夏の熱い盛りになると食欲が落ち、それに伴って夏バテになってしまいます。そんな夏バテ対策の食べ物としてお馴染みなのがうなぎですね!
お馴染みと言っても、最近はうなぎの値段も高くなってしまいました。
しかし、高くてもうなぎが食べたくてしょうがない私は、うなぎのことを色々と調べてみました。すると、うなぎの旬は天然と養殖では、違うことが分かったのです。
そこで、今回はうなぎの旬の時期や天然と養殖の違いを解説します。
目次
天然と養殖の違い
今や天然物のうなぎには滅多にお目にかかることはありません。私たちが口にするうなぎは養殖物がほとんどです。
そんな幻の天然のうなぎと、私たちが口にする養殖のうなぎについて、見ていきたいと思います。
旬の時期
うなぎの旬の時期と言えば、すぐに思いつくのは、真夏の暑い盛りの土用の時期ですね!
しかし、天然うなぎの旬の時期は夏ではありません。実はこの時期に出回っているうなぎはほとんどが養殖うなぎです。
天然と養殖の旬の違いは次の表のようになっています。
天然 or 養殖 | 旬の時期 | 備考 |
---|---|---|
天然 | 10月~12月 | 獲れ始める時期は5月 |
養殖 | 1年中 | 食べ頃を7月に合わせることが多い |
天然うなぎは冬眠から覚めて、5月頃から活動を始めます。この頃のうなぎは冬眠中に何も食べていないため、美味しくありません。エサを食べて脂がのってくるのは、8月以降です。そして、一番脂がのって美味しくなるピークが10月~12月です。
ちなみに養殖うなぎは、最近では温度管理がされた場所で、食べ頃になる時期を調整しながら養殖しているので、基本的に1年中美味しいうなぎを食べることができます。
とは言え、1年の中で最もうなぎの消費量が増える7月に合わせて、養殖していることが多いので、そういった意味では、養殖うなぎの旬は7月といっても良いかもしれませんね!
天然うなぎの特徴
とっても美味しいうなぎですが、その生態は謎に包まれています。そんなうなぎの一生は次のようなものです。
- 海で誕生
- 海でエサを食べながら回遊して沿岸に来る
- 河口などの淡水の場所に住み着く
- 5年~10年後経ち、大人になったら再び海に戻り産卵する
深海で誕生すると言われている
稚魚が何を食べているかは謎が多いが、最近、プランクトンの糞や死骸を食べていることが確認された
鮭のように川の上流まで遡ることはしない
産卵場所はグァム島やマリアナ諸島沖のマリアナ海嶺と言われている
日本で獲れる天然うなぎはニホンウナギという種類のうなぎです。大人のニホンウナギは体長が1mほどになります。
ちなみにうなぎの完全養殖技術の研究は盛んに行われていますが、生態に不明点が多いため、なかなか実用化には至ってません。
既に完全養殖には成功しているのですが、コストがかかり過ぎるため、安く養殖できる技術を研究中なのだそうです。
早く、実用化されるといいですね!
養殖うなぎ
一方の養殖うなぎですが、既に説明した通り、うなぎの完全養殖はまだ実用化されていません。
実は私たちが食べている養殖うなぎも元々は、天然のうなぎの子供を育てたものなのです。養殖うなぎにするためのうなぎの子供はシラスウナギと呼びます。
うなぎは深海で誕生して、少しずつ大きくなり、やがて体長5cm程度のシラスウナギに成長します。シラスウナギは群れになって、沿岸を目指して回遊します。
こうして沿岸に移動してきた、シラスウナギを生け捕りにしてしまうのです!
生け捕りにしたシラスウナギは養殖場に移されて、大人になるまで飼育されます。しかし、最近ではこのシラスウナギの漁獲量も減ってきているため、たとえ養殖うなぎであっても、値段が高くなってきているのです!
さて、ここまでは天然と養殖のうなぎの違いを見てきました。天然うなぎの旬は秋から冬にかけての時期にもかかわらず、なぜ、夏が旬だと思われているのでしょうか?
次はうなぎの旬が夏だと思われている理由について見ていきましょう!
夏が旬と思われている理由
うなぎの旬と言えば夏というイメージが定着してしまった理由はなぜなのでしょうか?
ここではその理由を考えてみたいと思います。
平賀源内のキャッチコピーがきっかけ!?
夏にうなぎを食べる習慣を定着させたとして、有名なのは平賀源内のエピソードです。
夏の暑い盛りの土用の時期になると、さっぱり売り上げが落ちてしまうことに困ったある鰻屋が、売り上げアップの方法を平賀源内に相談しました。
相談を受けた平賀源内は「丑の日に”う”の付く食べ物を食べると夏バテしない」という風習が元々あったことに着目しました。
そこで、平賀源内は「本日、丑の日」と書いた張り紙を店先に貼っておくように勧めたところ、その鰻屋はとても繁盛したため、他の鰻屋も真似するようになりました。
とても有名なエピソードですが、実は他にも理由があるようです。
古くは万葉集にも記載がある!
実は夏にうなぎを食べて、暑さを乗り切る風習は万葉集に詠まれている昔からある風習です。
栄養価の高いうなぎが滋養強壮に良いというのは、かなり昔から知られている事でした。
夏に食べるのは理に適っている!
うなぎの旬は夏ではないものの、夏バテ解消に役立つ栄養が多く含まれています。
うなぎにはビタミンA、ビタミンB群が多く含まれており、体脂肪を効率よくエネルギーに変え、疲労物質を分解して、疲れを取るのに役立ちます。
また、良質なたんぱく質や不飽和脂肪酸も豊富に含まれているため、食欲が落ちて不足した栄養を取るには最適な食べ物なのです!
うなぎは食欲と体力が落ちる夏場に最適な食べ物だったため、元々古くから夏バテ対策としてうなぎを食べる習慣がありました。
そこに、平賀源内考案のキャッチコピーがきっかけになって、広く一般に浸透したというのが、理由のようですね!
まとめ
今回は天然うなぎと養殖ウナギの違いを色々とお伝えしました。
もう一度おさらいしますね!
- 天然うなぎの旬は10月~12月、養殖うなぎは1年中いつでも美味しい
- 養殖うなぎは天然のシラスウナギを育てたもの
- うなぎを真夏に食べるのは理に適っている!
ちなみに土用の時期に食べるのであれば、養殖うなぎがおすすめです。天然うなぎはこの時期は旬ではないからです。ただでさえ高くて貴重な天然うなぎは味が落ちる真夏に食べるのは、もったいないのでご注意ください!
ちなみに私は夏に限らず、年中うなぎが食べたいです…。こんな記事を書いていたら、うなぎが食べたくなってしまいました…。
早く、安い養殖うなぎが食べられるようになると良いですね…。