先日、徳島県の美馬市にある脇町という場所に行きました。この脇町は江戸時代からの古い家屋が並んでいる風情のある街並みで、歩いているだけで心が和む場所です。
そんな脇町は別名「うだつの町並み」と呼ばれています。でも、そんなうだつの町並みに言った私はあることに気付きました。
そもそもうだつって何なのか知らないということに…。
いったいうだつって何なのでしょうか?
更によく”うだつが上がらない”なんて言いますが、なぜうだつが上がらないと良くないのでしょうか?
疑問に思った私は例によって、徹底的に調べてみました。するとうだつって意外な物だという事に気付いたんです。
そして、それが分かると”うだつが上がらない”という言葉の意味もなるほどといった感じでした!
というわけで、今回はうだつとは何なのか?そして、”うだつが上がらない”の語源をお伝えします。
うだつって何?
では、早速”うだつ”の正体から見ていきましょう。
うだつは”梲”とか”卯建”という字を書きます。元々うだちと呼ばれていて、それが訛ってうだつになりました。そしてうだつとは、自分の家と隣の家の間の屋根を少し高くした部分のことです。
例えば、私が行ってきた脇町の町並みを見てみると分かりやすいかもしれません。
↓脇町の紹介動画
本来の目的は、隣の家が火事になった際の防火壁としての役割でしたが、だんだん本来の目的と変わって、屋根の装飾の意味合いが強くなったのです。
これでも、まだまだ分かりにくいと思うので、実際に画像で紹介しますね^^
実はうだつには、本うだつと袖うだつという2種類があります。
こちらは本うだつの方です。
こんな感じで、屋根の上にちょっと出た部分を作ることで、ここを超えて火が燃えないようにしたのです。
本うだつはこんな感じで、屋根の幅全体に広がっているものを指します。
それに対して袖うだつがこちらです。
袖うだつの場合は、2階の屋根と1階の間にある
これも元々は隣の家の日が燃え移らないようにするものでした。
しかし、月日と共に、本来の防火壁の目的よりも、家屋の装飾としての意味合いの方が強くなってしまったのです。
というわけで、うだつの正体が分かったわけですが、もう一つよく分からないものがあります。
いったいなぜうだつが上がらないのがダメなことなんでしょうか?
うだつがあっても無くても関係なさそうですが、いったい何が悪いのでしょうか?
今度はうだつが上がらないという言葉の語源を見ていきましょう。
うだつが上がらないのはなぜダメなの?
うだつが上がらないのが、なぜ悪いことなのでしょうか?
まず、”うだつが上がらない”という言葉の意味はこうです。
仕事で出世できない。商売が繁盛しないなど、なかなかお金に恵まれる生活にならないことを表す言葉。
そして、”うだつが上がった”状態とは、屋根の上のうだつが、より高くなっていることです。つまり、うだつが上がらないとは、うだつの高さが低いということです。
うだつの高さが低いと、その家の人が、出世しないとか、儲かってないとされるのには、実はうだつを作るための費用に関係しています。
既に説明した通り、うだつは時代の移り変わりとともに、防火壁としてではなく、家屋の飾りとしての目的が強くなりました。うだつを作る際には、綺麗な装飾を施すようになったため、お金がかかるようになったのです。
だから、高いうだつを作ることは、贅沢なことであり、うだつが高い家は、周りからお金に余裕がある家と見られたのです。
その一方で、うだつが貧相だったり、低かったりする家は、お金に余裕が無いとみなされたことから、うだつが上がらないという言葉の意味が、出世やお金と縁の遠い人を表す言葉になったのです。
まとめ
といういわけで、今回はうだつの正体と、うだつが上がらないという言葉の語源をお伝えしました。
うだつの正体が分かると、うだつが上がらないという言葉の意味も納得ですよね!
もう一度、簡単にまとめておきますね!
日本家屋の屋根の上に、少し出ている衝立のようなもの。
本来は隣の火事が燃え移らないようにする防火壁の目的だったが、時代と共に家屋の装飾としての意味合いの方が強くなった。
【うだつが上がらないの語源】
うだつの高さを上げるのは、それなりのお金がかかる。
そのため、うだつの高い家は、お金に余裕のある家とみなされた。
そこから、転じて、出世やお金に縁のないことをうだつが上がらないと表現するようになった
うだつの高さを上げようなんて、昔の人は見栄っ張りだったんですね~。
私だったらそんなことにお金をかけるなんてもったいなくて、絶対にやらないですけどね^^;
時代と共に価値観も変わるものですね。
いずれにしても、皆さんがうだつの上がる生活になるように、願っています^^