国政選挙や地方自治体の議会の選挙では、投票日の2週間~3週間くらい前に選挙が行われることが宣言されます。その日を境に候補者の名前を連呼する車が走り出したり、色々な場所で候補者が演説をしだしたりと、賑やかになります。
この選挙の開始日を公示と呼んだり、告示と呼んだりします。
同じ選挙なのに、なぜ公示と呼んだり、告示と呼んだりするのでしょうか?
そこで、今回は選挙における公示と告示の違いについてお伝えします。
目次
公示と告示
早速、公示と告示がそう違うのか見てみましょう!
公示
公示とは国政選挙の実施を宣言する際に使われます。具体的には衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙を実施する時に使います。
公示という言葉は日本国憲法7条の天皇の国事行為の一つの「国会議員の総選挙の施行を公示すること。」という部分から来ています。
つまり、公示というのは日本国憲法に明記された、天皇陛下の特別な国事行為なのです。
告示
一方の告示の方は衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙以外の選挙を実施する時に使う言葉です。
つまり、地方自治体の知事や議会の選挙などは、全て告示という言葉を使います。
衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙以外の選挙は全て、選挙管理委員会が選挙の実施を宣言します。選挙管理委員会が宣言する場合は、告示という言葉を使うのです。
このように衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙などの国政選挙では、公示という言葉を使うわけですが、実は少し例外があります。今度はその例外を見てみましょう。
例外について
公示という言葉は天皇陛下の国事行為です。実は国政選挙には天皇陛下の国事行為にならない選挙もあります。
例外として告示となる国政選挙
国政選挙の中には、国会議員に欠員が出た際に実施する補欠選挙や、当選した人が議員定数に達しなかった場合に行われる再選挙というものがあります。
補欠選挙と再選挙の場合は、天皇陛下が公示するのではなく、選挙管理委員会が告示をすることで、選挙が実施されるのです。
憲法解釈の例外!?
既に説明した通り、公示とは日本国憲法の「国会議員の総選挙の施行を公示すること。」から来ています。
しかし、総選挙と呼ぶのは衆議院議員の選挙だけです。参議院議員の選挙の場合は通常選挙と呼びます。
衆議院の選挙の場合は、全ての議員を選挙で一斉に選びなおすために総選挙と呼びます。
一方で参議院の選挙の場合は、3年毎に定数の半分を選びなおすため、入れ替わるのは全員ではありません。そのため、参議院議員選挙は総選挙ではなく、通常選挙と呼ぶのです。
そうなると、憲法には総選挙の施行を示すことが、公示と書いてあるので、参議院議員通常選挙は対象にならなくなってしまうのではないでしょうか?
これに関しては、総選挙という言葉を厳密にとらえずに、国会議員の選挙の施行を示すことが、公示と解釈しているのだそうです。
まとめ
公示と告示の違いは、選挙の実施を宣言するのが、天皇陛下か選挙管理委員会かの違いだけでした。
宣言する人の違いだけで、意味は同じです。
公示と告示の意味の違いを理解して、ちゃんと使い分けると賢い大人と言った感じがして、カッコいいかもしれませんね!
ちなみに私は選挙の開始の事は、何でもかんでも公示と言ってました…。
私は社会の勉強をやり直した方が良いですね…(^_^;)