山形県ではそばをよく食べます。その中でも有名なものの一つが板そばです。
板そばは長いせいろいっぱいに、麺が乗っているボリューム満点のそばです。
私も先日食べてきたのですが、これほどまでにボリューム満点のそばを、たくさんの人が注文してペロリと平らげていました。
いったいなぜ山形県の人は、こんなボリューム満点の板そばを食べるんでしょうか?
そこで、今回は板そばとはどのような食べ物なのか?そのルーツや普通のざるそばとの違いを見ていきたいと思います。
目次
板そばとは?
まずは板そばとはどういう食べ物なのかから見ていきましょう。
板そばは元々は、長い板や木箱に盛り付けて食べられていたそばです。
大勢の人が集まった時に、振舞われる料理で、たくさん盛られたそばをみんなで一緒に分け合って食べられていました。
このようにみんなで同じ器に盛られたそばを食べることには、一緒に食べた人同士の関係が”板に付くように”とか、”細く長く続くように”という、縁起を担ぐ意味が込められています。
現在では板そばが盛られる器は、板や木箱ではなく、長いせいろが使われるのが一般的なようです。
昔のように複数の人で一緒に食べるために、4人前~5人前を一緒に盛り付ける場合もありますが、今では通常のもりそばの1.5倍~2倍くらいの量の麺を1人で食べるのが一般的です。
そんな板そばに盛られるそばは、そばの実を丸ごと挽いたそば粉で打つ、田舎そばを使うのが一般的です。また、麺も太目なので、コシが強く食べ応えがあります。
そのせいで、見た目の量以上にボリューム感で、間食するとお腹はパンパンです…。
さて、そんな板そばですが、見た目は”特盛ざるそば”といった感じですよね?
でも、もちろんそんなことはありません。
次は板そばとざるそばの違いを見てみましょう。
ざるそばとの違い
板そばとざるそばには大差無いなんて思ってはいけません。
それぞれには次の2つのような違いがあります。
- 麺の太さ
- つゆの濃さ
この2つの違いが分かると、板そばが食べたくなりますよ!
というわけで、順番にお伝えしていきます。
麺の太さ
既にお伝えした通り、板そばの麺は普通のざるそばよりも太いです。
コシがあるので、何度も噛みしめる必要があり、その分そばの味と香りをしっかりと楽しむことができます。
江戸の文化だと、”そばは一気にすすって、のど越しと香りで楽しむものだ”なんて言いますが、板そばはそのような食べ方をするそばではありません。
しっかりと噛みしめて、そばの味を楽しみましょう!
つゆの濃さ
板そばのつゆはダシを効かせた薄めの味付けです。
江戸のざるそばの場合はつゆを濃いめの味付けにするため、麺の先を少しだけつゆに漬けて食べるのが良いとされます。
しかし、板そばの場合は、どっぷりとつゆの中に漬けて食べるのが、美味しい食べ方です。
気取らずに、たっぷりとつゆを付けて食べましょう!
まとめ
今回は山形県名物の板そばを紹介しました。
板そばとざるそば似てるようで、全然違う食べ物です。
もう一度それぞれの違いをまとめておきます。
- 板そばの量は通常のざるそばの1.5倍~2倍程度
- 板そばの麺は太くて食べ応え抜群!
- 板そばのつゆは、ざるそばよりも薄味でダシが効いている
板そばは完食すると、とても幸せな気持ちになります。是非、皆さんも一度食べてみてください。
ちなみに私が食べに行った庄司屋では、板そばの大盛を注文している人がいました。
板そばの大盛って、もはや、何人前の麺が盛られているのか、よく分かりませんね…。