サバといえば、私たち日本人にとって馴染み深い魚ですね。脂がのっていて安くてとてもよく食べる魚です。塩焼きやサバ寿司など、私も非常に好きでよく食べる魚です。それだけに鮮度や油の乗り具合にはこだわりがあります。たまに脂がのってないパサパサのサバが出てくると、ガッカリしてしまいます。
しかし、逆にその豊富な脂のせいで、カロリーやコレステロールが気になってしまう方もいるのではないでしょうか?
でも、実はサバはとってもヘルシーな魚です。特にその豊富な脂が、とても体に良い効果をもたらします。
そこで、今回はサバの栄養にどのような効能があるかについて、お伝えしたいと思います!
目次
サバの栄養
まずはサバに含まれる栄養の全体を見ていきましょう!
サバに含まれる栄養素を表にまとめました。
名称 | 100gあたりの数値 |
---|---|
カロリー | 158Kcal |
タンパク質 | 20.7g |
脂肪分 | 7.89g |
炭水化物 | 0g |
ビタミンA | 19μg |
ビタミンB1 | 0.111mg |
ビタミンB2 | 0.421mg |
ビタミンB3 | 8.32mg |
ビタミンB5 | 0.316mg |
ビタミンB6 | 0.33mg |
ビタミンB9 | 2μg |
ビタミンB12 | 4.4μg |
コリン | 66.9mg |
ビタミンC | 2mg |
ビタミンD | 336IU |
ビタミンE | 1mg |
ビタミンK | 0.1μg |
マンガン | 0.015mg |
カルシウム | 23mg |
セレン | 36.5μg |
カリウム | 406mg |
ナトリウム | 86mg |
亜鉛 | 0.67mg |
マグネシウム | 28mg |
リン | 125mg |
鉄 | 1.16mg |
サバの栄養の特徴は、やはり脂肪分です。サバ100gあたり7.89gもの脂が含まれています。しかし、このうちの5.65gは不飽和脂肪酸という、体に溜まりにくく燃えやすい脂肪分です。
そして、何よりもこの不飽和脂肪酸のうちの1.5gがDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という、健康効果の高い脂肪酸なのです。次はこのDHAとEPAの健康効果について見ていきましょう。
DHAとEPAの効能
DHAもEPAもω-3脂肪酸という脂肪酸の一種です。ω-3脂肪酸は人間が生きていくために必須の脂肪酸でありながら、人間は自分の体の中で作ることができません。そのため、ω-3脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、特に意識して摂取する必要があるのです!
サバに含まれるω-3脂肪酸は次の二つです。それぞれには特別な健康効果があります。
- DHA
- EPA
DHAは体の細胞膜を柔軟にする働きがあります。特に脳の中の神経細胞はシナプスと呼ばれる軸索や樹状突起などがある分、細胞膜が多い構造です。そこにDHAの働きによって、神経細胞の細胞膜が柔らかくなることで、シナプスの発達が活発になり、脳の働きや記憶力の向上につながります。
EPAには血小板が固まるのを適度に防ぐ効果があります。そのため、血液の流れをサラサラにし、血管の中に血栓ができたり、動脈硬化が進むのを防いでくれます。また、EPAは脳に運ばれると、DHAに作り変えられるため、間接的に脳の働きを助ける効果もあります!
これらのω-3脂肪酸がサバに多く含まれている理由はよく分かっていません。ω-3脂肪酸は植物や微生物しか作ることができないため、海の中では植物性プランクトンなどにしか含まれていません。
そのため、食物連鎖の過程で、段々と凝縮されていっているのだと考えられています。そしてサバは特にω-3脂肪酸をたくさん含むエサを食べているのだと考えられています。
ω-3脂肪酸は青魚全般に多く含まれています。しかし、サバは青魚の中でも特に多くのω-3脂肪酸を含んでいます。積極的に食べたい魚ではありますが、サバを食べるにあたっては、少し注意すべきことがあります。
こんどは鯖の注意点を見ていきましょう。
サバの注意点
美味しくて健康的なサバですが、サバには次の二つの注意点があります。
- 傷みやすい
- 寄生虫の存在
いくら健康的なサバでも注意しないと、大変な事になる可能性もあります。それぞれについて掘り下げていきましょう!
傷みやすい
サバには「鯖の生き腐れ」という言葉があるくらい、とても鮮度が落ちて傷みやすいという特徴があります。サバの消化器官には強い消化酵素があります。サバは釣られて死ぬとその内臓の消化酵素により、身の部分がどんどん傷んで、味が落ちていってしまいます。
そのため、サバの鮮度を保つためには、釣った後すぐに、はらわたを取り除くことが大切なのです。
昔からサバを刺身で食べない理由の1つは、すぐに鮮度の落ちてしまうサバは刺身で食べても美味しくないからなのです。最近では超低温・超高速で冷凍する設備を搭載した漁船もあるため、新鮮なサバを食べることができるようになってきました。
寄生虫の存在
サバには恐ろしい寄生虫アニサキスが存在します。アニサキスは通常は魚の胃腸の中に寄生しているので、人間には寄生することができません。実はこれが厄介な理由なのです。
アニサキスは自分が生きていくことのできない環境に置かれると、住みやすい場所を求めて移動する性質があります。そのため、人間の胃腸の中に入ると、他の場所に移動しようとして、胃や腸の壁を食い破って外に出ようとします。この時にもの凄い腹痛を伴うのです。
アニサキスは通常はサバの胃腸に寄生しているため、釣ってすぐに、はらわたを取り除くことが大切です。既に説明した通り、サバはすぐに傷みやすい魚なので、内臓もすぐに傷んで、アニサキスにとって住み心地の悪い場所になります。そうなると、アニサキスは身の部分に移動してしまうのです。
プロの料理人の間では、サバをさばく時は、特にアニサキスの存在に注意するように徹底されているそうです。私としては素人が自分で釣ったサバをさばいて生食するのは、あまりおすすめしません…。
サバを刺身で食べない理由の2つ目は、昔からアニサキスの存在が良く知られていたからなのです。
サバに寄生しているアニサキスについては、こちらの記事に更に詳しく書いているので、良ければご覧ください。
⇒ サバを刺身で食べるのは危険!アニサキスの恐怖の真実!
まとめ
サバは魚の中でもトップクラスのω-3脂肪酸の含有量を誇ります。サバは塩焼きにすると美味しいですが、焼くと脂がしたたり落ちてしまうのがもったいないくらいです!
サバは鮮度と寄生虫に注意が必要ですが、最近では冷凍技術が格段に発達したため、鮮度を保った上に、完全に凍結させてアニサキスも死滅させることができるようになりました。
市販されているサバは新鮮で、寄生虫の心配も無いので、安心してサバを食べてください!
私も何だか、サバの棒寿司が食べたくなってきました。この後買いに行こうと思います!
“サバの栄養の効能!脂質が脳を強くし血液を綺麗にする!” への1件のフィードバック