日本では長さの単位は、メートルが基本ですよね。
すっかりそれに慣れ親しんでいるので、アメリカなんかに行って、時速58マイルなんて言われてもピンときませんよね?
私の場合は、メジャーリーグの中継をよく見ますが、ピッチャーの投球の球速をマイルで言われても、凄いのかどうか分からなくて、モヤモヤしてしまいます。
そもそも、なぜアメリカでは、マイルなんて単位を使ってるんでしょうか?
世界の長さの単位はメートルですし、陸上競技もメートルを基準にして、種目が分かれているのに、よく分からないですよね?
そこで、いつものように徹底的に調べ上げました。すると、そこにはマイルとメートルの面白い歴史がありました!
というわけで、今回は1マイルが何キロメートルなのか?そして、欧米でマイルが使われ続ける理由を解説しちゃいますよ!
目次
1マイルは何キロメートル?
マイル(mile)という長さの単位は、ヤード・ポンド法という、単位系の中の一つの単位です。
通常の”マイル”は、世界共通基準の『国際マイル』のことを指し、その長さは1国際マイル=1760ヤードです。
1国際マイル=1609.344メートル(約1.6キロメートル)
となります。
ただ、これだと半端なので、通常は1マイル=1600メートルとして計算することが多いようです。
「そもそも、ヤード・ポンド法という単位系なんだから、ヤードを使ってれば良いだろ!」って、私なんかは思ってしまいます。なぜマイルなんて単位をわざわざ使うんでしょうか?今度はマイルの由来を見ていきましょう。
マイルの由来
マイルと言われても、日本人の私には、ピンときませんが、由来や歴史を調べてみると、もっとワケがが分からなくなってしまいました(*_*;
というわけで、皆さんにも説明しますね。
歩幅が基準
マイル(mile)という名前は、ラテン語の千(mille)が語源です。
そして、このマイルという長さの単位が使われるようになったのは、ローマ帝国の時代にまで遡ります。
当時のローマ帝国には、2歩進んだ距離を表すパッスス(passus)という長さの単位がありました。そして、2,000歩進んだ距離は、1パッススの千倍、すなわち“mille passus”となります。ここから“passus”だけが取れて、マイルという単位ができたと言われています。
ちなみにローマ帝国の道路には、1マイル毎に距離を表すための、石が置かれていました。これがマイルストーンの由来です。
地域や時代でバラバラ
しかしながら、このマイルの長さは、地域や時代によって、バラバラです。
そもそも、1歩の長さなんて十人十色なので、バラバラになるのは当然です(*_*;
地域 | メートル換算 | 備考 |
---|---|---|
イタリア | 1,489メートル | 現在は1マイル1キロメートル |
スペイン | 昔は1,394メートル 現在は1,852メートル |
|
アラビア | 1,900メートル~2,000メートル | |
ドイツ | 7,532.5メートル | |
ノルウェー・スウェーデン | 11,000メートル前後 | 現在は10,000メートル |
ドイツやノルウェーのマイルの場合は、2,000歩で進める距離を、大幅にオーバーしていますよね…。
北欧の伝説には、巨人が登場するので、巨人基準のマイルなのかもしれませんね(^^;
当然こんなにバラバラだと、不都合ばかりなので、世界共通の長さの単位を作ろうということになりました。
こうして誕生したのがメートルという単位です。
メートルの由来
メートルという単位は、18世紀末のフランスで誕生しました。
その頃には、人類の行動範囲が広がり、貿易も盛んに行われるようになりました。こうなると、尺度の違いはトラブルの元になります。
そこで、世界共通の長さの単位を決めました。
メートルは世界共通の長さ
メートルの長さを決める際には、地球を基準にして決めることになりました。
具体的には北極(または南極)から赤道までの、子午線の長さの1/10,000,000を1メートルとしました。ていうか、“子午線”って言われても、よく分からないですよね(^^;
子午線を簡単に説明すると、地球を北極点と南極点を通るようにして、真っ二つに割った時の断面の円周のことです。
もっと簡単に言えば、地球1周の円が子午線ですね。
そして、重さや体積もメートルを基準に決められました。
1キログラムは、0.1立方メートルの器に入れた水の重さと定められました。さらに、1キログラムの水の体積が1リットルになりました。
じゃあ、地球1周の長さは、ぴったり40,000キロメートルなのかというと、実は40,075キロメートルと微妙に長いです。
実際の地球は、微妙に楕円球になっています。しかも、山あり谷ありのデコボコした形なので、ピッタリにはならないわけです。
メートルへの激しい抵抗!
こうして、18世紀のフランスで、世界中の人が共通で使うことを目指した、長さの単位が誕生しましたが、当初は全く受け入れられませんでした。
誕生したフランスでさえも、慣れ親しんだ長さの単位を捨てることには、反対が多く普及しませんでした。
結局は1837年に「1840年以降は、メートル以外の単位の使用を禁止する」という法律が定められました。しかも、違反した場合の、罰金が定められおり、徹底的に普及が推し進められました。
これをきっかけに、同じように長さの単位に悩んでいる、世界の国々にもメートルが広まりました。
日本も1885年(明治18年)に、メートルを使うことにしました。しかし、当初はフランスと同じように、なかなか受け入れらず、大正10年に法律で、古い単位(尺貫法)を廃止しましたが、一般市民への普及はなかなか進みませんでした。
最終的には昭和26年にメートルの使用が義務付けられ、完全にメートルに統一されたのは、昭和41年になってからでした。
こうして見ると、長さの単位を普及させるには、国の努力が重要ということが分かりますね。
ちなみに現在、国として、正式にマイルを使っているのは、リベリア、ミャンマー、アメリカの3カ国だけです。もっと多いのかと思いきや、意外に少ないですよね。
やっぱり、アメリカがマイルを使い続けているのが大きいですね。
ちなみにアメリカでメートルが普及しないのは、アメリカ政府が努力してないからだそうです。今さらメートルにしますって言いだしたら、猛反対が起きそうですし、当分このままなんでしょうね(^^;
まとめ
欧米諸国はマイルが主流なのかと思ったら、意外にもアメリカくらいだったんですね。
やはり、アメリカがマイルを使い続けると、世界的な影響も大きいかもしれませんね。
というわけで、マイルのことを簡単にまとめておきます。
- 1マイルは1609.344メートル
- 1マイルの由来は、2,000歩進んだ距離
- 地域や時代によってマイルの長さはバラバラ
- バラバラを解消するためにメートルが誕生した
ところで1マイルが2,000歩ということは、5マイルは10,000歩、つまり8キロメートルということになります。
そこで、約8キロメートル歩いてみたら、本当に1万歩でした。毎日1万歩歩くのが目標の人は、8キロメートルが目安みたいですね!
ぜひ、参考にしてみてください(^^)/