スーパーマーケットでも普通に売っている長芋は、とろろにして食べたり、お好み焼きに入れて食べたりと、日本の食卓ではお馴染みの食材です。
私もとろろご飯にして食べるのが好きで、食卓にとろろがあると少し贅沢な気分になります。
この長芋ですが、山芋と呼ぶこともあり、特に区別せず使っている人も多いのではないでしょうか?しかし、山芋と長芋は実は違うものなんです!
今回は山芋と長芋の違いについてお伝えします。
目次
山芋と長芋の違い
山芋と長芋はそれぞれどんな特徴があるのでしょうか?同じようで、実は違いのある山芋と長芋について、見ていきましょう!
山芋
山芋の正しい読み方は、ヤマイモではなく、ヤマノイモです。ちなみに私はずっとヤマイモだと思っていました。
そのヤマノイモですが、植物学上の分類はヤマノイモ科ヤマノイモ属ヤマノイモ種に属している日本原産のつる植物です。自然生(ジネンジョウ)、自然薯(ジネンジョ)などとも呼ばれます。
元々は野生の植物で、山に生えています。山芋は地中深く、縦に伸びていくので、長い棒を持って山に行き掘り出してくるものでした。この山芋堀は折らないで綺麗に取り出すには熟練と根気が必要な難しいものでした。
しかし、今ではスーパーなどで売っている山芋は、栽培されて収穫したものがほとんどです。
栽培する場合は、収穫しやすいようにプラスチック製の長いパイプを横に埋めて、その中で芋が成長していくようにしています。
また、山芋にはシュウ酸カルシウムという物質が含まれています。シュウ酸カルシウムは、針状の小さな結晶なので、この結晶が皮膚に刺さるとかゆみの原因になります。
そのため、山芋を調理する時は素手で触らないようにすることが大切です!
山芋のかゆみの原因と対処については、こちらの記事に更に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
⇒ 山芋のかゆみの対策!すりおろす前の対処法が効果的!
長芋
一方の長芋も、植物学上の分類はヤマノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ種で、山芋とは品種が違います。原産国は中国と言われていますが、日本で栽培されている長芋と同じ種類の品種が、中国に存在しないため、日本原産ではないかと言われています。
長芋は比較的、栽培が楽で、暖かい地方であれば1年中収穫可能です。
日本のスーパーで売られているのは、ほとんどが長芋です。そのため、普段、私たちが口にするのは、ほとんどが長芋のため、山芋=長芋と思っている人も多いのです。
さて、ここまでは山芋と長芋の植物としての特徴を見てきましたが、次からは食材としての両者の比較をしていきたいと思います。
違いのポイント
山芋と長芋の食材としての違いは何なのでしょうか?その違いの主なものは次の2つです。
- 粘り
- カロリー
- ミネラル
これら3つについて、山芋と長芋の違いを見ていきましょう。
粘り
山芋と長芋のいちばんの違いは、粘りの強さです。山芋と長芋をすりおろしてその粘りを比較すると、長芋の方はドロっとした感じで、すくい上げてもボタボタと下に落ちていきます。
しかし、山芋の方はボテッとしていて、すくい上げても塊がそのまま持ち上がるほどの粘りです。そのため、とろろ芋にして食べる時は、だし汁や醤油でのばさないと粘りが強過ぎて食べることができないくらいです。
私は山芋と長芋の違いを知らない時に、初めて山芋をすりおろしたのですが、古くて乾いちゃってるせいで、こんなにボテッとしてるんだと思い、捨ててしまいそうになりました。
山芋を知らない人にとっては、この粘りは本当にビックリするほどです!
この粘りの違いのため、山芋はとろろ芋にして食べるのに適しており、長芋は短冊切りなどにするすりおろさない食べ方に向いています。
カロリー
山芋と長芋の違いとして、もう一つ大きなものはカロリーの違いです。山芋や長芋の粘りの原因の物質はムチンという、糖タンパク質です。
ムチンの含有量は、粘りの強い山芋の方が多く含まれているため、長芋よりも山芋の方がカロリーが高いのです。
それぞれのカロリーは、山芋が100gあたり108Kcalなのに対し、長芋が100gあたり65Kcalです。
山芋と長芋に含まれているムチンの効能については、こちらの記事に詳しく書いてあるので、良ければご覧ください!
⇒ 長芋の栄養!加熱する食べ方はもったいないですよ!
まとめ
山芋と長芋は同じもののようで、実は違うものです。以前の私は山芋のことを長芋と呼ぶことがあるくらいで、ずっと長芋をすりおろしたものをとろろ芋だと思っていました。
でも、長芋をすりおろしたものは、正式にはとろろ芋とは呼ばないようです(^_^;)
山芋を食べたことの無い人は、一度食べてみてその風味を堪能してみてはいかがでしょうか?