最近、あるお笑いタレントが、「子役が共演者にお疲れ様と言うのは失礼だ!お疲れ様は目上の人から目下の人に言う言葉だからだ」と発言したというニュースを目にしました。
そういえば、私も「お疲れ様」の意味が曖昧だと思い、その発言をしたタレントも博識で有名な芸能人なので、心配になって色々と調べてみました。
すると、「お疲れ様」の正しい使い方について、間違って理解していることに気付きました。更に間違った理解をしていたのが、「ご苦労様」の使い方です。
私は完全に間違った使い方をしていました。今までだいぶ失礼なことをしていましたよ…。
というわけで、私と同じ間違いをしないように、今回はお疲れ様を目上の人に言うのは失礼な事なのか、そして、ご苦労様との違いはどういう意味なのかについてお伝えします!
目次
お疲れ様とご苦労様
社会人として生活していると、挨拶として必ず使うのが「お疲れ様」と「ご苦労様」です。毎日のように使うのに、意外と正しく理解してない人も多いのではないでしょうか?
早速、「お疲れ様」と「ご苦労様」の意味を見ていきましょう!
お疲れ様の意味
「お疲れ様」は毎日のように使う挨拶ですね。先に変える同僚が「お先に失礼します」と言うのに対して、「お疲れ様でした」と言うのが最も多い使い方ではないでしょうか?
「お疲れ様」の意味は以下です。
相手の労苦を労う意味で使う言葉。
または職場で先に帰る人への挨拶、Eメールの最初の書き出しなどにも使う。
「お疲れ様」は同僚、または目上の人に対して使う
さすがに使い方を間違っている人は、ほとんどいませんよね!ポイントは使う相手です。「お疲れ様」は同僚か目上の人に使うのです!
お客様に対しても「お疲れ様」を使います。
つまり、冒頭のお笑いタレントの発言は、実は間違いなのです!
ご苦労様の意味
今度は「ご苦労様」の意味です。ご苦労様は普段はそんなに使わないと思います。しかし、普段使わないからこそ、いざという時のために正しい使いどころを知る必要があります。
「ご苦労様」の意味と使い方は以下です。
基本的にお疲れ様と同じ意味で、相手の労苦を労う意味で使う言葉。
ただし「ご苦労様」は目上の人から目下の人に対して使う
意味自体は「お疲れ様」と同じ意味です。しかし、一番違うのは使う相手です。ご苦労様は目下の人に使う言葉なのです。
そのため、「ご苦労様」を上司やお客さんに使うのは、失礼になるのでご注意ください!
さて、ここまでで「お疲れ様」と「ご苦労様」の正しい意味について、理解することができたと思います。しかし、実際には私や冒頭のお笑いタレントのように「お疲れ様」は目上の人に使うのは、間違いだと誤解しているが多いのも事実です。
では、実際に日常会話でどうすれば良いのでしょうか?今度は「お疲れ様」の使い方について、考えたいと思います。
実際に使う時はどうする?
「お疲れ様」は同僚と目上の人に使ってよい言葉です。目下の人に使うのは、間違いではあるものの、現実的にはあまり問題になることもないでしょう。
しかし、「お疲れ様」の意味を誤解している人のことも考慮して、日常でトラブルにならないようにするにはどうしたらよいか見ていきましょう!
言葉は相手がどう感じるかが重要!
言葉というものは、生きた物です。時代によって意味も微妙に変わってくるものです。そのため、時代や相手に応じて、使い分けることが重要です。
そのため、言葉を使う時に一番大切なのは、相手がどう受け取るかです。相手が不快な気持ちになるのであれば、本来の意味にこだわり過ぎるのは、お互いメリットがありません。
今の日本社会では「お疲れ様」は同僚に使うのは問題は無く、目上の人に使うのは間違いと一部の人の間で誤解されているようです。
そこで、日常では同僚に対してのみ「お疲れ様でした」と言うと良いでしょう!
では、目上の人に対しては、どう言えば良いでしょうか?
代わりにおすすめの言葉
本来は目上の人に対して「お疲れ様でした」と言っても、大丈夫なのですが、それだと失礼と感じる人もいます。じゃあ、なんていえば良いのよって感じですが、要は相手を労えば良いわけです。
そこで、「お疲れ様」の代わりの言葉はこんなのはいかがでしょうか?
- お気をつけてお帰りください。
- また明日お会いしましょう。
- ありがとうございました。
- さようなら、また明日。
- おやすみなさい。
単に「お気をつけて」でも良いと思います。個人的に一番無難な挨拶だと思います。
ちょっとかしこまり過ぎな感じもあります。かといって単に「また明日」だとカジュアル過ぎる感じもします。かなりの目上の人に対して適した挨拶かもしれません。
無難ではありますが、「何かお礼を言われるようなことしたっけ?」と聞き返される可能性もあります。毎日言い続けて慣れてしまえば、問題なしです!
これも無難な挨拶だと思います。明日会えない場合は、少し気まずいかもしれないので、そこだけ要注意ですね。
かなり遅い時間であれば、おやすみなさいも良い挨拶です。定時直後には適さない挨拶なので、現在時刻に要注意です。
このように「お疲れ様」の代わりになる言葉は色々あるので、自分に合った言葉を選んでみてください!
まとめ
今回は「お疲れ様」は、目上の人に対して使うと失礼なのかについて、お伝えしました。
実は目上の人に対して失礼なのは、「ご苦労様」の方で、「お疲れ様」は目上の人に使っても大丈夫な言葉でした。
しかし、言葉は時代や人によって、常に意味が変わってくるものです。話す人同士が気持ち良く、コミュニケーションできる言葉を選んで使うことが重要です。
「お疲れ様」を不快に感じる人に対しては、今回紹介したような言葉で柔軟に対応してみてください!
ちなみに私の場合も、お疲れ様は同僚にのみ使う言葉で、目上の人には使っちゃいけないと思っていました。そして、目上の人に使うべきなのは「ご苦労様」だと誤解してました。
今までめちゃくちゃ目上の人に「ご苦労様」と言いまくってました!自分の無知が恐ろしいです…。
「ご苦労様」が何故目下の者が使っていけないかについては、諸説あります。そもそも「ご苦労様でございます」は戦前は目下のものが目上の者に使っていた言葉です。
例をあげるなら、村の駐在さんが夜回りをしていると村人は「ご苦労様でございます」と頭を下げるのが丁寧な表現でした。
ところがテレビの時代劇で目上の武士が「ご苦労」という使い方をすることが多くなったために、「ご苦労」は目上から目下に使うと誤解され、ビジネスマナー講座の講師が知ったかぶりで言い始めました。ほんの30-40年前のことです。武士の言葉では「苦労をかけた」とねぎらうことはあっても「ご苦労であった」とは言いません。「大儀であった」と言います。しかし、いつの間にかビジネスマナーの世界で「ご苦労様」が不適当にされてしまったのです。それで止む無く「お疲れ様でした」が使われるようになりました。そして、ここにきて「お疲れ様」まで失礼と言う輩がでてきました。目下のものは疲れますね。本当に。
野田さん
コメントありがとうございます。
“ご苦労様”の由来を教えていただいてありがとうございます。
> ビジネスマナー講座の講師が知ったかぶりで言い始めました。
これは私も耳が痛いです^^;
現代は情報通信技術やインターネットが発達してますが、良いことばかりではないようですね。間違った情報が正しいものとして広まり、そのまま定着してしまうことも多いと言います。
私も正しい情報を発信するように気を引き締めたいと思います。