私は日本の食文化って、世界中のあらゆるものが吸収されているなと思うんです。
元々、欧米の食べ物なのに、今やすっかり日本の食卓に定着しているものはたくさんあります。
例えば、ハムやベーコンなんかがそうです。サラダやスパゲティなど、色んな料理に使いますよね?
でも、私はふと思いました。ハムとベーコンって何が違うのでしょうか?
例によって、疑問が湧くと調べずにいられない私はハムやベーコンについて、徹底的に調べてみました。
すると、意外なことが分かりました。実は生ハムもハムもベーコンも似たような食べ物だったんです…。
実はこれらの食べ物の違いはとっても微妙なものなんですよ!
というわけで、今回は生ハムとハムとベーコンの違いについてお伝えします。
目次
それぞれの違いのポイント
それでは、早速それぞれの違いを見ていきましょう。
生ハムとハムとベーコンの違いを知るためには、それぞれの歴史を見てみるのが一番です。
というわけで、順番に見ていきましょう。
ハムの歴史
私たち日本人にとって、ハムという食べ物は、豚肉を加熱して、調味料やスパイスなどで味付けした加工食品ですよね?
しかし、元々のハムは、豚肉を腐らないようにした保存食品だったのです。
実はハム(ham)という言葉自体が、豚の腿肉を指すので、そんなに手の込んだ食べ物ではありません。
元々のハムは、豚の腿肉を塩や塩水に漬け込んだだけの食品なんです。
後は、場合によっては、肉を加熱してから塩漬けにしたり、塩漬けにした後に調味料や香辛料で味を調えます。燻製にする場合もあるようです。
豚のロース肉を使うハムもあるのですが、そうなると厳密にはハム(腿肉)じゃなかったりしますね^^;
このように元々のハムは豚の生の腿肉を塩漬けするだけなので、ハムと言った場合は一般的には生ハムのことだったわけです。
ベーコンの歴史
一方のベーコンは、どんな食べ物かというと、これも元々は豚肉を塩漬けにしただけの保存食なのです。
ハムと違うのは、材料に使う豚肉の部位です。
ベーコンの場合は、豚の背中の肉(ロース肉)を使います。実はベーコン(bacon)という言葉自体が豚の背中の肉を指す言葉なんです。
使う部位が違う以外は、作り方はハムとほとんど同じで、塩漬けにした後に、調味料や香辛料で味付けしたり、燻製にしたりします。
このようにベーコンも使う部位が違うだけで、広い意味ではハムの一種なんです。
でも、私たちが普段食べる生ハムとハムとベーコンって、全然違う食べ物ですよね?とても部位だけの違いとは思えません。
実は私たちが普段食べているハムは、伝統的なハムとは、別の食べ物なんです。
というわけで、次は現在のハムとベーコンがどんな食べ物なのかを見ていきましょう。
現在のハムとベーコン
私たちにとっては、生ハムって高級なイメージですし、ハムとベーコンなんて違う食べ物といった印象です。
それもそのはず、現在のハムとベーコンは昔とは変わっちゃってるんです。
それぞれ、順番に見ていきましょう。
生ハム
実は生ハムは本来のハムにかなり近い食べ物です。
“生のハム”なんて呼ばれ方だと、ハムとは少し違う特別な食べ物のように感じますが、実はこっちが正統派のハムと言っても過言ではありません。
スペインのハモン・イベリコという生ハムの場合は、イベリコ豚の腿肉を塩漬けにしてから2年~5年熟成させます。
イタリアのプロシュートという生ハムの場合は、豚の皮付きの腿肉を塩漬けにして、1年~2年熟成させます。プロシュートの場合は、肉を加熱したものもあり、そちらは、プロシュート・コットと呼び、非加熱のものはプロシュート・クルードと呼びます。
ちなみに豚肉を塩漬けにすれば、良いだけだからと言って、自分で生ハムを作ろうだなんて考えないでくださいね。
豚肉は寄生虫がいる可能性があるので、管理工程が分からない豚肉を塩漬けにするのは、とっても危険です。
生ハム用の豚肉は、厳重に管理された安全なものを使っています。そのため。スーパーで買った豚肉で自作しようなんて、絶対に考えないでくださいね^^;
ハム
贈り物などにする高級なハムの中には、加熱後の豚の腿肉を塩漬けにして、熟成させたものもありますね。
しかし、私たちが普段食べているスーパーで売っているハムは、完全な豚肉の加工食品です。
豚のロース肉や腿肉を成形した後、加熱し、塩や調味料などの食品添加物を加えて完成です。
熟成などはさせないため、伝統的なハムとは、ほとんど別の食べ物と言っても過言ではありません。
まぁ、私はこれはこれで好きですけどね…。
ベーコン
本来のベーコンは豚の背中の肉(ロース肉)を使います。実際にヨーロッパでは、今でも背中の肉を使っています。
しかし、アメリカなどの北米では、バラ肉から作られるベーコンの方が一般的になってしまいました。
やがて、そんなアメリカ式のベーコンが、日本に入ってきました。そのため、日本のベーコンも脂身の多いバラ肉を使ったものが主流になってしまったのです。
こうして、生ハムもハムもベーコンも、日本ではそれぞれ独自の食べ物になってしまったのです。
まとめ
というわけで、生ハムもハムもベーコンも、本来は似たような食べ物だったわけです。
もう一度それぞれがどのような食べ物がまとめておきますね!
- 生ハム
- ハム
- ベーコン
豚の生の腿肉を塩漬けにした食べ物。元々これが本家のハム。
豚のロース肉や腿肉を成形して加熱してから、塩や調味料で味付けした食べ物。本来のハムとは違う、オリジナルの加工食品。
豚の背中の生肉(ロース肉)を塩漬けにした食べ物。アメリカや日本では、バラ肉を使ったベーコンが一般的。
私たちはハムとかベーコンと聞くと、豚肉の加工食品というイメージですよね。
でも、本来は塩漬けされただけの肉そのものでした。伝統的なハムというのは、いわゆる生ハムが一番近いわけです。
なんかそう聞くと、急に生ハムが食べたくなってきました^^;
まぁ、ハムもベーコンもそういう食べ物だと思えば、美味しいと思います。
皆さんもこんな豆知識を頭の隅に入れながら食べると、ハムやベーコンが少し美味しくなるかもしれませんよ!?