以前、友人が車で物損事故を起こした時に、前科になってしまうのではないかと心配になったという記事を書きました。
⇒ 前科と前歴の違い!前科が付いた時の影響ってどんな事?
それがきっかけで、前科があるとどのような影響があるのか色々と調べてみました。やはり最も気になることの一つは、海外旅行に行く時の制限です。
前科がある人が海外旅行に行く時には、手続きなどは必要なのでしょうか?そもそも、海外旅行は可能なんでしょうか?
交通違反でも前科になってしまう以上、海外旅行に行く前には、ちゃんと知っておいた方が良い知識だと思います。
そこで、今回は前科がある人は海外旅行できるのかについてお伝えします。
目次
前科がある人は海外旅行できる?
早速、前科がある場合に海外旅行ができるかどうかについて見てみましょう。
もし、前科があると海外旅行に行けないとなると、交通違反をしただけでもダメということになってしまいますが、果たしてどうなのでしょうか?
概ね海外旅行は問題無し
日本の場合、海外旅行をする際の主要な国では、ビザはいらないことがほとんどです。大抵はパスポートと入国の手続きに必要な用紙の記入程度で終わってしまいます。
例えばヨーロッパの国々であれば、前科の有無すら確認されることはありません。
もし、入国手続きの用紙の中に前科などを書く欄があった場合、正直に書いてもよほどのことが無い限り、入国を拒否されるようなことはないようです。また、この場合の前科は裁判などで禁固以上の刑を受けた場合を指します。
略式起訴による罰金刑などは対象外なので、スピード違反や駐車違反のような前科は書く必要がありません。
ただし、中には前科のある人の入国を厳しくチェックしている国もあります。それがアメリカです。アメリカについては、後で説明します。
そもそも前科の情報は旅行先の国は知ることができるの?
そもそも前科の情報を旅行先の国が知ることはできるのでしょうか?前科前歴の情報は以下の3つの期間が保管しています。
- 警察
- 検察
- 本籍のある地方自治体
前科前歴は機密性が最も高い個人情報のため、たとえ本人であっても開示することはありません。基本的には各機関が治安維持や犯罪分析、判例の保存などの目的のために利用します。
それ以外に他の期間に開示されるとすれば、叙勲の時などの身辺調査などに限られます。
もし、海外旅行先の国が、入国を希望している日本人の前科を知ろうとすれば、日本大使館を通して、これらの機関のどれかに問い合わせる必要があります。しかし、大勢いる入国希望者の前科を確認するような煩雑な業務を、各国の日本大使館ができるはずがありません…。
そのため、高度な政治的理由などが無い限りは、自分の前科が他国に知られるようなことはありません。
ただし、バレないからといって、前科を隠すことは、後々大きな問題を引き起こしかねません。もし、心配であれば、前科を隠して入国するようなことはせず、前科の情報を申告する必要のない国を旅行先に選ぶようにしましょう。
このように大抵の国では前科を報告する義務もない場合が多いのですが、アメリカだけは別です。アメリカはテロリストに対する警戒がとても厳しい国です。そのため、入国審査も厳しいです。
そこで、前科のある人がアメリカに旅行したい場合に必要になる手続きについてお伝えします。
アメリカの場合
アメリカの場合は他の国と違って、前科がある場合はビザなしで、渡航することができません。具体的に見ていきましょう。
裁判で有罪判決を受けている場合は申告義務がある
アメリカの場合は、裁判で有罪判決を受けたことがある場合は、審査を受けた上でビザを発給してもらう必要があります。
裁判での有罪判決が対象なので、スピード違反などの略式起訴による罰金刑などは対象外です。
ビザの発給のためには、判決を受けた裁判所に判決謄本を発行してもらい、それを大使館に提出して、ビザの発給のための審査を受けます。
審査はアメリカ政府の期間が行うため、結果が出るまでに数週間もの時間を要するので、アメリカに行く日よりも十分な時間をあけてビザ発給の手続きをしてください。そして、審査の結果ビザが下りないことも考えられるため、航空券の購入なども審査結果が出てからにした方が良いでしょう。
詳しくはアメリカ大使館のホームページを参考にしてください。
申告しない場合はどうなる?
既に説明した通り、前科の情報というのは、基本的には第3者が知ることは不可能な情報です。黙ってりゃバレないんじゃないの?と思うのは当然のことだと思います。
しかし、もし、裁判で有罪判決を受けたことを隠していることがバレた場合、未来永劫アメリカに入国することができなくなります。
アメリカは不法滞在には、とても厳しい国です。
私の友人はアメリカに留学している時に、ビザが切れてしまい、数日間だけオーバーステイをしてしまった経験があったそうです。
そして、何年か後にアメリカに住んでる友人の結婚式に出席するために、アメリカに渡ったところ、現地の空港でオーバーステイの前歴を指摘されて、入国を認められず、そのまま日本に帰されたそうです…。
それくらい不法入国や不法滞在に厳しい国がアメリカなので、報告義務は必ず守るようにしましょう!そして、それが面倒なら他にも素晴らしい国はたくさんあるので、そういった国を選んだ方が良いと思います。
まとめ
今回は前科があると、海外旅行に行けるかどうかについて、お伝えしました。
前科と言っても略式起訴で済むような、微罪の場合は影響がありません。
また、禁固刑以上の前科がある場合でも、多くの国では報告義務が無いため、海外旅行には影響は無いと言えます。
しかし、アメリカだけは裁判で有罪判決を受けている場合は、数週間の審査を受けてビザを発給してもらう必要があります。
これは旅行先がアメリカであれば、どこでも必要になるため、グァム島でも、ハワイでも、ニューヨークでも同じです。どうしてもアメリカに行く理由が無い限りは、他の国を選んだ方が良さそうですね…。
私はハワイが大好きなので、絶対に悪いことをしないよう、まっとうに生活したいと思います!