先日、暑い日が続いていたので、どこか涼しい所にドライブしに行くことになりました。
内からは、1時間ちょっとで、蔵王に行けるので、有名な御釜に行ってきました。
そこには真ん丸の窪みにエメラルドグリーンの湖があり、本当に気持ちの良い場所でした。
でも、妻がその湖を眺めていて、私に質問してきました。
妻「どうしてこんなところに湖ができてるの?」
私「それはカルデラって言って、火口の部分が凹んだからだよ…」
妻「カルデラ?何それ?何でそんなものができるの?」
私「うん、それはね…凹んだからだよ…」
はい、答えになってませんね^^;
皆さんも何で山のてっぺんが、真ん丸に凹んでいるのか不思議に思いませんか?
そこで、例によって私は徹底的に調べてみました。
今回は山の上にできる、カルデラのでき方を解説しちゃいます。
目次
カルデラとは?
カルデラのでき方を見ていく前に、まずはカルデラとは何かをしっかりと理解しましょう。
カルデラ(caldera)とは鍋とか釜を意味するスペイン語からきています。
つまり、蔵王山の”御釜”という名前は奇しくも、カルデラの日本語訳と一緒の意味だったんですね~。
なぜ山の上の凹みをカルデラと呼ぶようになったかは、見た目がそのまま鍋や釜に似ているからです。
また、カルデラには、地盤沈下によってできるものと、風雨による浸食によるものがあります。
でき方に違いはあるものの、丸く凹んんだ形状をしていれば、カルデラと呼ぶのです。
というわけで、ここまではカルデラとはどういうものなのかを簡単に説明しました。
次はいよいよどのようにしてカルデラができるのかを見ていきましょう。
カルデラのでき方
いったいなんで山の上にあんな綺麗な丸い凹みができるのでしょうか?
実は、カルデラができるのは、ほとんどの場合、火山の火口付近です。
カルデラができる仕組みは、火山活動と密接に関係しているのです。
その仕組みは具体的には次の通りです。
- 火山が噴火して、マグマが流出する
- 火山活動が沈静化して、マグマ溜まりが空になる
- 空になったマグマ溜まりを潰す形で地盤沈下が起きる
- 風雨によって浸食され、丸い鍋底型の地形になる
それぞれの過程を具体的に見ていきましょう!
火山が噴火して、マグマが流出する
まずは、火山が噴火してマグマが流出することから始まります。
上の図では頂上でマグマが流出していますが、山腹からマグマが流出する形でも構いません。
ポイントは、マグマが大量に流出することです。
火山活動が沈静化して、マグマ溜まりが空になる
やがて、火山活動が沈静化します。
その際に地下に溜まってたマグマが流出した分、地下に空洞ができてしまいます。
この空洞が大きなポイントです。
空になったマグマ溜まりを潰す形で地盤沈下が起きる
空洞ができてしまうと、その空洞を埋める形で、地盤沈下が起きます。
マグマ溜まりのちょうど上部が地盤沈下を起こすため、必ずしも頂上付近が地盤沈下を起こすとは限りません。
風雨によって浸食され、丸い鍋底型の地形になる
地盤沈下が起きた後は、風雨によって地形が徐々に浸食されていきます。
やがて、長い時間が経つと、鍋底のような丸い形になります。
このようにカルデラが存在する山というのは、ほとんどの場合、火山です!
しかも、マグマが流出するほどの激しい噴火をしたことがあるということです。
つまり、カルデラがある山は結構、怖い山ということです。過去には穏やかに見えて、突然噴火した火山もあるので、油断できませんね…。
ちなみに噴火を伴わずに、風雨による浸食だけでカルデラができる場合があります。
この場合は、岩や土の固さの差によって、削れる部分と削れない部分ができ、それがたまたま鍋底型の地形になることでカルデラになります。
まとめ
というわけで、今回はカルデラのでき方を見てきました。
山の上にできる綺麗な丸い凹みができる理由をもう一度おさらいしておきます!
- 火山が噴火!
- 火山活動が沈静化
- 地盤沈下が起きる
- 丸い鍋底型の地形になる
火山が激しく噴火して、マグマが流出する。
火山活動が沈静化し、地下のマグマが空になる。
空になったマグマだまりを押しつぶす形で地盤沈下が起きる。
地盤沈下した部分が時間をかけて、浸食されて鍋底型の地形になる
綺麗なカルデラがある山のほとんどは、火山です。
噴火口はカルデラの真ん中に存在する場合もあるので、カルデラの付近は、実は危険地帯でもあるのです。
私が行った御釜も、湖の付近は立ち入り禁止になっていました。
一見、綺麗で穏やかな風景のように思えますが、それができる仕組みには、激しい自然の働きがあるんですね~。
皆さんも、そんな雄大な自然の産物を、一度は見てみてくださいね!