毎日のニュースで必ず出てくるのが、為替相場です。この為替相場ですが、例えば「1$=100円」だったのが「1$=90円」になると円高で、「1$=110円」になると円安です。私は自分の資産を運用をしているのですが、金額が増えると”円安”で、減ると”円高”というのが、いつも頭を混乱させます。
今は世界中の国の経済が、密接に影響し合う時代になりました。地球の裏側の国の経済が破綻すると、日本経済にもすぐに影響が出ます。お金のことをちゃんと理解しないとすぐに損してしまいます。
というわけで、経済の基本である円高と円安について、改めて勉強しなおしました。せっかく学んだので、皆さんにも両方の違いを分かりやすく解説します!
目次
円高と円安
円高と円安はどんな仕組みで起きるのでしょうか?そもそも、金額が増えるとなぜ円高ではなく、円安なのでしょうか?
まずは円高と円安の基本的な事から説明していきます。
円高とは、「円で外国の通貨を買う時の金額が少なくなること」というのは常識ですよね!
ニュースで伝えられるのは、大抵はドルかユーロなので、ここではドルと円で説明すると、1$を100円で交換できたのが、90円で交換できるようになると円高です。まぁ、分かり切ったことです。
でも、そもそもなぜ1$の値段が安くなってるのに、なぜ円高というのでしょうか?金額が下がるのは、安くなったって言うんじゃないでしょうか?実はその通りなんです、金額が下がってるので、安くなってるのです、ドルの方が!
私たちが普段目にしているのは「1$=○○円」という表示です。この場合、私たちがイメージするのは1$のお値段です。しかし「100円=○○$」という表示に直してみるとどうでしょうか?
「100円=1$」が「100円=1.11$」になったら、円が高くなってますよね?実は「100円=1.11$」は「1$=90円」と同じレートです。
逆に「1$=110円」になった場合は「100円=0.91$」なので、円が安く買えるようになってるので、円安になってるわけです。
このようにニュースで伝えられる為替相場は、ドルの値段を表示しているのに、言葉では円の値段のことを言っているので、私たちは混乱するのです!
さて、ここまでは円高と円安の仕組みについてお伝えしました。この円高や円安は私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?
今度は実際の私たちの生活の中で、円高と円安がどのような影響を与えるのか、そのメリットとデメリットを見ていきましょう!
それぞれのメリットとデメリット
単純なようでややこしい、円高と円安ですが、損しないためにはそれぞれのメリットとデメリットを理解しておく必要があります。
順番に見ていきましょう!
円高
円高になることのメリットとデメリットは次のようなものです。
- 輸入品が安くなる
- 海外旅行が安くなる
【デメリット】
- 輸出産業の業績が悪くなる(≒景気が悪くなる)
- 給料が下がる
- 海外からの観光客が減る
円高のポイントは外国の物が安く買えることと、景気の悪化です。
外国の物を買う時は、まずその国のお金で買わなければなりません。円をその国のお金に変える時には、円高の方が少ない金額で済むためお得になります。
自国の製品を輸出する際は輸出先のお金で売ります。それを円に換える時に円高だと少ない金額にしか変えられないため儲からないのです。
今の世界はどの国でも、自分の国の製品を外国に売ることで経済が成り立っています。もちろん日本も例外ではありません。そのため、円高で輸出産業の業績が悪くなることは、景気の悪化につながります。
円安
一方の円安のメリットデメリットは、言うまでもなく円高の逆です。
- 輸出産業の業績が良くなる(≒景気が良くなる)
- 給料が上がる
- 海外からの観光客が増える
【デメリット】
- 輸入品が高くなる
- 海外旅行が高くなる
円安になると輸出産業の業績が良くなります。そのため、政府も日本銀行もとにかく円安にしようとします。そんな話を聞いていると、日本経済のためには円安の方が良いんだなぁと漠然と思ってしまいます。
しかし、様々な物を輸入に頼っている日本では、円安は物価の上昇に直結します。良いことばかりではないことをちゃんと理解しておきましょう!
結局どっちが得なのか?
円高と円安のメリットとデメリットは表裏一体です。では、実際にはどっちの方が良いのでしょうか?
やはり、景気が悪くなってしまう円高よりは、景気が良くなる円安の方がメリットがあります。円安になると景気が良くなって給料も増えますが、代わりに物価も高くなるため、結局は意味がない気がします。しかし、日本経済全体が成長してくため、円安の方が望ましいのです。
なぜ物価が上がっても円安の方が経済成長になるのかについては、こちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
⇒ インフレとデフレの違い!メリットとデメリットを解説!
円高になる原因と円安になる原因
では、円高や円安はどのようにして起きるのでしょうか?
為替というのは、売ったり買ったりをしています。そのため、基本的な市場原理と同じ仕組みで、値段が上がったり下がったりします。つまり、円を買う人が多ければ、需要が増えているので、円の値段が高くなって、円高になります。また、逆に円を売る人が多ければ、円の供給がふえているので、円安になります。
この需要と供給のバランスの変化によって、円高になったり円安になったりします。具体的に見てみましょう!
- 日本の好景気(外国の不景気)
- 日本の金利の上昇(外国の金利の低下)
【円安になる要因】
- 日本の不景気(外国の好景気)
- 日本の金利の低下(外国の金利の上昇)
- 日本銀行の政策
円高と円安の要因は表裏一体です。ポイントは景気と金利と政府や中央銀行の政策です。順番に解説していきます!
景気
日本の場合、国内で作った物を海外に輸出して、お金を稼いでいるわけですが、外国に輸出した場合は、その国のお金で代金を受け取ります。それを円に交換する時に円が買われる形になるわけです。
つまり、「景気が良くなる⇒輸出が増える⇒外貨をたくさん獲得する⇒外貨を円に換えるためにたくさんの円が買われる⇒円高になる!」という流れなわけです。
逆に不景気になると、円が買われる量が減るため、円安になってしまうのです。
また、逆に相手の国が不景気になった場合、相手の国からの輸出が減り、円が売られる量が減るため、円高になります。そして、相手の国が好景気の場合は逆に円安になります。
金利
日本の金利が上がった場合、銀行に預けた時の利率も増えるので、円をたくさん持っていた方が得になります。そのため、日本銀行が金利を上げると円がたくさん買われるため、円高になります。
逆に金利が下がると、円を持っていても儲からないので、円を売って、もっと金利の高い他の通貨が買われるため、円安になります。
また、外国の金利が下がると、その国の通貨が売られて、円の方がマシだという事で、円が買われて円高になるわけです。そして、外国の金利が上がればその逆で円安になります。
日本銀行の政策
金利の上下は為替相場に影響があるわけですが、金利を上げたり下げたりするのは日本銀行です。そのため、日本銀行の金利の上げ下げを決める権限がある人たちが、「そろそろ金利を上げようかな…」なんて発言をしただけでも、円高になります。
また、日本銀行は政府からは独立した機関ですが、実際には日本の経済政策を決める際に、日本銀行は重要な存在のため、政府と連携して政策をきめています。そのため、総理大臣や財務大臣などの発言も大きな影響を与えます。
まとめ
今回は円高と円安の違いと仕組みについてお伝えしました。
円高とは外国の通貨で表した時の円の値段が高くなっていること、円安はその逆でした。つまり、外国の通貨視点で見た円の値段というわけです。
しかし、こうして為替の事を勉強してみると、私たちが持っているお金の価値は日々めまぐるしく増えたり減ったりしていることが分かります。
お金のことをちゃんと理解して、損しないように上手に運用したいものですね!
でも、一番得なのは、もしかすると、お金を持たないことかもしれませんね…。