ごぼうの下処理の常識といえば、まず、皮を綺麗に向いて真っ白にすることではないでしょうか?私も、いつもそうしていました。
しかし、実はごぼうの皮を剥いてしまうことは間違いなのです!ごぼうの皮をむいてしまうことは、とてももったいないことなのです!私も知らずにもったいないことをし続けていました。
そこで、今回はごぼうの皮をむかない方が良い理由についてお伝えします!
目次
ごぼうの皮をむかない方が良い理由
ごぼうの皮は黒くて、そのままではちょっと食べ辛いですよね?泥付きごぼうであればなおさらです!私も茶色い部分が無くなるまで綺麗に皮をむいていましたが、皮をむいてしまうのは、ごぼうの魅力を失わせる行為と言っても過言ではありません!
ごぼうの皮をむくと次の二つが失われてしまいます。
- ポリフェノールが失われる
- ごぼうの香りが失われる
ポリフェノールやごぼうの香りを失われることには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?それぞれについて見ていきましょう!
ポリフェノールが失われる
ごぼうにはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれています。クロロゲン酸はコーヒーにも含まれているポリフェノールで、活性酸素から細胞を守る抗酸化作用と、脂肪燃焼作用のある物質です。
クロロゲン酸は皮の部分に多く含まれています。そして、クロロゲン酸は水に溶ける性質があります。ごぼうをあく抜きすると水の色が茶色になりますが、実はその茶色い成分が、クロロゲン酸です。
皮をむいてしまうことは、クロロゲン酸を失ってしまうことになるのです。
ごぼうの香りが失われる
ごぼうには独特の土臭い香りがあります。この香りの成分はアルクチン酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、アセトアルデヒドなどの物質が合わさったものです。これらの香りは魚や肉の臭みを消す働きがあります。
鰈(かれい)の煮付けなどは、ごぼうの香りが鰈に移って、鰈の味を引き立てるため、相性抜群です。また、鶏ごぼうご飯では、鶏肉の臭みを消しつつ、ご飯全体にごぼうの香りが移って、地味ながらも絶妙な風味にしてくれます。
このごぼうの香りも、ほとんどが皮の部分に存在するため、皮をむいてしまうとごぼうの魅力を失うことになってしまいます。
さて、ここまで皮をむく行為は、ごぼうの価値を損ねることになるということは分かりました。しかし、泥だらけの皮を全くむかないというのも、無理な話ですよね。そこで、次はごぼうの正しい皮むきのやり方を見ていきましょう!
正しい皮むき
ごぼうの皮にはごぼうの魅力が詰まっています。そのため、ごぼうの皮はむき過ぎないことが肝心です。ごぼうの下処理の際に注意することは次のようなことです。
- ピーラーを使うのは絶対ダメ!
- 包丁の背でこそげ落とすのもほどほどに
- 水にさらさない!
ピーラーを使ってしまうと綺麗に皮がむけてしまいます。綺麗にむけて便利ではあるものの、ごぼうの魅力も全て無くしてしまうため、ピーラーを使うのはやめましょう!
ごぼうの皮は、包丁の背で擦って落とすというのが基本です。しかし、これも力強く真っ白になるまでやってしまっては、ピーラーを使うのと変わりありません。包丁の背で擦る時の強さは軽い力で行い、所々に茶色い部分が残る程度にとどめておくようにしましょう。
これはむいた後のことですが、クロロゲン酸は水溶性のため、水にさらしてしまうとクロロゲン酸が失われてしまいます。私たちがあくだと思っているものは、実はクロロゲン酸なので、水にさらしたままにするのは禁物です!
ごぼうを水にさらしてしまうことで失われる栄養は、クロロゲン酸だけではありません。実はごぼうに含まれる食物繊維も失われてしまいます。ごぼうを水にさらすことは、ごぼうの栄養素を捨ててしまう行為なのです。
ごぼうの正しい下処理の仕方はこちらの記事に更に詳しく書いているので、参考になさってください。
⇒ ごぼうのあく抜きは必要?2つのポイントから考えてみた!
また、ごぼうの食物繊維についてはこちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください。
⇒ ごぼうの食物繊維の種類!水溶性と不溶性のコラボが凄い!
まとめ
ごぼうの皮にはポリフェノールと、ごぼうの魅力の一番の源である香りの成分を失ってしまうことになります。ごぼうは軽く擦るだけで、泥は綺麗に落ちるので、あまり神経質にならず、皮は適度に残して食べてください。
ごぼうはその皮の部分に、たくさんの栄養と香りが存在するので、皮むきはほどほどにしてごぼうのポリフェノールと香りをしっかりと取ってくださいね!