電子レンジが危険というのは嘘?どんな使い方がダメなのか徹底解説!

電子レンジは手軽に食べ物を温めることができる、無くてはならない家電製品ですね。

しかし、昔から電子レンジは危険だという意見をよく聞きます。

確かに私も普段は使用中の電子レンジのそばには、あまりいたくないなと思います。

皆さんも「電子レンジって何となく危険なのかな?」というような漠然とした不安を持っているかもしれませんね。

果たして本当に危険なものなんでしょうか?

自分の身を守るためには、正しい知識を身に付けることが重要ですよね!

そこで、いつものように徹底的に調べたところ、意外なことが分かりましたよ!

というわけで、今回は電子レンジが危険というのは、本当か嘘かをお伝えします。

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目次

危険とされる理由

一言で電子レンジが危険と言っても、危険とされる理由には2種類あります。

1つが電子レンジから放出される電磁波の危険性、そしてもう一つが、マイクロウェーブを浴びた食べ物の危険性です。

それぞれを分けて考える必要があるので、順番に見ていきましょう。

電磁波が危険?

まず、よく言われるのは、電子レンジから出る電磁波の危険性です。

電子レンジは高周波の電磁波を食べ物に照射して、温めるものなので、強力な電磁波を出す家電製品です。

そのため、電子レンジの近くにいると大量の電磁波を浴びるため、体に悪いという理由です。

これは「電磁波を浴びるのは危険」という考え方が根拠になっています。

でも、そもそも人間は日常生活で、大量の電磁波を浴びています。

太陽の光は全て電磁波ですし、家電製品を始めとした電気が流れるもの全般は、全て電磁波を放出しています。

これほどまで電磁波を浴びているのに、人間は健康を害することなく生活できるのは、電磁波全てが体に害があるわけではないからです。

電磁波の中で健康に害を与えるのは、波長が短いX線やγ線、紫外線のようなものです。

このような波長が短い電磁波は、強いエネルギーを持っています。そして、物体を透過しにくいため、人間の体に当たると、細胞を構成する分子や原子に衝突して、分子構造を破壊します。

その結果、細胞が壊れてしまいます。壊れたのが細胞内の染色体の場合、その細胞が、がん細胞化する危険性があります。

電磁波の危険性とはこのようなものです。

しかし、それ以外の波長が長い電磁波は、エネルギーが弱いため、たとえ分子や原子に当たっても、あまり影響がありません

また、そもそも波長が長い電磁波は物体を透過しやすいので、人間の体にはあまり影響が無いのです。

でも、そうは言っても人工的な電磁波を浴びるのは、抵抗がありますよね。

しかし、実は電子レンジから出る電磁波を浴びる量は、日常生活全体で浴びる電磁波に比べたら微々たるものです。

こちらの記事にも書きましたが、電子レンジが食べ物をあたためるのは、食べ物の中の水分を発熱させるからです。
電子レンジの仕組みを簡単解説!なぜ食べ物だけ熱くできる?

もし、電子レンジのマイクロウェーブが外に漏れていたら、周りに立ってる人間も過熱されて大火傷をしてしまいます。

そうならないのは、電子レンジから電磁波が漏れないように、厳重に保護されているからです。

日本では、電子レンジから漏れ出て良い電磁波には、厳重な基準があります。それは電子レンジから5cm離れた場所の電磁波の電力密度を1mW/㎠以下にするというものです。

よく分からない数字だと思いますが、とにかく小さい数字です。また、電磁波は距離が離れると急激に弱くなる性質があります。50cm離れただけで1/100程度になってしまうのです。

また、一般的には、電磁波の強度が2mガウス以下になれば、安全と言われています。

確実に2mガウス以下になる距離は、電子レンジから1mくらいの距離です。

電子レンジから出る電磁波は、危険なものではないのですが、それでも気になるのであれば、電子レンジを使用中は1m以上離れるようにすると良いでしょう。

食べ物が変質するから危険?

電子レンジを危険とする理由のもう一つが、電子レンジで温めた食べ物は危険というものです。

具体的には次のような理由が言われています。

  • 食べ物の栄養素が壊れる
  • 食べ物が細胞が壊れたり遺伝子が変質する
  • 容器が変質して毒性を持つ


これらは実際に危険性があるのでしょうか?

それぞれの根拠を詳しく見ていきましょう。

食べ物の栄養素が壊れる

電子レンジで加熱すると、ビタミンなどの栄養素や酵素が壊れてしまうというものです。

まず、電子レンジのマイクロウェーブは、X線などの波長が短い電磁波とは違うため、ビタミンや酵素を構成している分子を透過するため、直接影響を与えません。

ただし、食べ物全体が加熱されることで、これらの栄養素に影響が出る可能性があります。

実際に一部のビタミン(A,C,E,B1など)や酵素は、熱に弱いため、電子レンジで温めると確かに壊れてしまいます。

でも、これは通常の加熱調理でも同じことです。

通常の加熱調理でも、一部のビタミンや酵素は壊れてしまうため、電子レンジだけが特別危険とは言えません

食べ物が細胞が壊れたり遺伝子が変質する

電子レンジのマイクロウェーブの影響で、細胞や遺伝子が変質してしまうというものです。

やはり電子レンジのマイクロウェーブは、細胞や遺伝子を構成している分子には、直接影響はありません。

しかし、食べ物が加熱されれば、当然、細胞や遺伝子は変質してしまいます。

これも通常の加熱調理と同じことなので、電子レンジだけが危険ということにはなりません

容器が変質して毒性を持つ

プラスチック製や発泡スチロール製の容器に入れて温めると、過熱された容器が変質して、環境ホルモンなどの毒性のある物質が出るというものです。

これに関しては確かに危険性は否定できません。発泡スチロールの容器に入れた食べ物を温めると、容器が溶けることがあります。

ラップなどのビニール製のものも、食べ物に直接触れている部分が熱くなりすぎて、溶けていることがあります。

溶けた発泡スチロールやビニールが体に良いわけありませんよね。

また、紙製の容器でも、表面に防水加工のための塗料が塗ってあることがあるので、これも過熱された時に変質する可能性があります。

しかし、これらはそもそも電子レンジの使い方を間違った結果です。

通常の加熱調理では、プラスチックや発泡スチロールの容器を加熱したりしませんよね?

間違った使い方をすれば危険なのは、電子レンジに限った事ではありません。

これも電子レンジが危険だという根拠にはならないでしょう

というわけで、科学的に考えてみれば、電子レンジが危険というのは、あまり根拠が無いことだと分かります。

ただし、それはあくまでも正しい使い方をした時です。

当然、危険な使い方も存在します。

今度は電子レンジの危険で間違った使い方を見てきましょう。

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危険な使い方も存在する

電子レンジで気を付けるべきことは、電磁波でも食べ物の変質でもありません。

注意すべきなのは、火傷電子レンジの破損なのです。

次のような使い方は、危険なので注意が必要です。

  • 生卵を温める
  • 水を長時間温める
  • ペットボトル飲料を温める
  • 金属製の器や、金属の装飾が施された器に入れて温める


それぞれがどのように危険なのか、順番に説明します。

生卵を温める

生卵を電子レンジで温めると、卵の中の水分が温められて、水蒸気になり圧力が上がります。

そして、殻が圧力に耐えられなくなると、大爆発を起こして、電子レンジ内がメチャクチャに汚れてしまいます^^;

それだけなら、別に危険なことはないのですが、問題は飛び散った卵の破片の拭き残してしまった時です。電子レンジを使用した時に、卵の破片が残っていると、そこから発火する可能性があり危険です。

火事になるほどでなくても、焦げて煙がでたりすると、食べ物に臭いが移って台無しになります。

卵を爆発させると、後処理が非常に面倒なので、十分注意してください。

水を長時間温める

水は急速に温めると、100℃を超えても沸騰しないことがあります。

この状態で、ちょっとした衝撃を与えると、一気に沸騰する突沸という現象が起きるのです。

突沸が起きると、熱湯が激しく飛び散って火傷する可能性があり、とても危険です。

水は電気ケトルなどで温めるか、電子レンジを使う時でも、沸騰しない程度にとどめましょう。

ペットボトル飲料を温める

キャップを閉めたままで、ペットボトル飲料を温めると、ペットボトル内の圧力が急激に上がります。

やがて、ペットボトルの容器が圧力に耐えられなくなると、ペットボトルが爆発して、中の液体が飛び散ります。

ペットボトルの場合は、生卵の爆発とは比べ物にならないため、電子レンジを壊したり、近くにいる人間が火傷する可能性があります。

とても危険なので、電子レンジでペットボトル飲料を温めるのは絶対にやめましょう。

金属製の器や、金属の装飾が施された器に入れて温める

金属にマイクロウェーブを照射すると、ビリビリと激しい音を立てて、稲妻のような火花が飛び散ります。

この火花はとても強いエネルギーを持っているため、電子レンジを壊す危険があります。アルミホイルなども金属なので、電子レンジに入れると同じ現象が起きます。

また、金銀の装飾が施された器などは、装飾部分が焦げて台無しになってしまいます。

くれぐれも金属製の器に入れて、食べ物を温めるのは止めましょう。

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まとめ

というわけで、電子レンジの危険性が本当か嘘かを見てきました。

電子レンジは正しい使い方をすれば全く危険じゃありませんが、間違った使い方をすれば非常に危険です。

最後に正しい使い方をまとめておいたので、参考にしてみてください。

【電子レンジの安全な使い方】

  • 生卵、水、気密性の高い容器に入ったものを温めない
  • 金属製の器、金属の装飾が施された器、アルミホイルを入れて温めない
  • 心配なら電子レンジの使用中は、1m以上離れる


大切なのは正しい知識を身に付けることです。

電子レンジで本当に怖いのは、電磁波や食べ物の変質ではなく、火傷や電子レンジの破損です。

正しい使い方をすれば、電子レンジは安全で便利なものなので、上手に使いこなしてくださいね!