大相撲で良く聞くおっつけの意味って?取り組み中の用語一覧!

大相撲を観戦していると、「左からの強烈なおっつけ!」なんて言ってるのを良く聞きますが、一体何がおっつけなのか、見ていても良く分かりませんよね。

他にも差すとか右四つ左四つなんでいう用語も良く出てきますが、一体あれってどういう意味なんでしょうか?

大相撲を楽しく見るためには、まずは用語の意味を知っていることが大切ですね!何の意味も分からないのでは、見ていても面白さ半減です。

そこで、ここでは大相撲の取り組みに関わる用語の意味の一覧をお伝えします!

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目次

知らないと楽しくない用語

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まずは大相撲の取り組みを見ていると頻繁に出てくる用語です。

これらの用語を知らないと、相撲を見ていても十分に楽しめません。

  • 上手、下手
  • おっつけ、押っ付け
  • 差す、もろ差し
  • ハズ押し
  • 巻き替え
  • 廻しを切る
  • 四つ、がっぷり四つ


頻繁に出てくる用語ですが、ちゃんと理解してないと、何のことを言ってるのかさっぱり分かりません。

まずはこれらの用語から説明します!

上手(うわて)、下手(したて)

上手は相手が差した手の上から、相手の廻しを掴むことです。そして、下手は相手に差した手で廻しを掴むことです。右手で廻しを掴んでいれば、右上手、右下手、左手なら左上手、左下手と呼びます。

簡単に言うなら相手の手の上から掴んでいえば上手、下から掴んでいれば下手です。

廻しを掴むと相手の自由を奪うことができ、そこから投げに行ったり、相手の自由を奪ったまま寄り切ることもできます。

どちらの方が有利という事でもなく、各力士によって得意不得意が分かれます。

おっつけ、押っ付け

凄く頻繁に出てくる用語ですが、見た目では何のことを言ってるのかさっぱり分からないです。まさに相撲の分からない用語No.1です。

おっつけとは、相手の差し手の効き目を減らすための相撲の技術です。

おっつけとは主に次の2つがポイントです。

  • 相手に差された方の手の脇を絞り、肘を脇腹に付ける
  • 手を相手の差し手の肘の辺りにあてがい絞り上げる


こうされると相手はせっかく差した手の自由が利きません。それだけでなく体が起こされて重心が高くなり不安定になってしまいます。

文章では分かりにくいので、おっつけが分かりやすい取り組みの動画を紹介します。

取り組みは4分50秒頃から始まります。

稀勢の里の左の強力なおっつけによって、白鵬の差し手が殺されるどころか体が吹っ飛んでしまっています。

差す、もろ差し

差すとは相手の脇の下に手を差し入れることです。

両方の手を指すことをもろ差しと言います。

差すと相手より重心が下になり、場合によっては相手の腕をバンザイ状態にできるので、有利な体制とされています。

ハズ押し

手の平を相手の脇、腰、腹などにあてがい、そのまま上に押し上げることです。

ハズ押しは、相手の体を起こして、不安定な態勢にすることができます。

巻き替え

相手に差されている不利な態勢を挽回するために、上手側にある手をスッと相手の脇の下に入れて、差し返して、下手などを取ることです。

高等技術で成功すると形勢が逆転します!

しかし、巻き替える瞬間は大きなスキができるため、巻き替えようとした瞬間に責めるのが、相手側のセオリーです。

廻しを切る

相手に廻しを掴まれている時に、相手の手を廻しから離させることです。

上手廻しを切る場合は、上手を切る、下手廻しを切る場合は、下手を切るなんて言います。

これも熟練が必要な相撲の高等テクニックです。

相手の得意な廻しを切ることができれば、一気に形勢が逆転します。

四つ、がっぷり四つ

四つとは力士同士が、手を差し合って組んだ状態のことです。

お互いの右手を指し合った状態を右四つ、左手を指し合った状態を左四つと言います。

どちらの四つを得意とするかは力士によって違うため、得意の四つが左右違う力士同士は、喧嘩四つなどと言います。

さて、ここまでは相撲を楽しむために理解が必須な用語について紹介しました。

次は登場頻度は少ないものや、知ってるようでちゃんと知らない用語の意味を紹介します。

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その他の用語

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今度は登場頻度が比較的少ないものや、知ってるようでよく知らない用語の意味を解説します。

これらの用語もちゃんと知ってると相撲の楽しみが上がりますよ!

  • 腕をかえす
  • かち上げ
  • がぶる、がぶり寄り
  • 閂(極める)
  • 突っ張り
  • 張り手
  • ぶちかまし
  • 変化、変わる(注文)
  • 物言い

腕をかえす

腕を返すの”腕”は”かいな”と読みます。

相手に差した手の甲を上に向け、肘を貼ることで、相手が上手を取れないようにすることです。

かち上げ

かちあげは自分の腕をカギ型に曲げて、相手の胸にぶつけ上げることです。

主に立会い時に使われることが多く、相手の上体を起こして、差すための隙を作るなどの目的で行われます。

たまに顎にヒットして、相手がノックダウンするなんてハプニングもあります。

がぶる、がぶり寄り

がぶるとは、四つになった状態で、相手に密着して腰を上下に揺すりながら、徐々に寄っていく技術です。

がぶられた相手はどんどん状態が起き上がってしまい、押し返すことができず、ジリジリと寄り切られてしまいます。

がぶり寄りの名手、琴奨菊の動画を紹介します!

がぶり寄りが出ると、土俵際で出すか出されるかのスリリングな相撲になるので、個人的にはがぶり寄りが出る取り組みは大好きです!

閂(極める)

相手にもろ差しにされた時に差し手の効き目をなくすために、腕で抱え込んでしまうことです。

相手の肘関節を逆に極める状態になるため、単に極めるという時もあります。この状態から相手を投げ倒したり、土俵の外に出したりすると、極め倒し、極め出しという決まり手になります。

この状態で倒れこんだりすると、腕を折るような大けがになる場合があるため、小中学生の相撲では相手の腕を極めるのは禁止されています。

突っ張り

突っ張りは手の平で主に相手の胸などを突き飛ばすようにすることです。

腕を回転させて両手で次々と繰り出すことで、相手の体制を崩して、差し手を狙ったり、そのまま土俵の外に付き出すことを狙う技です。

手の平を相手に当てたままにするのは、押しと言って区別します。

張り手

手の平で相手の頬や首のあたりを叩くことです。

張り手は相手の体制を崩して、差し手を狙う目的で使われます。

格闘技のように相手をノックダウンするための目的で使おうとしても、相撲の場合は避けられると致命的な隙になるため、多用するのは危険です。

ただし、取り組み中に頭に血が上った力士同士が、張り手の応酬をしてどちらかがノックダウンしてしまうなんてハプニングもあります。

ぶちかまし

ぶちかましとは、立ち合い時に全体重をかけて頭から相手にぶつかっていくことです。

大相撲の力士同士がぶちかまし合った時の衝撃は、一説によるとトラックに引かれるのと同じ衝撃があると言います。

ぶちかましは強烈な衝撃が走るので、立ち合いの衝撃で脳震盪を起こして失神してしまう力士もいるくらいです。

そのため、女子相撲ではぶちかましは、禁止されています。

変化、変わる(注文)

立ち合い時に体を左右に交わして、相手の廻しを狙ったり、横に回り込んで有利な態勢を作ろうとすることを変化する、変わる、注文を付けるなどと言います。

大相撲は力と技のぶつかり合いが魅力なため、立ち合い時に変化することは好まれません。

そのため、このような相撲は注文相撲と呼ばれて、しばしば批判されます。

物言い

大相撲には土俵の下に4人の勝負審判が座っています。

最終的な勝敗の判断はこの勝負審判が責任を持っているのですが、ほとんどの取り組みの勝敗は行司の判断通りのため、勝負審判は普段は静かに取り組みを見守っています。

しかし、たまに判断が難しかったり、行司の判断が間違っている事があります。

この時に土俵下の勝負審判が審議をすることがあり、これを物言いとか、物言いが付くなどと言います。

最終的には勝負審判の判断に従うことになるため、行司差し違えや取り直しなどという結果になることがあります。

ここまで言っていれば、大相撲の取り組みは十分楽しめます!

ただし、取り組み中の用語には、とても稀なものもあります。知っていると自慢できるので、これも押さえておきましょう!

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知ってると楽しいレアな用語

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最後は結構レアでしかも、相撲のルールのちょっと難しい部分の用語です。

  • 送り足
  • かばい手
  • 死に体


この3つを理解していると、勝負審判の不可解な判断にも納得がいくので、順番に解説します!

送り足

大相撲の決まり手の一つに、相手を持ち上げて(吊り上げて)そのまま土俵の外に出す吊り出しというものがあります。

普通は吊った相手を土俵の外に置くことで勝敗が決まりますが、吊り上げている方は足元が見えにくいため、土俵の中と外の境界を判断するのが困難です。

そのため、相手を完全に吊った状態であれば、先に土俵の外に足を踏み越しても、負けにはなりません

これを送り足といい、吊り出しの時だけの特別ルールなのです!

かばい手

両力士が重なったまま倒れ込む寄り倒しなどの決まり手の時の場合、上になっている方の力士が、下になっている力士より先に手をついても負けにならないルールです。

下になっている方の力士が、態勢を持ち直して挽回する可能性が無い場合は、無用な怪我を避けるために、このかばい手のルールがあります。

他にも大相撲では、怪我防止の目的のため、技をかけた方の力士は既に勝負が決まった場合は廻しから手を離したり、突き押しを止めたりすることが義務付けられています。

よくダメ押しをすることが問題視されるのも、このルールがあるからなのです。

死に体

物言いがついて審議しているときによく出てくる用語がこの死に体です。

死に体とは力士の態勢が崩れているなど、既に挽回の可能性が全くなくなった時点で負けが決まるというルールです。

相手より少しでも後に地面に着くようにするために、無理に手を出さずに危険な態勢で倒れこんだりすることなどを防ぐために導入されたルールです。

投げなどが決まって、体が宙に飛び出してしまったりしている場合に、着地していなくても、その瞬間に負けになります。

物言いの時に「まだ地面についてないのに何で負けなんだよ~!」と思うことが、よくあるのは、このルールのためなのです!

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まとめ

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大相撲は日本の伝統的な格闘技でありながら、知らない用語が結構多いです。

楽しく取り組みを観戦するためには、今回紹介した次の用語はしっかり押さえておいてくださいね!

  • 上手、下手
  • おっつけ、押っ付け
  • 差す、もろ差し
  • ハズ押し
  • 巻き替え
  • 廻しを切る
  • 四つ、がっぷり四つ


これらはとてもよく出てくる用語なので、意味を知っていると、楽しさが倍増します。

私もおっつけや四つの意味を最近まで、誤解していましたが、ちゃんと理解すると「お、今のはおっつけが強力だったな」なんて気付けて、見ていて楽しいです!

皆さんも取り組み中の基本的な用語を理解して、大相撲を楽しんでくださいね!