携帯電話の逆探知の仕組み!刑事ドラマでやってるのはウソ!

刑事ドラマでよく見るシーンに電話を逆探知して、犯人の居所を探し出すというのがあります。誘拐事件などの設定で犯人から脅迫電話がかかってくると、捜査員がスタンバイして、逆探知するなんて設定が多いですよね。

最近は携帯電話が普及しているため、逆探知の対象は携帯電話が多いですね。通話が終わった後に、犯人の居場所を捜査員が調べて、逆探知に成功したか失敗したかで一喜一憂するわけです。

でも、私はこんなシーンを見るとすごくシラケてしまいます。だって携帯電話って逆探知の必要がないんですもん

私は長年、通信業界のシステム開発をしてきて、携帯電話の位置検索のシステムの開発も経験しましたが、そもそも、携帯電話って最初っから利用者の位置が分かっていないと電話が繋がらないのです!

というわけで、ここでは世の中の多くの人が誤解している、携帯電話の逆探知の仕組みについてお伝えします。

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目次

携帯電話は電源を入れた時点で位置が分かる!

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刑事ドラマなんかでは、捜査員が必死に携帯電話の逆探知をしていますが、あんな苦労は必要ありません。

というのも、携帯電話会社の交換機は、全ての利用者の所在地情報を常に持っているからです。

実は携帯電話の端末というのは、電話やインターネットを使う時以外にも、基地局との通信を定期的に行っています。なぜならその端末が今どこにいるかを交換機側に通知する必要があるからです!

携帯電話の画面の上部には、電波の強さを示す表示がありますよね?あれが表示されているという事は、既に自分の位置が交換機側に通知済みという事なんです。位置情報の通知が失敗していれば、”圏外”と表示されます。

つまり携帯電話の電源を入れている限り、あなたの居場所は常にバレバレなんです。

では、なぜ携帯電話端末は自分の居場所を交換機側に通知する必要があるのでしょうか?それは、携帯電話で通話できる仕組みに理由があります。

今度はその理由を見ていきましょう。

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携帯電話がかかる仕組み

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携帯電話は端末を持っていれば、どこからでも電話がかけられます。そのため、当たり前ですが、利用者は不特定な場所に常に移動しています。

携帯電話の端末は最寄りの基地局と通信するため、電話をかける時やインターネットを利用する時は、まずは基地局と通信します。近くに基地局が無ければ圏外になってしまいます。

では、こちらから誰かに電話をかける時に、どうすれば不特定の場所にいる人に電話が繋がるのでしょうか?もし、相手がどこにいるか分からなければ、全国にある基地局に片っ端から呼び出しをかけなければいけません

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↑クリックすると拡大します。

そんなことすれば、呼び出すまでに時間がかかり過ぎてしまい、あっという間に回線がパンクしていまいます。

そんなことにならないように、携帯電話端末は常に自分の居場所を、交換機側に通知しています。そのため、電話をかける時はその端末の居場所に最も近い基地局から呼び出すだけで事足りるわけです。

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↑クリックすると拡大します。

このように携帯電話を持っている人の居場所は全て携帯電話会社が把握しています。

もちろん、位置情報は個人情報なので、厳重に管理されています。利用者の同意無しには、誰であっても触ることのできない情報です。

しかし、例外として、利用者の同意無しでも、位置情報が通知される場合があります。

次は位置情報が同意なしで通知されるケースを紹介します。

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同意なしで位置情報が通知されるケース

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位置情報は携帯電話会社が全て把握しています。知ろうと思えば、その人が一日の間にどこに行ったかも全て分かってしまうため、どの携帯電話会社も、個人情報として厳重に管理しています

通常は利用者の同意無しでは、位置情報は開示されませんが、例外もあります。

それが次の2つのケースです。

  • 緊急通報
  • 警察からの依頼


これらの2つのケースがどういったシチュエーションなのか、もう少し詳しく説明しますね!

緊急通報

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緊急通報とは、犯罪や事故、火事や急病人が発生した時にかける電話です。

緊急通報には次の3つがあります。

  • 110番:警察へ犯罪や事故の対応を依頼する際の緊急通報
  • 118番:海難事故の対応を依頼する際の緊急通報
  • 119番:火事や急病人の対応を依頼する際の緊急通報


緊急通報とは緊急事態の時にかける電話のため、通報してきた人もパニックになっていることがあります。パニックになっている場合や土地勘のない人は、現場の住所などを説明できない場合が多いのです。

そのような事態を想定して、緊急通報時の着信があった時点で、オペレーターの画面に位置情報が表示されるようになっています

警察からの依頼

携帯電話会社には日常的に、警察からの捜査依頼が来ます。その中にはメールのやり取りや、インターネットの閲覧履歴、通話記録や位置情報まで、様々な情報の提供依頼があります。

こういった情報は携帯電話会社が一定期間は保管しておくように、法律で義務付けられているのです。

位置情報も電源が入っていたのであれば、たとえ通話やインターネットなどをやっていなくても、過去に遡ってその人がどの場所にいたかが保管されています。そのため、電話番号やメールアドレスなど、個人が特定できる情報があれば、すぐに警察に提供できるようになっています。

位置情報は個人情報なので、厳重に守られています。しかし、実はその気になれば国は、携帯電話を所有している人の行動を全て把握することができるんです…。

怖い世の中ですね~。もちろん悪いことしなければ、何の心配もないので、善良な皆さんは安心して携帯電話を使ってくださいね!

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まとめ

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今や通信技術は高度に発達しています。そのため、位置情報も通信会社が全て把握している時代です。

そして、人々がお昼になると、どのような場所に移動して、どんな店を利用しているのかなんてことも分析したりしています。

携帯電話も電源を入れた時点で、自分の位置情報は交換機側に通知されています

便利な世の中ではありますが、ちょっと怖くもありますよね…。

でも、真面目に生きていれば、何も問題ありませんので、安心して携帯電話を使ってくださいね!