私は無類の麺類好きで、特にラーメンが大好きです!小さいころからラーメンであれば醤油、味噌、とんこつと何でも好きでした。しかし、スープまで飲もうとすると母親から「塩分取り過ぎだからスープは残しなさい!」と良く叱られたものです。
そんなわけで、私の中ではラーメンというのは塩分が多いというイメージですし、世間一般でもそういうイメージだと思います。でも、多いという言葉ではなかなかイメージが実感できないですよね?
そこで、ラーメンにはどれほどの塩分が含まれているのか調べてみました。数字で見てみるとやはりびっくりです!
というわけで、今回はラーメンの塩分の量についてお伝えします。スープを残すとしてもかなりの量ですよ…。
目次
スープを残す場合の塩分摂取量!
ラーメンの塩分摂取量を見る前に、まずは基本となるラーメン1食分に含まれる塩分量についてです。
ラーメンの塩分といえば、スープにばかり入っていると思いがちですが、麺や薬味に入っている塩分もバカになりません!町のラーメン屋さんのラーメンの塩分量はお店によって様々な味付けがあったり、量も様々で計るのが難しいので、ここではインスタントラーメンの塩分量を見ていきます。
麺とスープの塩分量
ラーメンの塩分の基本は醤油やみそなどのスープの種類やメーカーによって、差はありますが、おおよそ次のような塩分量です。
スープ:3.8g~4.3g
麺:1.7g~2.0g
つまり、1食あたり、5.5g~6.3gです。この数字を元にスープを残す量別の塩分摂取量を見てみましょう!スープを残す量は次の4パターンで計算します。
- スープを全部残す
- スープを半分残す
- スープを2割残す
- スープを残さない!
基準の塩分量は最も塩分が多い、麺2.0g、スープ4.3gのラーメンを食べたものとします。スープは一般的なインスタントラーメンのスープ量である500ml、麺は茹で上がり後の重さを225gを基準とします。
また、スープを全部残した場合でも、麺の種類によって、塩分摂取量が微妙に違うので、それも分けています。
【スープを残した量別の塩分摂取量】
スープを残す量 | 麺の種類 | 塩分摂取量 | 1日に必要な塩分に対する割合 |
---|---|---|---|
全部残す | ちぢれ麺(中太麺) | 2.3g | 38% |
全部残す | ストレート麺(中太麺) | 2.4g | 40% |
全部残す | ストレート麺(太麺) | 2.1g | 35% |
全部残す | ストレート麺(細麺) | 2.5g | 42% |
半分残す | - | 4.2g | 70% |
2割残す | - | 5.4g | 90% |
残さない! | - | 6.3g | 105% |
スープを全部飲むと1日に必要な塩分摂取量を超えてしまっています!スープを飲まなかったとしても、なんと4割に達しているのです。
ラーメンと塩分
スープを全部残してもかなりの塩分摂取量になるラーメンですが、ここからは更に理解を深めるための知識をお伝えします。
麺の種類で塩分摂取量が違う理由
既にお伝えした通り、ラーメンの塩分摂取量は麺の種類によって、塩分摂取量が微妙に違います。その理由は麺に絡みつくスープの量にあります。
麺ひと口分を30gとして、ちぢれ麺とストレート麺でどれだけの重さのスープが絡むかを実験したところ次のような結果になりました。
- ちぢれ麺(中太麺):4.9g
- ストレート麺(中太麺):7.2g
- ストレート麺(太麺):1.3g
- ストレート麺(細麺):8.1g
ここで驚きなのは、ちぢれ麺の方がスープが絡むというのが常識と思いきや、実はストレート麺の方がスープが絡みやすいのです!これはストレート麺の方が箸ですくい上げた時に束になって、麺と麺の隙間にスープが良く絡むからだそうです。このスープが絡む力を毛管力といいます。
また、麺に絡みつくスープの量は麺の太さも関係します。細い麺の方が同じ重さあたりの麺の本数が増えるので、その分、絡むスープの量も多くなるのです。
ひと口分の麺を30gとして、1食分の麺の重量が225gなので、1食当たりの麺は7.5口分となります。それをもとに麺を完食した場合に一緒に絡みつくスープの量を計算してみました。
- ちぢれ麺(中太麺)
- ストレート麺(中太麺)
- ストレート麺(太麺)
- ストレート麺(細麺)
4.9(絡みつくスープの重さ)×7.5(口数)=36.8ml
7.2×7.5=54.0ml
1.3×7.5=9.8ml
8.1×7.5=60.8ml
麺の種類によって、絡みつくスープの量にはこんなに差があるんですね!どうしても塩分が気になる方は、とにかく太い麺を選ぶと良いわけです。
一日の塩分摂取量の目安
既にお伝えした通り。ラーメンをスープまで飲み干すと一日に必要な塩分の量を超えてしまいます。人間にとって、望ましい塩分摂取量の基準は以下です。
WHOの基準:1日に5gまで
日本高血圧学会の基準:1日に6gまで
今回のラーメンの塩分摂取量の基準には日本高血圧学会の数字を使いましたが、WHOの基準はもっと厳しいのです!
実は日本人の1日の平均塩分摂取量は10.2gです!WHOの基準の倍の塩分を摂取しています。日本人はとても塩が大好きな民族なのです!
塩分の少ないラーメンのジャンル
でも、どうしてもラーメンが好きだという人に、比較的塩分が少ないラーメンのジャンルが存在するので、それをお伝えします!
下の画像は、とあるしょうゆ味のインスタントラーメンの成分表です。
上の表ではナトリウム表示のため、2.5を掛けると塩分量になるのですが、スープと麺、薬味を合わせると6.3gの塩分量になります。
一方でこちらの下の画像はとんこつ味のインスタントラーメンの成分表です。
スープと麺、薬味を合わせると5.5gの塩分量になります。
わずかな差ですが、とんこつ味の方が塩分は少ないのです。とんこつの方が濃い味なので、塩分が多そうですが、実は濃い味の方が塩分は少ないのです。醤油や塩のようなシンプルな味付けは物足りなさを感じやすいので、それを補うために塩分が多めなのです。
また、寒い地方のラーメンは塩分が多いものが多いです。
例えば富山県の名物「富山ブラックラーメン」は、様々な醤油を入れた、もの凄くしょっぱい味付けが特徴です。このように寒い地方で塩味の強い味付けが好まれるのは、塩分を摂取すると血圧が上がり、体の末端まで血液の巡りが良くなって、体温を上昇させる効果があるからなのです!
なんとも不健康な体温の上げ方ですね…。
まとめ
今回はラーメンの塩分について、お伝えしました。
無類のラーメン好きの私としては衝撃の結果でした。ラーメンの塩分量恐るべしです。しかし、実は普通の食生活をしていても日本人は塩分取り過ぎの民族です。
かなり塩分を意識した食生活をしないと、塩分摂取量を基準値以下にすることはできないので、ラーメンはたまに食べるだけにした方が良さそうですね!
齋藤陽一様
ラーメンの塩分量の記事、大変参考になりました。
的確な分析、わかり易い説明、ミクロからマクロに至るバランスの取れた記事に感謝の意を送らせて頂きます。
入江さん
コメントありがとうございます。
そう言っていただけると、とても嬉しいです!
ためになる記事有難うございます。今まで豚骨ラーメンのスープを全て飲んでいました。来週からは、半分スープを残します。
たかさん
コメントありがとうございます!
元々、人類にとってミネラルは不足気味だったのですが、食生活の激変によって、逆に取り過ぎの状態になっちゃったんだそうです。
こんな劇的な変化は、人類史上のここ数十年間で起きてることなので、人間の体は適応できるわけがないですよね。
くれぐれも塩分の取り過ぎには、注意してくださいね。
自分が心筋梗塞で入院した際、病院の先生に言われた事の中で、ラーメンなんて人類に最も悪い食べ物で、最近のラーメンには30g塩分入ってる物もあるから、どうしても食べると言うのなら、1食ラーメン食べたら5日間塩分抜きにする位の覚悟を持って食べてください!と言われました。
ネットでは10年近く昔の記事でラーメン一杯には約6g塩分が入ってて、成人の1日の塩分摂取量は10gを超えない様にすれば良いなんて書いてある記事が未だにありますが、基準もラーメンも変わって来てるんですね。
t.machiさん
読んでいただいてありがとうございます。
> 最近のラーメンには30g塩分入ってる物もあるから、
30gとは凄いですね!確かに最近は”濃厚~”みたいな濃い味が多いですからね。
そのうち、スープまで全部飲んだら、致死量に達するくらいのラーメンが出てきちゃうかもしれませんね…。
心筋梗塞に。
1日6グラムと指導されてます。
今まで、蒙古タンメン中本大好きで、いまも、たべたくてしかたおりません。
ラーメンにも、麺とスープて、4グラム、くらいの、塩分量のごおればよいですね!
幸楽苑の、減塩ラーメンでも、6グラム、
きついですねー
T軍曹さん
ありがとうございます。
中本、私も大好きです。
仙台に移住してから、食べられなくなったの悲しいです。
ラーメンはメチャクチャ塩分量が多いので、スープを全部残しても厳しいですよね。
はじめまして。健康のために1日合計塩分6g前後で食事管理しています。
とあるスーパーの冷蔵コーナーで売られているレンチンするだけで食べられるカップタイプのチルド醤油ラーメンに、
麺・具とスープのそれぞれの塩分相当量が記載されている商品があったので、結果を調べてみました。
その醤油ラーメンですが、成分表は下記となります。
もしスープを残したら塩分1g以下と驚きの結果になりますが、はてさて。
エネルギー371kcal/たんぱく質16.3g/脂質15.1g/炭水化物42.5g/塩分相当量5.1g
麺・具(塩分相当量0.6g)/スープ(塩分相当量4.5g)
ゼラチンで固められたスープと麺・具が一体化しているためそれぞれの量は不明です。
タニタのクッキングスケール(1g単位まで)での重量は容器を除くと475g程度でした。
麺は茹で上がっているためおそらく多くて200g程度でした。
具は薄い豚バラ肉チャーシュー1枚、茹で卵1/2個、メンマ2本、少量の刻みネギ、刻み玉ネギ、茹でモヤシ、ワカメ、背脂といった感じです。
具は合計で100gもあるように見えない量なので、仮に75g程度とするならゼラチンで固まったスープは200g程度という事になると思われます。
野菜が欲しいので、個人的に好きな冷凍ほうれん草を100g勝手にトッピングしました。
電子レンジの500Wで5分過熱する指示があったので、そのように加熱調理して食べました。
スープはほぼ全部残しました。そして、スープの残量を測ったところ125gでした。
ここから塩分量を計算してみました。まず記載通りのスープの塩分量であれは概算はこうなります。
125g/(475g/100%) = 26.3%
5.1g * 0.263 = 1.34g(残)
5.1g * 0.737 = 3.76g(摂取)
続いて、残ったスープ125gの塩分濃度をdretecの塩分濃度計で調べてみたところ、1.1%と表示されました。
125g中の塩分濃度1.1%
125g * 1.1% = 1.38g(残)
5.1g – 1.38g = 3.72g(摂取)
おおよそ近似していますが、たまたま残ったスープの塩分濃度が1.1%程度であっただけであり、
もしスープの塩分濃度が高ければ、前述の概算はデタラメな数値になる可能性が高いので、
塩分濃度計を使うのが良いのかなと思いました。
さてここで不思議なのは、スープを全部残して125gということは、麺や具は350gということになりますが、それはないと思われます。
また、通常のラーメンスープは塩分濃度2.2%程度と聞きますので、塩が4.5g入ったスープなら量も200g程度という推測も立てられます。
であるとすれば、麺や具、及び追加のほうれん草100gにスープが80g近く絡んだか、吸収されてしまった可能性があります。
また浸透圧の関係でほうれん草から水分が抜けだし、代わりにほうれん草内にスープの塩分が移ったとしたら、
そのせいでスープが更に薄まり、この結果になったのかと思われます。
少しでも健康のためと考えて、良かれと思ってラーメンにほうれん草や海苔など追加すると、
麺や具だけでなく、それらの塩分を含まない食材にも塩分が入り込んでしまい、結果的に摂取塩分量も増えてしまうので要注意ですね。
野菜にはカリウムが含まれているため、不要なナトリウムの排出を促進する役割がありますが、これでは逆効果ですね。
どうしても野菜などをトッピングしたいときは、別皿のまま上に少しスープをかけて味付けするぐらいが良いかと思いました。
連投ですみません。
インスタントラーメンを美味しく食べるテクニックで、麺を茹でたお湯を捨てて、奇麗なお湯でスープを作るという方法がありますが、
これは茹でこぼしと呼ばれる方法で、揚げ麺に含まれる油脂分を減らすだけでなく、麺に含まれる塩分をお湯に溶けださせて捨てることもできるかと思います。
しかしながら、麺はスープに浸かっている間にもどんどんスープを吸って延びていくので、せっかく麺から抜けた塩分もスープから戻ってしまう可能性があります。
加えると野菜のカリウムは水に溶けだしやすいため、ラーメンにトッピングしてスープを絡ませると、
その貴重なカリウムはスープに溶けだしてしまい、なおのこと排塩効果が下がってしまいますね。
特に、ほうれん草はカリウムや栄養成分も良い野菜なので、家系ラーメンにほうれん草をトッピングしてしまうのは勿体ないですね。
摂取塩分のセルフコントロールという観点なら、具だくさん野菜ラーメンより、具なしつけ麺のほうが良いのかな?と思います。
ですので、個人的にはラーメンには汁を吸ったり絡みやすい具はトッピングせず、別皿提供してもらうとか、
いっそ潔くトッピングは一切せず、食後にコンビニやスーパーでカップサラダでも買って、
ドレッシングよりも塩分の少ないカロリーハーフマヨネーズで食べるほうがマシかと思いました。
加えて排塩効果を上げるために、デザートにカリウムを多く含むバナナやスイカを食べたり、
お茶やコーヒーの利尿作用に頼るという手もあるかなと思います。
ラーメン屋までの移動も車や自転車などではなく、徒歩などにすれば、発汗とカロリー消費も期待できそうです。
これからの寒い時期は血圧も上がりやすく、かつラーメンが美味しく感じる事が多くなるため、
なおのこと健康管理には注意したいなーと思っております。
コメントありがとうございます。
実に詳細な分析と考察をありがとうございます。
手軽に腹を満たすことができますし、私もラーメンは好きなのですが、健康面のこと(特に塩分と脂質)が全く考えられてない食べ物だと思っております。
個人的には軽く炒めた野菜をたくさんトッピングするなどを心がけています。
健康のためには、お互いほどほどにしておきたいですね。