サバを刺身で食べるのは危険!アニサキスの恐怖の真実!

最近気づいたのですが、昔はサバの刺身って食べませんでしたが、最近ではスーパーでサバの刺身が売っているのを見かけますし、和食のお店でも普通にサバの刺身がメニューにあったりします。

食べてみるととても美味しいですし、なんで今までサバは刺身で食べることがなかったのでしょうか?実はその理由はサバに寄生している寄生虫アニサキスが原因です。

釣り好きの人が、サバ1匹にアニサキスが30匹いたこともあったそうです。サバにはとにかくアニサキスが多いため、刺身で食べるのは危険です。それなのになぜ最近はサバを刺身で食べるようになったのでしょうか?

今回はサバの刺身に潜むアニサキスの恐怖についてお伝えします。

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目次

サバのアニサキスが怖い理由

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サバはアニサキスが多く寄生している魚として有名です。どうしてこれほどまでに多くのアニサキスが寄生しているのでしょうか?

アニサキスの感染源

アニサキスの成虫はイルカやクジラなどの胃や腸に寄生しています。下の写真はクジラの胃の中にいるアニサキスの標本です。糸状の物がわさわさ見えますが、これ全部アニサキスです…。おぇ~気持ち悪いですね(>_<) クジラのアニサキス

これらのアニサキスがイルカやクジラの中で卵を産むと、便と一緒に海中に散乱します。そして、海の中のプランクトンや魚の稚魚、オキアミなどが卵と一緒に便を食べてしまいます。

アニサキスの卵はその体内で生まれて幼虫になります。そして、今度はそれらのプランクトンや魚の稚魚、オキアミなどを食べたサバなどの魚の腸の中に寄生します。そして、最後はそれらの魚を食べたイルカやクジラの胃腸の中で成虫にまで成長するのです。

アニサキスの恐ろしさ

アニサキスは魚の胃腸の中が一番住み心地の良い場所なので、そこでは暴れまわることはありません。問題はアニサキスが寄生した魚を人間が食べてしまった場合です。

アニサキスにとっては、人間の体の中では生きていくことができないため、自分の住み心地の良い場所を求めて移動する性質があります。

そのため、胃や腸を食い破って外に出ようとするのですが、その時にもの凄い腹痛に苦しむことになるのです!その痛みは普通の鎮痛剤じゃ効果が無く、モルヒネぐらいの鎮痛剤でないと効果が無いそうです…。

アニサキスについてはこちらの記事にも詳しく書いているので、良ければご覧ください!
鮭の刺身に寄生虫!?症状と生で食べられる鮭の見分け方!

寄生主が死ぬと身の部分に移動する

アニサキス

しかし、通常はアニサキスは魚の胃腸の中にいます。そのため、身の部分にはアニサキスはいないのですが、サバの場合は事情が違います。

アニサキスにとって居心地の良い場所は、既に説明した通り、魚の胃腸の中です。しかし、死んでしまった魚の胃腸は、アニサキスにとって、もはや居心地の良い場所ではなくなります。

そうなると、アニサキスは住み心地の良い場所を求めて、胃腸を食い破って移動を開始します。そのため、釣ってから時間のたった魚には、身の部分にアニサキスがいることが多いのです!

そして、サバは特に身の部分にアニサキスがいる可能性が高い魚です。「サバの生き腐れ」という言葉をご存知でしょうか?サバの胃腸の部分には強い消化酵素があるため、死んだ後は凄い速さで身が傷んでいきます。

アニサキスにとっても胃腸の中がすぐに住み心地が悪くなるため、すぐに身の部分に移動してしまうのです。

なぜ最近はサバを刺身で食べるようになったのか?

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しかし、最初にお伝えした通り、最近では普通にサバの刺身を見かけるようになりました。危険なはずのサバを刺身で食べられるようになったのはなぜでしょうか?

アニサキスは60℃以上で1分、-20℃以下で24時間で完全に死んでしまいます。昔は冷凍技術が未発達だったため、いったん冷凍した魚を解凍すると美味しくありませんでした。そのため、サバを刺身で出すようなことは、ありませんでした。

しかし、現在では超低温・超高速冷凍技術が開発され、冷凍ものの魚と区別がつかないほど美味しい状態で刺身にすることができるようになったのです。そのため、サバに限らず、寄生虫の心配があって刺身で食べなかった魚も刺身で食べられるようになったのです。

しかしながら、九州の方では昔からスーパーでサバの刺身が普通に販売され、家庭で食べられてきました。九州だと大丈夫な理由があるのでしょうか?

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九州ではサバの刺身を食べても大丈夫な理由

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九州地方では昔からサバの刺身を食べてきました。これにはちゃんとした理由があります。

日本近海のアニサキスは2種類ある

実はアニサキスと一言で言っても、世界中には9種類のアニサキスがいます。そして日本近海にはそのうちの2種類のアニサキスがいます

【日本近海のアニサキス】
種類 生息場所 症状が出る確率 備考
アニサキス・シンプレックス 太平洋側 11% 太平洋側のアニサキスは9割以上はこれ
アニサキス・ピグレフィー 日本海側 0.1% 日本海側のアニサキスは9割以上はこれ

実は日本海側に生息しているサバから見つかるアニサキスの、9割以上がアニサキス・ピグレフィーという種類です。このアニサキス・ピグレフィーは、人間の胃腸の中に入っても、胃腸を食い破るような悪さはほとんどしないのです。

それでも、私は生のサバを食べる勇気はありません(^_^;)でも、中にはどうしても自分で釣ったサバを刺身で食べたいっ!という方もいらっしゃると思います。そこで、次はサバを刺身で食べる場合の下処理の仕方をお伝えします。

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どうしても刺身で食べたい場合の下処理

サバを生で食べる場合の下処理の仕方のポイントはこの二つです。

【サバの下処理のポイント】

  • 釣った直後にはらわたを取り除く
  • アニサキスはほとんどがはらわたの部分にいます。釣ったサバは釣りが終わった直後に頭を落として、はらわたを綺麗に取り除いてしまってください。

  • アニサキスがいないことをチェックする
  • はらわたを取り除いても、最初から身の部分にアニサキスがいることはよくあります。刺身にする時にアニサキスがいないか十分に注意してください。糸状の物や変色した部分などがあれば取り除くようにしてください。

これを守ればアニサキスに感染することは、まずありません。しかし、100%絶対ではありませんので、十分ご注意ください!

また、しめ鯖にしてもアニサキスを殺すことはできません。一応、飽和食塩水の中に入れるとアニサキスは死にますが、アニサキスは食塩に直接触れるほどでなければ、死ぬことはありません。

身の奥の方に潜んでいるアニサキスを酢や食塩で殺すことはできないのです!しめ鯖も刺身で食べるのと同じと考えて、アニサキスがいないか十分に注意してから食べてください。

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まとめ

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サバにはアニサキスがいることは、昔から良く知られていることでした。そのため、サバを生で食べるような料理は日本の食文化には存在しません。

しかし、最近は普通に刺身で食べるようになってきたため、アニサキスの恐ろしさも忘れられてきています

何も知らずにうっかりと生のサバを刺身で食べるようなことがないように、十分知識を身に付けて、自分で釣ったサバを刺身で食べる時には、特に注意して、下処理してくださいね!