最近、友人の運転で車で旅行に出かけていたのですが、その旅行中に駐車場で他の車にぶつかってしまいました!警察にも行って色々と手続きをすることになったのですが、幸いお互いにちょっと傷が付いたくらいだったので、相手の方とも穏便に済ますことができました。
しかし、その時にふと思いました。これって前科とか前歴になってしまうのでしょうか?もし、そうなるのだとしたら、友人にとても申し訳ない気持ちになりました。
心配になった私は何をすると前科や前歴になってしまうのかや、前科前歴が付いてしまうとどんな影響があるのか調べてみました。すると意外なことが分かりました!
そこで、今回は前科と前歴の違いと、日常の中で前科になってしまう意外な事や、その後の影響についてお伝えします。
目次
どこまでが前歴でどこからが前科?
前科前歴という言葉はよく聞きますが、その違いについては曖昧ですよね?
まずは前科と前歴の違いについて、見ていきましょう!
前歴
前歴が付くのは、警察に逮捕されたものの不起訴処分になった場合です。この場合は前歴として、以下の機関に記録が残ります。
- 警察
- 検察
- 本籍のある市区町村
警察が関わるような事件を起こしても、逮捕されていなければ前歴にはなりません。
また、前歴の場合は、法的に不利益になることはありません。
前科
前科が付くのは、検察に起訴されて有罪判決を受けてしまった場合です。刑の種類や執行猶予の有無は関係なく、有罪になってしまえば、前科として、前歴の時と同じ機関に記録が残ります。
前科の場合、公務員や弁護士など場合、禁固以上の刑が確定していると、一定期間はその職業に就くことはできないなどの制限が発生します。
執行猶予の場合は猶予期間中の間は、上記の制限を受けますが、猶予期間が過ぎて刑の執行がされなかった場合は、制限はなくなります。しかし、前科としての記録は残り続けることになります。
また、略式起訴で刑が確定した場合も前科になってしまいます。略式起訴で刑が確定するものの代表は交通違反です!
交通違反の場合はほとんどが罰金刑ですが、この場合は起訴までの手続きを省略した略式起訴で、刑が確定してしまうため、前科となってしまいます!
また、自転車に乗っていて、誤って植木や窓に衝突してしまい、鉢植えや窓ガラスを割ってしまったような場合でも、警察に器物損壊罪として処理されてしまえば、これも前科になってしまいます。
一方で万引きなどの場合は、初犯であれば、警察官が厳しく叱り、お店の人も許してくれれば、逮捕すらされない場合が多いです。
交通違反は前科になってしまい、万引きは前歴にすらならないって、なんか不公平な気がしますね…。
ちなみに最初に出てきた友人の場合は、車をぶつけてしまったのが、公道ではなく駐車場だったことや、相手の方と誠実に対応してすませているため、警察の方によると特に罪に問われることは無いそうです。
つまり、前科にも前歴にも該当しないのです。申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、少しホッとしました…。
しかし、交通違反でも前科になってしまうとすると日本人の多くの人が、前科者ということになってしまいます。そうなると前科や前歴に対して、色々と気になることが出てくると思います。
そこで、今度は前科や前歴に対する疑問を見ていきましょう。
前科・前歴の疑問あれこれ
前科や前歴があることは、社会生活を送るためには不利になる場合もあります。そうなると一番気になるのは、次のようなことではないでしょうか?
- 前科・前歴はバレるのか?
- 前科前歴があると自分や親類にどんな影響があるのか?
- 前科前歴は消せるのか?
- 履歴書には前科前歴は記載すべき?
順番に説明していきますね!
前科・前歴はバレるのか?
前科や前歴は、警察、検察、本籍地の市区町村が記録しています。しかし、これらの情報は高度な個人情報のため、たとえ本人であっても開示はしてくれません。
ましてや第3者が前科前歴の情報を入手することはできません。
ちょっと安心ですね。しかし、今の世の中はSNSなどで、情報はあっという間に拡散します。交通違反くらいであっても面白がって、拡散させる人がいるかもしれないので、油断はできません!
前科前歴があると自分や親類にどんな影響があるのか?
一番気になるのは前科前歴があると周りにどのような迷惑がかかるかではないでしょうか?
公務員などの職業の場合は、一定の期間は就くことができないなどの制限はありますが、法律では前科や前歴があるからという理由で、差別することを禁止しています。
また、警察官になる場合は3親等以内の親類に前科がある人がいる場合は、欠格事由となって、警察官になることに制限を受けます。しかしそれ以外には、親類に前科があるからという理由で、法律上の制限を受けることは、一切ありません。
ただし、マスコミやSNSなどで、情報が拡散されてしまった場合は、残念ながら誹謗中傷や就職する際に不利に働くなどの被害にあう可能性は否定できません。
とはいえ、前科前歴の情報を保管している期間からは、そのような情報が洩れることはありえません。また、一個人の前科の情報をSNSなどで拡散するのは、かなり悪意のある人物のやることなので、通常そのようなことはないと思います。
そのため、実際には前科前歴があったとしても、警察官になる以外では、親類には影響がありません。また、自分のの場合も、一部の職業に一定期間就くことができないなどの制限はありますが、それ以外の影響は基本的にありません。
前科前歴は消せるのか?
一度記録されてしまった前科や前歴は、消すことができるのでしょうか?残念ながらこれらを消すことはできません。
市区町村は犯罪人名簿という形で、罰金刑は5年間、禁固刑以上は10年間保管し、その後は削除するのですが、警察と検察はこれらの情報をずっと記録し続けます。第3者に開示されないことがぜめてもの救いですね…。
履歴書には前科前歴は記載すべき?
では、前科前歴は就職などの履歴書に記載する義務はあるのでしょうか?
これに関しては、義務がある場合と無い場合に分かれます。例えば前述の禁固以上の前科がある場合に就けない、公務員や弁護士などの職業の場合は、前科を隠したままでいることは経歴詐称になる場合があります。
それ以外の場合は、基本的に前科前歴を履歴書に記載する義務はありません。真面目に働く気持ちがあれば、大丈夫ということです!
まとめ
今回は前科と前歴の違いについて見てみました。
逮捕された時点で前歴になり、刑が確定すると前科になります。更に交通違反などの罰金刑でも前科になります。
しかし、社会的に不利益を受けるのは、実際には禁固刑以上の場合のみで、前科や前歴も基本的には記録を持っている期間以外には開示されないため、それほど神経質になる必要はありません。
なにはともあれ、前科前歴が付かないように生活することが一番です!油断してスピード違反や駐車違反をしないように、十分注意して生活してくださいね!