私は普段からよく料理をします。
私はお肉にはうるさくて、あまり安いお肉は好きじゃないんですが、ソーセージだけは別です^^
そのまま焼いて食べても美味しいですし、色んな料理に豚肉なんかの代わりによく使います。
で、先日もスーパーに買い物に行く妻に、ソーセージを買ってきてもらうようにお願いしたところ「ウインナーでも良い?」と逆に聞かれました。
「え?別にいいよ…って言うか同じもんじゃないの?」と思ってしまったんですが、果たして本当にそうなんでしょうか?
気になった私は早速調べてみたところ、もの凄く納得しちゃいました!実はそれぞれ同じようで微妙に違うんですね~^^
といういわけで、今回はソーセージやウインナー、フランクフルトなどの違いをお伝えします!
目次
全ての基本はソーセージ!
ソーセージやウインナーは、私たちの食卓にお馴染みの食べ物ですよね。
他にもフランクフルトやボロニアソーセージなど、似たような食べ物が色々あります。それぞれ特徴に微妙な違いがありますよね。
でも、実はこれらは全てソーセージなんです!
つまり、図に表すとこんな感じです。
このように、実はソーセージという言葉は、ソーセージの製法をそのまま表した言葉なんです。
そして、その語源には、次の3種類あります。
- salsus(塩で味付けされた)とsicium(細切れ肉)が合成された言葉「salsicium」が変化して「sausage」になった
- sau(メス豚)とハーブのsage(セージ)」が合わさった言葉
- sauce(塩水)とage(寝かす)が合わさった言葉
最も有力な説は1つ目のsalsusとsiciumが合わさったという説です。
一番綺麗なのは、2番目のメス豚とセージが合わさったというものですね。でも、セージのようなハーブや香辛料を使うようになったのは、ずっと後世のことです。そのため、あまり有力な説ではないようです。
とは言え、いずれの語源も肉や塩、ハーブを使った食べ物であることを示しています。
だから、同じ製法で作られた食べ物は、全てソーセージと呼ぶわけです。
ウインナーやフランクフルトも、作り方は基本的に一緒です。
では、ソーセージの製法って、具体的には、どのようなものなのでしょうか?
ソーセージの製法
ソーセージの基本的な製法は次のようなものです。
★材料
- 鶏、豚、羊、牛などの肉
- 塩
- スパイス
- ハーブ
★作り方
- 材料の肉を細かく刻む
- 刻んだ肉を塩、スパイス、ハーブと混ぜ合わせる
- ケーシングと呼ばれる豚や羊などの腸に詰め込む
- 腸詰めにした肉をお湯で煮たり、燻製にして保存する
ソーセージの基本の製法はこれだけです。あとは、使う肉や香辛料の種類やサイズの違いによって、様々な種類に分けられるのです。
このように、単にソーセージと呼んだ時は、腸詰め肉全般のことを指し、その中でどれか特定のものを指定したい時にだけ、ウインナーとかフランクフルトと呼ぶのです。
さて、このソーセージですが、私たちには、ドイツの食べ物というイメージが強いですよね?
でも、実はソーセージの由来はドイツじゃないんです。
では、ソーセージにはどんな歴史があるんでしょうか?
ソーセージの歴史
ソーセージの歴史は古く、非常に昔から食べられてきました。
記録によると3,500年前のエジプトやバビロニアで、ソーセージのようなものが食べられていたという記録があります。
また、紀元前の古代ギリシアの文学「オデュッセイア」には、山羊の胃袋に血と脂身を詰めた兵士の携行食、「ブラッドソーセージ」なる食べ物の記述が、登場するそうです。うぇ~なんかマズそうですね…^^;
まぁ、味はさておき、古代ギリシアは多くの植民地を持っていたため、世界各地にソーセージが伝わりました。
特に古代ローマ人はソーセージが大好きで、お祭りの時には欠かさず食べていたご馳走でした。
しかし、四世紀のローマ帝国の皇帝コンスタンティヌスが「ソーセージは贅沢だから」という理由で、このお祭りとソーセージ作りを禁止しました。でも、ソーセージが大好きなローマ人たちは、せっせとソーセージを密造して、こっそり食べていたんだとか…。
ソーセージの密造って、現代の私たちのイメージからは、なんだか奇妙ですね…。
結局、ソーセージの密造が蔓延した結果、禁止令は形骸化してしまい、廃止されてしまいました。
そして、ソーセージの製法も肉や塩、香辛料を使う物が主流となり、ますます庶民の人気の食べ物になりました。更に各地域の特色も加えられて、様々な種類のソーセージが誕生したのです。
こうして、今では世界中にたくさんの種類のソーセージがあります。中には日本人に馴染の深いものもあります。
そこで、今度は色んなソーセージの種類と、その特徴を紹介します!
色んなソーセージたち
一言でソーセージと言っても、世界中には非常にたくさんの種類があります。
その中から、日本人にも馴染の深い、次のものをピックアップして解説しますね。
- ウインナー
- フランクフルト
- ボロニア
- サラミ
- チョリソ
- 魚肉ソーセージ
- 赤ウインナー
どれも日本人にはお馴染みのものばかりだと思います。特に最後の2つなんかは…^^;
というわけで、順番に見ていきましょう。
ウインナー
ウインナーは、正式名称はウインナー・ソーセージです。
意味は「ウィーン風ソーセージ」です。つまり、オーストリアのウィーンで食べられているソーセージだからこのような名前なのです。
日本のJASの規格では、太さが20mm未満で、ケーシングに羊の腸を使った物をウインナーと呼びます。
ちなみにウインナー・コーヒーというコーヒーがありますが、あれもオーストリアのウィーンで飲まれているコーヒーの飲み方です。
フランクフルト
フランクフルトも、正式名称はフランクフルト・ソーセージです。
やはり、ドイツのフランクフルト地方で食べられているソーセージです。
JAS規格では、太さが20㎜以上、36㎜未満で、豚の腸をケーシングに使っている物をフランクフルトと呼びます。
太いので、家庭で食べることは少ないですよね。
コンビニや高速道路のサービスエリアなんかで売ってる、串にささった太いやつのイメージが強いですよね^^
ボロニア
ボロニアも、正式名称はボロニアソーセージです。
やはり、イタリアのボローニャ地方で食べられていたソーセージの事を指します。
ボロニア・ソーセージはJASの規格では、太さが36㎜以上で、ケーシングに牛の腸を使った物を指します。
ボロニアはとっても太いので、このまま食べることは少ないです。
大抵はスライスして食べることが多いようですね。
サラミ
サラミはドライソーセージというソーセージを乾燥させて作るものの代表格です。
豚の挽肉に塩や香辛料、ラム酒を加えて腸詰めにした後に、60日間以上乾燥させると完成です。
日本人に馴染のあるのは、固くてスパイシーなものですね。
ピザなんかのトッピングのイメージが強いですね。
チョリソ
チョリソはスペインで広く食べられているソーセージです。日本ではチョリソーと語尾をのばした呼び名の方が一般的ですね。
チョリソの特徴はパプリカをたくさん使っていることです。そのため、赤い色をしています。
私たち日本人はチョリソと言えば、辛いソーセージというイメージが強いですよね?でも、本場スペインのチョリソは赤いだけで、辛くないものが一般的です。
実は私たちが食べているチョリソは、メキシコ産の唐辛子が入っているものが多いのです。私たちに馴染み深い”チョリソー”は、メキシコ人が自分たちに好みにアレンジしたものなんですね~。
魚肉ソーセージ
日本人にとって外せないソーセージの1つ目は、何と言っても魚肉ソーセージですよね!
魚のすり身と塩や香辛料、ラードなどを混ぜ合わせて、ビニール製のケーシングに入れて高温高圧にして作ります。
JASの規格では、魚肉または鯨肉の割合が50%以上でないと、魚肉ソーセージとは呼びません。
皆さんも子供の頃は、よく食べたんじゃないでしょうか?
私もお腹が空くとよく食べていました。でも、それと同時にとにかく、開けにくいという思い出も強く残っているのは、私だけでしょうか…?
赤ウインナー
日本人にとって外せないソーセージの2つ目は、赤ウインナーですね!
赤ウインナーは、お弁当のおかずの定番で、広く日本人に愛されているソーセージです。
でも、これは、完全に日本のオリジナルのソーセージです。世界ではこんなウインナーは、全く知られていませんでしたが、最近では日本のアニメなどに赤ウインナーが登場するため、知名度が上がっているんだとか…。
ちなみにこの赤い色の由来は、見た目を良くして、美味しそうに見せるためです。
戦後の日本では、ソーセージの原料にする質の良い肉がなかなか手に入りませんでした。そのため、見た目の色が茶色く、くすんでしまい美味しそうに見えなかったため、苦肉の策として、表面を赤くしたのです。
ちなみにこの赤い色はいかにも体に悪そうですよね?そんな疑問について調べた記事があるので、良かったらそちらもご覧ください。
⇒ 赤ウインナーの原料って何?危険性はあるのか調べてみました!
今ではちゃんと良い原料が手に入るようになっているため、わざわざ表面を赤くする必要はありません。
それにも関わらず、赤ウインナーが残っているのは、日本人のソウルフードである証ですね^^
まとめ
というわけで、今回はソーセージとウインナーの違いということで、世界中の色んなソーセージのことを紹介しました。
ウインナーは、そもそもたくさんあるソーセージの種類のうちの一つだったんですね~。
簡単にソーセージとウインナーや、フランクフルトの違いをおさらいしておきますね。
- ソーセージ(sausage)とは塩で味付けされた(salsus)細切れ肉(sicium)が合成された「salsicium」という言葉が由来
- 細かく刻んだ肉を塩や香辛料と一緒にケーシングに詰めたもの全般をソーセージと呼ぶ
- ウインナーやフランクフルトは、その地方独自の製法で作られたソーセージの一種
このように、基本的な製法が一緒の食べ物は、みんなソーセージです。そのため、世界中には、とってもたくさんの種類のソーセージが存在します。
日本にだって、魚肉ソーセージや赤ウインナーという、独自のソーセージが存在するわけです。
ちなみに日本のスーパーで売ってるソーセージは、ほとんどが太さ20mm以下なので、JAS規格でいうところのウインナーです。
日本人にとっては、ソーセージと言った場合は、ウインナーの事を指すと思っておけば、問題無いわけです。
皆さんも世界の色んなソーセージを楽しんでみてくださいね~^^