先させます。

人間は身の危険を感じるような状況に置かれた時に、自分の身を守るために飛躍的に運動能力を向上させようとします。そのための働きをするのがアドレナリンなのです。

アドレナリンは身の危険を感じるような様々なシチュエーションで分泌されます。

また、格闘技の試合やマラソン、スカイダイビング、スキーの滑降競技、モータースポーツなど、命の危険を感じるようなスポーツでも分泌されます。

そして、辛いものを食べた時にもアドレナリンは分泌されるのです!辛い食べ物の辛さの原因は、カプサイシンという成分です。このカプサイシンは粘膜に触れると、強い刺激を与えます。

実は辛さは味ではなく、カプサイシンによって味覚が刺激された痛みなのです!

そして、脳はカプサイシンの刺激によって強い苦痛を感じると、体を守るためにアドレナリンを分泌させるのです。

つまり、脳にとって辛いものというのは、体を危険にさらす存在なのです。私たちはそんな危険な物を平気で食べているわけです…。

エンドルフィン

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さて、一方のエンドルフィンですが、このエンドルフィンは脳をリラックスさせ幸福感や恍惚感を与え、苦痛を和らげる働きをします。エンドルフィンは脳内麻薬などと呼ばれ、モルヒネと同じような働きをするのです。

辛いものがクセになってしまうのには、このエンドルフィンが関係しています。

辛いものを食べるとアドレナリンが分泌され、全身の運動能力が向上して戦闘状態になります。しかし、この状態は全身にたくさんの活性酸素を生み出し、脳にとってもかなりストレスのある無理な状態です。

このような状態は脳にとってはあまりにも苦痛なため、脳はバランスを取るためにエンドルフィンを分泌して、苦痛を和らげるのです。

人間がマラソンや命の危険のあるスポーツなどに楽しさや爽快感を感じる理由も、このエンドルフィンにあるのです。命の危険にさらされるような行為にもかかわらず、人間はその状態になると、恍惚感を感じることができるため、より危険な行為を求めてしまうのです…。

辛さがエスカレートしていく理由

しかし、辛いものを食べ続けていると、段々と今までと同じ辛さでは満足できなくなっていきます。一体それはなぜなのでしょうか?

脳内ホルモンにはそれぞれに対応した受容体と呼ばれる器官があります。エンドルフィンにも対応する受容体があります。この受容体はエンドルフィンの分泌量に比例して増えていきます。

そして、受容体が増えると今までよりも多いエンドルフィンでないと幸福感を得られなくなってしまいます

更なる満足を得るためには、より多くのエンドルフィンを分泌させなければなりません。そのためには、より多くのアドレナリンを分泌させる必要があるため、どんどん辛さがエスカレートしていってしまうのです!

さて、辛い食べ物はどうやら幸福感をもたらすようですね。

ところで、世界には辛い料理を食べる食文化が色々ありますが、そういった食文化の国の人はみんな幸せなのでしょうか?調べてみると面白いことが分かりました!

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幸福度と料理の辛さには関係がある!?

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何年か前に話題になりましたが、自分のことを幸福だと感じている国民の率が世界一のなのはブータンです。

このブータンという国はバングラデシュの北、インドの北東に位置する山間の国で、決して裕福な国ではありません。ブータン人はみんなつつましやかな生活をしています。

それなのに、なぜブータン人はみんな幸福を感じているのでしょうか?

実はブータンは世界で最も唐辛子を食べる食文化を持っているのです!ブータン料理では唐辛子を調味料としてではなく、野菜として大量に食べるのです!

もちろん辛いものをたくさん食べているだけが、幸福の理由ではないでしょうが、それも理由の一つなのかもしれませんよ!

世界一辛いブータン料理については、こちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
世界一辛い料理!その国は幸福度も辛さもNo.1だった!

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まとめ

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辛いものがクセになる理由は、脳内ホルモンのアドレナリンとエンドルフィンの働きによるものでした。

こうしてみると、辛い食べ物がクセになることは、麻薬中毒に似ていることが分かります。脳内麻薬であるエンドルフィンの依存状態になっているわけです。

依存状態と言っても本当の麻薬に比べれば、全然危険ではありませんし、エンドルフィン自体には体に害はありません。しかし、あまりに辛すぎる食べ物は胃腸に炎症を起こすため、健康には良くありませんね。

辛い食べ物は美味しいくて、人を幸せな気持ちにさせてくれますが、くれぐれもほどほどにしてくださいね!