車のヘッドライトの機能には、ロービームとハイビームの他に、パッシングという機能がありますよね。
車種によって操作方法は違いますが、機能としては、ヘッドライトを一瞬だけハイビームで点灯させるというものです。
このパッシングは他の車とのコミュニケーション手段として、色んな意味で使うものです。
でも、車を運転している時に、他の車からパッシングされると、意味がよく分からない事ってありませんか?
対向車が「先に行って良いですよ!」の意味でパッシングしてくれているのに、ジッと待ってしまうみたいな^^;
実際に運転していると、パッシングされることは、頻繁にあります。その時にちゃんと相手の意思を理解できないと、場合によっては大事故につながるかもしれません。
安全のために、ちゃんと意味を理解しておくことが大切ですよ!
というわけで、今回は車のパッシングの良いとやり方をお伝えします。
目次
パッシングのやり方
パッシングの意味を見ていく前に、まずはパッシングのやり方をおさらいしておきましょう。
普通の自動車の場合、ヘッドライトやウィンカーを操作するのは、ハンドルの右側に付いているレバーですね。
多くの国産車の場合、パッシングはこのレバーを手前に引くことで行います。
ヘッドライトが点灯していない状態でこの操作をすると、ハイビーム状態のヘッドライトが点滅します。
ヘッドライトが点灯している状態のときは、照射角度がロービームとハイビームで交互に変わります。
この操作を複数回(通常は2回程度)やるのが、パッシングです。
ヘッドライトは通常は夜間に使いますが、パッシングは昼間でも使います。そのため、交差点などでは対向車のヘッドライトにも注意して、互いに意思疎通をすることが大事なのです。
まぁ、今さら説明するまでも無いですよね^^;
というわけで、次はパッシングの意味を見ていきましょう。
教本に書いてあるパッシングの意味
自動車教習所で使う教本には、パッシングの意味と使い方がどのように書いてあるかを見てみましょう。
パッシング(passing)という言葉の意味は、”通過”です。
やはりその言葉の意味の通り、交差点を通過する時に使うやり方が、3つ書いてあります。
- 右左折する車や合流車に、道を譲る
- 右左折する車や合流車に、自分が先に行くことを主張する
- 夜間の見通しの悪い交差点を通過する際
教本に書いてあるくらいなので、最低限これくらいの意味は、理解しておく必要があります。
まずは、これら3つについて、見ていきましょう。
右左折する車や合流車に、道を譲る
恐らく最もよく目にするのが、道を譲る時に使うパッシングです。
主に次のようなシチュエーションで、相手に道を譲りたい時に使います。
- 交差点で右折待ちをしている対向車に対して
- 現在走行中の車線に合流しようとしている車に対して
- 右や左から交差点に進入してくる車に対して
普段、運転している時にしょっちゅうお目にかかるパッシングです。この時に注意が必要なのが、パッシングをした車の速度です。
停止中の車がこちらに向かって、パッシングしたら「先に行って良いですよ!」という意味です。この場合は、お礼の合図などを送って速やかに通過しましょう。
ボーっと待ってしまうと、相手も待たせてしまうことになるので、要注意です。
また、こちらが道を譲る意味でパッシングをする時もは、相手に誤解されないようにしっかりと停止している状態でやるようにしましょう。
右左折する車や合流車に、自分が先に行くことを主張する
走行中の車がパッシングをした場合は、その車が先に通過することを主張している場合があります。
例えば次のようなシチュエーションで、自分が先に行くことを主張する場合です。
- 交差点で右折待ちをしている対向車に対して
- 現在走行中の車線に合流しようとしている車に対して
- 右や左から交差点に進入してくる車に対して
道を譲る時と同じシチュエーションであることに注意が必要です。この場合の違いは、パッシングをした車の速度です。
同じシチュエーションでも、走行中の車がパッシングをした場合は「こっちが先に通過するから気を付けてね」という意味なので、その車の通行の邪魔をしないように注意しましょう。
これをちゃんと覚えておかないと、相手の意思を誤解して、事故につながる可能性があるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
夜間の見通しの悪い交差点を通過する際
夜間に道幅が狭く、見通しの悪い交差点を通過する時に、これから自分が交差点に進入することを、周りに知らせるためにやるパッシングです。
交差点での衝突を防止することが目的なので、特に相手がいない時でも行います。
逆に自分が運転している時に、夜間の見通しの悪い交差点で、左右の道路からチカチカした光が見えたら、念のため交差点の前で一時停止すると安全です。
というわけで、まずは教本に載っているパッシングの使い方を説明しました。
しかし、世の中ではこの意味以外でも、パッシングを使うことがあります。中には、あまりよろしくない意味もあります^^;
次は他の意味の使い方を見てみましょう。
世の中の一般的な使い方
世の中では教本に載ってないような意味でもパッシングを使うことがあります。
よく使う一般的なものから、できれば使わない方が良い、トラブルの種になりかねない意味まで、様々です。
代表的なのは、次の5つです。
- 感謝を伝える
- 対向車のヘッドライトが眩しいことを伝える
- 危険を対向車に知らせる
- 道を譲るように催促する
- 割り込みや急停止への抗議
中にはむしろ知らない方が、トラブルに巻き込まれすに済みそうなものまであります^^;
順番に意味を見ていきましょう。
感謝を伝える
様々なシチュエーションで、お礼の意味でも、パッシングをやる時があります。
ヘッドライトは前についているので、交差点で道を譲ってもらった時が多いかもしれません。
ただ、相手に意味を誤解されたり、混乱させる可能性があるので、自分からはこの意味で使わない方が良いかもしれません。
個人的にはお礼であれば、手を挙げて合図したり、軽く会釈する方が、良いのではないかと思っています。
対向車のヘッドライトが眩しいことを伝える
走行中に対向車のヘッドライトが、ハイビームのままで眩しい時に、それを相手に伝える意味でやるパッシングです。
面倒くさがってずっとハイビームで走行していると、結構、頻繁にやられます。
『何だか対向車のヘッドライトがチカチカすることが多いなぁ』なんて感じている人がいたら、もしかしたらずっとハイビームのままで走ってるのかもしれません。
対向車とすれ違う時は、こまめにロービームにしてくださいね…。
危険を対向車に知らせる
交通事故や災害など、この先に何らかの危険が存在することを対向車に知らせる意味でも使います。
また、バスやタクシーなどでは、バスジャックや強盗など、社内で不測の事態が起きていることを知らせる意味でも使います。
滅多にない意味のパッシングですが、頭の隅に入れておくと良いかもしれませんね。
道を譲るように催促する
前方を走る車が遅いなどの理由で、その車に道を譲ることを催促する意味でやるパッシングです。
要するに『邪魔なので、横にどいてください!』という意味です。
前方の車が、制限速度を遥かに下回る運転をしているのでもなければ、こんな意味でパッシングを使うのは、できればやらない方が良いんじゃないかと思います。
実際に自分がやられると、カチンときますし、場合によってはトラブルの原因にもなりかねません。
『前の車、遅いなぁ…』とイライラすることは、よくあることですが、そんな時は道を変えたり、どこかで休憩してやり過ごしたりしてみてはいかがでしょう?
割り込みや急停止への抗議
無理な割り込みや、危険な急停止などをされた時に、それに抗議する意味で行うパッシングです。
未然に危険を防止できるなら良いんですが、もう既に危険な目に遭った後なので、この意味のパッシングは、実はあまり建設的ではなかったりします。
やっぱり、トラブルの原因になりかねないので、余程のことが無い限り、使わない方が良いのではないかと思います。
まとめ
というわけで、今回は車のパッシングの意味を色々と見てきました。
普段、他の車のヘッドライトを意識して運転していると、実は結構、パッシングで意思表示をされていることに気付きます。
でも、何も意識せずに運転していると、本当に何も気付きません。
ヘッドライトを使って、他の車が重要なメッセージを発信しているかもしれないので、ちゃんと理解しておくことが大切ですよ!
というわけで、パッシングの意味をもう一度おさらいしておきますね!
- 右左折する車や合流車に、道を譲る
- 右左折する車や合流車に、自分が先に行くことを主張する
- 夜間の見通しの悪い交差点を通過する際
- 感謝を伝える
- 対向車のヘッドライトが眩しいことを伝える
- 危険を対向車に知らせる
- 道を譲るように催促する
- 割り込みや急停止への抗議
交差点や合流箇所で停止中に、相手の車に『道を譲るので、先に行ってください』という意思表示をする。
交差点や合流箇所で走行中に、相手の車に『自分が先に通過するので、道を譲ってください』という意思表示をする。
夜間の見通しの悪い交差点で、自分が通過することを周りに知らせる。
様々なシチュエーションで、相手の車に感謝を伝える。
対向車のヘッドライトがハイビームで眩しいことを伝える。
この先に交通事故や災害などの危険が存在することを対向車に伝える。
前方の車に道を譲るように催促する。
無理な割り込みや急停止など、危険な運転をした車に対する抗議。
このように様々な目的で、パッシングは使われます。
中には自分からは、積極的に使わない方が良いものまであります。
でも、意味を知らなければ、ミスコミュニケーションに繋がり、事故を起こす危険もあります。
これらの意味を頭に入れて、安全運転な運転をしてくださいね!