仕事や友人との関係の中で、アドバイスを求められることがあると思います。
自分のアドバイスで相手の悩みが解決したら嬉しいものですよね!
しかし、頑張ってアドバイスしても、相手がスッキリした表情をしてなかったりすると、申し訳ない気持ちになったりします。誰かに効果的なアドバイスをするのは難しいものですよね?
私もプライベートで所属しているコミュニティでは、友人たちから相談を受けることが多い立場だったため、何回も失敗を繰り返しながら、人にアドバイスする方法を学んできました。
そこで、私が学んで実践してきたことの中から、誰かから悩み相談された時のアドバイスの仕方をお伝えします!
目次
アドバイスをする時の基本
まずは誰かにアドバイスする時の基本からです。
人間の頭の情報処理能力は猛烈に速い一方で、言語によるコミュニケーションで伝えられる情報の量は、圧倒的に少ないです。そのため、人は誰かから相談を受けていると、相手が話し終えるよりも先に色々な解決策が思いついてしまいます。
その結果、往々にして「求められてないのにアドバイスしてしまう」「的外れなアドバイスをしてしまう」という失敗をしてしまいます。
そのため、誰かから悩みの相談を受けたらまずは、この基本を頭に入れておきましょう。
- 求められるまでアドバイスしない
- アドバイスというよりも提案と考える
相手はただ愚痴を聞いて欲しいだけの時もあるので、まずはじっくり話を聞き、アドバイスが欲しいと言われるまではアドバイスしないこと。
どんなに良いカウンセラーでも的確なアドバイスをするのは困難なので、自分が良いと思うことを提案するというスタンスがちょうど良い。
こちらの記事にも書きましたが、人は悩みを十分に話し切ることができれば、ほとんど解決してしまいます。
⇒ 人の悩みを聞くコツ!聞き上手に思われる3つのポイント!
私の個人的な感覚では、相手にアドバイスをしてあげることは、相手の悩みを十分に聞いてあげることに比べたら、大した効果は無いのです。
なぜなら、的確なアドバイスというのはとても難しく、大抵はそのアドバイス通りにしてもあまりうまくいかないのです。
相手にアドバイスを求められた時でも、基本は十分に話を聞いてあげることを重視して、「的確なアドバイスをしなくては!」などと気負わず、肩の力を抜いて話を聞くようにしましょう。
というわけで、この基本を踏まえた上で、次からはアドバイスをする時のコツを紹介します。
アドバイスする時の3つのコツ
誰かに悩みを相談されると、頑張って色々とアドバイスしたくなるものですが、実は悩みを相談される時は、既に解決策は相手の心の中にあることがほとんどです!
ただし、その解決策は自分では気付けていません。そのため、アドバイスをするというよりも、一緒にその解決策を探してあげると言った方が近いのです。
そして、一緒に解決策を見つけるためのコツが次の3つです!
- 最初はYes、Noで答えられる質問にする
- 1人称で話す
- 相手が話すことが無くなるまで聞く
具体的にはどういうことなのか、順番に説明していきます!
最初はYes、Noで答えられる質問にする
悩みを相談してくる人というのは、頭の中が動揺していたり、混乱したりしているものです。その場合は、具体的に自分の感情や考えを整理して話すのが難しいことが多いです。
そこで、最初は頭の中をある程度整理できるように助けてあげることが効果的です。
そのために、最初はYes、Noの2択で答えられる質問をするのが基本です。このような質問をクローズドクエスチョンと言います。
例えばこのような質問がクローズドクエスチョンです。
- Aさんに「君といると楽しくない」と言われたのが嫌だっのですか?
- 上司に無理難題を言われて腹が立ったのですか?
- 試合に負けて自分に自信がなくなったのですか?
どれもYesかNoで答えることができる質問です。
それに対して、Yes、Noではなく幅広い答え方ができる質問をオープンクエスチョンと言います。
例えばこのような質問がオープンクエスチョンです。
- Aさんに言われたことの何が嫌だったのですか?
- 上司に無理難題を言われてどう感じたのですか?
- 試合に負けた自分に対してどんな気持ちですか?
こっちの場合は、質問された方が具体的に回答しなくてはいけません。しかし、悩みの真っ只中にいると、頭の中の整理がついていないため、うまく表現できない場合が多いのです。
最初はクローズドクエスチョンの方が相手は答えやすく、YesかNoで答えているうちに、だんだんと頭の中の整理がついてきます。そして、最後にオープンクエスチョンで、相手から解決策を引き出すのです。
自分『Aさんに「君といると楽しくない」と言われたのが嫌だっのですか?』
相手『いいえ、違います。』
自分『じゃあ、「君は空気が読めない」と言われたのが嫌だったのですか?』
相手『はい、そうです。』
自分『Aさんが人の気持ちも考えずにそういったのが嫌だったんですか?』
相手『はい、そうです。』
自分『今後もAさんと一緒に付き合っていけそうですか?』
相手『いいえ、難しいです。』
自分『じゃあ、今後はAさんとどう付き合っていきますか?』
相手『どうしても一緒にいなければいけない時以外は、会わないようにします。』
最後だけオープンクエスチョンになってることが分かると思います。実際にはクローズドクエスチョンだけでは難しいのですが、相手の頭の中がある程度整理できるまでは、なるべくクローズドクエスチョン中心にするようにしましょう!
1人称で話す
相手に何か提案したりアドバイスをする時には、2人称ではなく、1人称で話すのが効果的です。
例えば次の2つの文章を見てください。
- 『君はもっと言いたいことを積極的に言うべきだと思うよ』
- 『僕は、自分の言いたいことをもっと積極的に言うべきだと思うよ』
全く同じことを言っている文書ですが、最初の文章は欠点を指摘されているようにも感じないでしょうか?
2人称で伝えるとどうしてもネガティブなニュアンスが加わってしまいます。悩んでいる人に対しては否定的なメッセージが伝わらないようにした方が良いので、提案やアドバイスは1人称で表現するようにしましょう!
相手が話すことが無くなるまで聞く
悩みの相談に乗る時は、的確なアドバイスをすることよりも、相手の悩みを十分に聞いて、共感してあげることの方がはるかに効果があります。
人間は悩みを誰かに話して受け入れてもらったという感覚を持つだけで、気持ちがとても楽になります。これをカタルシス効果といいます。
カタルシス効果を引き出すためには、ただ話を聞けばいいというわけではなく、例えば次のような適切な相づちを打つのが効果的です。
- 『そんなことされて大変だったね。』
- 『僕もそれを言われたら腹が立つね~。』
- 『分かるよその気持ち、不安になるよね。』
こうすることで、相手は共感を感じることができます。悩みの相談をする際は、アドバイスをする側の方が精神的に上の立場になりがちですが、精神的に同じ目線に立つことで、カタルシス効果を引き出すことができるのです。
以上が悩みを相談された時に、相手にアドバイスする時のコツです!
しかし、このコツ通りにやっても、実際には、その人がすぐに納得してくれるとは限りません。解決策はその人の中にあることが多いので、根気よく話して色々とアドバイスしながら、一緒に解決策を探していくことになります。
そこで、最後に解決策を一緒に探していく上での注意点を解説します。
注意する点
アドバイスをしても、なかなか相手が納得できなかったり、悩みが解決しなかったりします。
そんな時には根気よくいろんな角度からアドバイスをすることになります。ずっと話していると早く終わって欲しくなってしまうものですが、そんな時でも次の2つはしないように注意してください!
- 相手の言うことを否定しない
- 決めつけない
相手の言う事を否定することは、相手に共感することとは逆なので、カタルシス効果が全く得られません!
また、相手の悩みの解決策を決めつけて、アドバイスを押し付けても、その人の中にある真の解決策と一致しなければ、結局効果はないため、何の意味もありません。
その時には完全に的確なアドバイスができなくても、まずは相手のことを受け入れてあげることが重要なのです!
まとめ
悩みを相談された時に、アドバイスをしてあげることはとても難しいものですが、一番大切なのは、的確なアドバイスをしようとするのではなく、一緒に解決策を探すと考えることです。
アドバイスをするというのは、自分が解決策を考えてあげるということではなく、相手に考えてもらうことなのです。
そのために大切なのは次の3つです。
- 最初はYes、Noで答えられる質問にする
- 1人称で話す
- 相手が話すことが無くなるまで聞く
このコツを守りつつ、相手と一緒に根気よく解決策を探していくことが、上手なアドバイスなのです!
是非、皆さんもこのコツを使って、上手に周りの人を助けてあげてくださいね!