最近はうなぎの取れる量が減ってきています。養殖のうなぎであってもかなりの高級食材です。ましてや天然うなぎなんて幻のような存在です。
私はうなぎが大好きなのですが、最近はすっかり高くなってしまったので、全く手が出ません…。なんとかうなぎを安く食べたいなぁと思います。
そんなある日、回転寿司でアナゴを食べている時にふと思いました。アナゴってうなぎの代用にならないのでしょうか?味や食感が似ているので、蒲焼にしてご飯の上に乗っけたら美味しいのではないでしょうか?
食い意地の張った私は、うなぎとアナゴについて調べてみました。アナゴをうなぎのようにして食べることができたら、嬉しいですよね!?
というわけで、今回はうなぎとアナゴの違いと、アナゴがうなぎの代わりになるかどうかについてお伝えします。
目次
うなぎとアナゴの違い
アナゴをうなぎの代用にできるかどうかを調べるには、まず、様々な角度から違いを知る必要があります。
そこで、最初にうなぎとアナゴの違いを次の3つのポイントから見ていきましょう。
- 生物学上の分類
- 生態
- 外見
- 栄養素
順番に説明していきます。
生物学上の分類
まずは生物学上の分類からです。見た目も食感もなんとなく似ているうなぎとアナゴですが、生物学上の分類は次のようになっています。
ウナギ目-ウナギ科-ウナギ属
【アナゴ】
ウナギ目-アナゴ科-アナゴ属
(日本人が食用にしているアナゴ)
両方ともウナギ目の魚ということで、生物学上は親戚と言えそうです。これは幸先が良いですね!
生態
次は生態です。うなぎとアナゴの生態はそれぞれ次のような特徴があります。
深海で誕生し、成長しながら川や湖などの淡水に移動して、数年間を過ごす。やがて、産卵の時期になると、再び海に出ていって、深海で産卵して一生を終える。
このようにうなぎは一生のほとんどを淡水で暮らすため、基本的には淡水魚。
【アナゴ】
深海で誕生し、成長しながら陸地の沿岸の浅瀬に移動して、数年間を過ごす。やがて、産卵の時期になると、再び海に出ていって、深海で産卵して一生を終える。
このようにアナゴは生涯、海の浅瀬で過ごす海水魚。
大きな違いはうなぎが淡水魚であるのに対し、アナゴは海水魚ということです。これは結構大きな違いですね。
外見
今度は外見です。細長くてヌルヌルしてるくらいで、その姿をちゃんと見たことがない方も多いのではないでしょうか?
うなぎとアナゴの外見の特徴は次のようなものです。
- 体長は60cm程度の円筒形の体形
- 腹びれが無い
- 皮膚に埋もれた小さな鱗がある
- 下あごが突き出ている
【アナゴ】
- 体長はオスが40cm、メスが90cmの円筒形の体形
- 体の側面に白い点線がある
- 下あごが上あごに隠れる
外見の違いの一番は体長です。うなぎはオスとメスはほとんど同じ外見です。同じ環境の中で、オスとメスの数が極端に偏っている場合は、性転換を行うことがあるため、体の作りはほとんど一緒で、見分けるのはかなり困難です。
一方のアナゴはメスの方が倍も体が大きいので、すぐに見分けがつきます。
栄養素
最後は栄養素です。味に直接影響する部分なので、重要ですね!
うなぎとアナゴに含まれる栄養の代表的なものを比較してみました。
名称 | うなぎ | アナゴ |
---|---|---|
カロリー | 255Kcal | 161Kcal |
脂肪 | 19.3g | 9.3g |
たんぱく質 | 23g | 17g |
ビタミンA | 1,043μg | 500μg |
ビタミンB1 | 0.15mg | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.14mg |
ビタミンE | 4mg | 2mg |
カルシウム | 20mg | 75mg |
鉄 | 0.5mg | 0.8mg |
亜鉛 | 1.62mg | 0.70mg |
ビタミンとミネラルに関しては、ビタミンAの量がうなぎの方が多い以外は、これといった差はありませんね。しかし、味に大きな影響を与える脂肪の量は、うなぎがアナゴの倍以上です。そのためカロリーもうなぎの方が多いのが特徴です。
というわけで、ここまではうなぎとアナゴの違いを見てきました。次からはうなぎをアナゴで代用できるかについて考えていきます。
うなぎはアナゴで代用できないのか?
安いアナゴでうなぎの代わりができたら、嬉しいのですが、果たしてそれは可能なのでしょうか?
うなぎとアナゴの食材としての違いは、何といっても含まれている脂肪分の量です。
確かにうなぎのイメージは焼いている時にしたたり落ちる脂です。一方でアナゴから脂がしたたり落ちるイメージはありませんね。昔の人はそれぞれの食材に適した調理法を良く知っていて、代表的な調理法は全てこの脂の違いが考慮されています。
うなぎは焼くことで余分な脂を取り除き、アナゴはたんぱくな味わいを補うために、ふっくらとタレで炊いて食感と味を補ったり、てんぷらにして脂肪分を補っています。
やはり、この脂の量が料理方法にも一番影響してきます。
うなぎとアナゴは脂の量が一番の違いです。そのため、アナゴを蒲焼にしても、うなぎのようなジューシーで濃厚な味は出せません。うなぎをてんぷらにしても、脂が多すぎてしつこくなってしまいます。
料理において、脂肪分の影響はとても大きいのです。例えば牛肉でも部位が違えば、含まれる脂肪分が違うため、適した料理も変わってきます。ましてやうなぎとアナゴは種も違うので、どうしても代用は難しそうです。
それぞれ、とても美味しい食べ物なのに、やはり、全てのうなぎ料理の代用としては難しそうですね…。
まとめ
今回はうなぎとアナゴの違いをお伝えした上で、アナゴがうなぎの代用になるかどうかを見てきました。
うなぎとアナゴの大きな違いは、次の2つです!
- うなぎは淡水魚、アナゴは海水魚
- うなぎは脂がたっぷりで、アナゴは脂少な目の淡白な味わい
代用できるかどうかを大きく左右する味の方では、うなぎとアナゴの脂肪分の量の差が大きすぎるため難しそうです…。
やはり、うなぎはうなぎなんですね…。また、手ごろな値段でうなぎが食べられる日が来るのを待つばかりです。
脂の違いであるなら、アナゴを養殖して太らせれば脂分が増えるのでは。
Tatsuさん
コメントありがとうございます。
確かにその方法もありかもしれませんね^^