大相撲は日本の伝統文化と密接に関わった競技で、単なるスポーツとは違う奥が深いものです。様々な所作や独特のルールが時には、分かりにくく感じることもあります。

大の大相撲ファンの私としては、それも魅力のうちなんですけどね!

でも、そんな私でも、分かりにくいと感じるものの一つに、制限時間があります。

仕切りを何回か続けているうちに、気付くと会場が盛り上がり、行司が「時間です!」とか「待ったなし!」とか言って、そこで初めて時間いっぱいになったことを知るわけです。

でも、大相撲をテレビ観戦してると、時間いっぱいになったタイミングってよく分からないと思いませんか?

会場の人は盛り上がってるので、きっと何か合図見分ける方法があるはずですよね?

それに気付けば、もっと大相撲を楽しめるはずです!

そこで、ここでは大相撲の制限時間の合図や時間いっぱいになった時の見分け方をを解説します。

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目次

時間いっぱいを見分ける方法

大相撲には昔は制限時間というものが無かったそうです。

お互いの息が合うまで永遠と仕切りを繰り返して、気付けば1時間経っていたなんて記録も残っているとか…。

いくらなんでもそれではまずいので、進行を考えて制限時間が設けられたのです。

そんな制限時間を見分ける方法には、次の3つがあります。

  • 時計係審判の合図
  • 呼び出しが立ち上がる
  • 行事が正面を向く


普通にテレビ観戦してるとなかなか気付きにくいものもありますが、それぞれ詳しく解説しちゃいます!

時計係審判の合図

ご存知の通り、土俵の周りには、取り組みの結果を正しく裁くために、勝負審判が座っています。

勝負審判は正面(テレビ画面では、手前の方)に1人、東西に1人ずつ、行司溜まり(テレビ画面では、奥の方)に2人の計5人座っています。

ちょうど下の画像のような感じです。

そして、このうちの緑色の勝負審判は時計係審判といって、取り組みの時間管理をしている、いわばタイムキーパー役を果たしています

この時計係審判が合図を出すことによって、行事を始めとした周りの人達に、制限時間が来たことを伝えるのです。

しかし、時計係審判の合図は、手のひらを上に向けた腕を下の方に控えめに出す感じなので、近くにいる人にしか分かりません。

そのため、テレビはもちろん会場で観戦している人にも分かりにくいです、

呼び出しが立ち上がる

一番分かりやすい見分け方が、呼び出しが立ち上がることです。

力士は仕切りを終えると、再び塩を取るために、呼び出しのいる場所に戻ります。

その時に呼び出しが立ち上がって、力士を迎えるとそれが時間いっぱいになったことを表しています。

力士を始めとした会場中の人に、最も分かりやすいサインと言えます。

しかし、テレビ観戦してると、土俵上の力士をアップで映していることが多いので、呼び出しの姿は見えない事がほとんどです。

そういうわけで、結局、会場が盛り上がることで「あ、制限時間になったんだな…」と気付くことが多くなってしまいます。

行事が正面を向く

3つ目が行司の向きです。

まだ時間内の時は、行司は体の正面を東向き(テレビ画面では、左向き)にして仕切りをします。

しかし、時間いっぱいになると行司は体を向正面(テレビ画面では、こちら側)に向けて仕切りをします

また、時間いっぱいの時には、行司は軍配を自分の体側に引き付けるように倒します。そうなると普段は下向きの軍配が上向きになります。これを軍配が返ると言います。

そのため、テレビ観戦の時は、アナウンサーが「軍配が返りました」なんて言った時には、すなわち時間いっぱいになったと判断できます。

行司の向きは、テレビでもバッチリ分かりますが、その前に会場の盛り上がり方で分かってしまうので、あまり実用的じゃないかもしれませんね。

というわけで、ここまでは制限時間を見分ける方法を見てきました。

しかし、昔は無制限だったのに、なぜ現在は制限時間が設けられるようになったのでしょうか?

今度は大相撲の制限時間について色々と見ていきましょう!

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大相撲の制限時間とは?

昔の大相撲には制限時間が無かったというのは、既にお伝えした通りです。

でも、この制限時間という制度は、単なる上限時間というわけではなく、ある程度の自由があるんです!

ここがまた大相撲の面白いところです。

そんな制限時間について見ていきましょう。

制限時間が設けられた理由

それまで時間無制限だった立ち合いに、制限時間が設けられたのは、1928年の事です。

実はこの年に大相撲のラジオ放送が始まりました

放送時間に納める必要が出てきたので、それぞれの取り組みに制限時間を設定して、進行を管理するようになったのです。

制限時間の目安

実際の制限時間には、ちゃんと目安があります。

制限時間制度ができた当初は、幕内は10分以内、十両が7分以内、幕下は5分以内というものでしたが、1960年頃からは幕内は4分以内十両が3分以内幕下は2分以内となりました。

しかし、実際にはこの制限時間通りに進まない事も多々あります。

例えば勝負審判の物言いがついた後に、取り直しになった時や、立ち合いで待ったが連続した場合には、時間オーバーする事がよくあります。

そして、そのようなことが続いて、進行が遅れている時には、その後の取り組みの進行を早めるために、短めの時間で時間いっぱいにします。

この辺りは時計係審判のさじ加減なので、制限時間というのはあくまでも目安なのです。

時間を使い切る必要は無い!

では、土俵上の進行は全て、時計係審判がやっているのかというと、そういうわけでもありません。

実は力士は制限時間に余裕がある時でも、自由に立ち合う権利があります

ごく稀に時間前なのに、闘志むき出しで、仕切り線の前で相手をにらみ付けている力士がいます。そんな雰囲気に、アナウンサーが気付くと「待ってください!もしかすると立つかもしれませんよ…」なんて言ってくれます。

ただし、立ち合いというのは双方が立つ気になって、息を合わせて行うものなので、相手にその気が無ければ成立しません。

そのため、最近ではすっかり時間前の立ち合いが見られなくなりました。

大相撲ファンの私としては、”時間前なのに立つかもしれないオーラ“を出している力士を見るのが好きなので、1場所に1回くらいは時間前の取り組みを見たいんですけどね~。

たまには懸賞の幕が回っている最中に、相撲を始めちゃうような血気盛んな力士がいても良いのにと思っちゃいます^^;

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まとめ

大相撲を楽しむためには、取り組みの制限時間について知ると効果的なんですよ!

最後にもう一度、時間いっぱいの見分け方をお伝えしておきますね。

【時間いっぱいの見分け方】

  • 時計係審判の合図
  • テレビ画面で見た時に、土俵の向こうの左に座っている時計係審判の手の合図が出た時

  • 呼び出しが立ち上がる
  • 力士が塩を取るために戻った斎に、呼び出しが立ち上がった時

  • 行事が正面を向く
  • テレビ画面で見た時に行司の体がこちら側を向いて仕切った時

とは言え、時間いっぱいの合図って、結局のところテレビだと見辛いんですよね…。

結局は会場の盛り上がりや、アナウンサーが「制限時間いっぱいになりました」なんて言葉を聞いて判断することになりがちです。

やっぱり大相撲を楽しむには、会場に直接行くのが一番かもしれませんね^^;