空を見上げるとそこには雲が浮かんでいます。青い空に浮かぶ雲は、不思議なものですね!あんな風にふわふわ浮いて、自由気ままにどこへでも飛んでいきたいものです。
しかし、雲は雨を降らす原因にもなるものです。そんな雲はどうしてできるのでしょうか?身近な物なのに雲ができる仕組みって、良く知らないなぁと思いました。
特に最近は大雨による災害も増えてきています。雲ができる仕組みを知っておくと、そんな災害を避ける事にも役立つかもしれません。
そこで、今回は雲ができる仕組みを図を使って分かりやすく解説したいと思います。
目次
雲ができる理由
雲ができる理由には次の3つの要素が必要です。
- 空気中の水蒸気
- 空気中のチリ
- 空気の上昇
順番に見ていきましょう!
空気中の水蒸気
空気中には水が水蒸気になって存在しています。
しかし、どれだけの量の水が水蒸気になっていられるかは、気温に比例します。その気温での限界まで水が水蒸気になっている状態が湿度100%の状態なのです。湿度が100%の状態で更に気温が下がってしまうと、水は水蒸気の状態でいられなくなります。
しかし、まだこの状態では雲にはなりません。
空気中のチリ
水蒸気は気温が下がっても、水になってくっ付く対象が無ければ雲にはなりません。くっ付く対象を核といいます。核は小っちゃななチリや煙など何でも構いません。核が存在して、気温が下がって湿度が100%を超えると雲ができるのです。
空気の上昇
雲のできる基本的な理由は分かりましたが、どうやって水蒸気を含む空気が冷やされるのでしょうか?
それには空気が上昇する必要があります。気温は標高が100m上昇する毎に、約0.65℃低下します。空気は上昇すればするほど冷やされます。
そして、湿度100%を超えた時点で、空気中のチリを核として雲が出来上がるのです。空気が上昇するのは以下のような場合です。
- 太陽の熱で地面が暖められ、そこから上昇気流が発生する
- 低気圧に向かって地上の空気が吸い上げられていく
- 冷たい空気と暖かい空気がぶつかって、暖かい空気の方が上に押し上げられる
- 山の斜面に風が吹いて、空気が駆け上がっていく
- 強い風が吹いたせいで、風がうねって波打つため上昇中に冷やされ雲になる
知ってみると、なるほどと思いますね~。天気予報で雨が降るのは、大体このどれかの理由です。
次からは雲ができる5つのパターンを詳しく解説していきます。
雲ができる5つのパターン
ここからは更に踏み込んで雲ができる5つのパターンを図で解説したいと思います。
太陽の熱で地面が暖められ、そこから上昇気流が発生する
夏に多い雲のでき方です。
太陽の光で地面が熱くなることで、空気も熱くなります。気温が上がると空気は軽くなって、上昇気流が発生し、上空に達すると、冷えて雲になります。
この雲のでき方の特徴は、急激に出来上がるため予測がつきにくいことです。そのため、注意しないと急な増水や、運河の濁流などの水害の危険があります。
低気圧に向かって地上の空気が吸い上げられていく
最も一般的な雲のでき方です。
通常、空気は気圧が低い方に向かって流れ込みます。低気圧に集中した空気は上空に押し上げられるため、冷えて雲になります。
台風によって強力な雨雲が作られるのも、基本的にはこの仕組みです。台風の場合はあまりにも強力な低気圧なので、強い風が渦を巻いて、大量の空気を吸い上げて、たくさんの雲を一気に作ります。
冷たい空気と暖かい空気がぶつかって、暖かい空気の方が上に押し上げられる
梅雨や秋雨の時期の雨雲のでき方です。
北からの冷たい空気に、南からの暖かい空気がぶつかります。冷たい空気は重く、暖かい空気は軽いため、暖かい空気が押し上げられ、上空で冷えて雲になります。
このような冷たい空気と暖かい空気の境い目を前線と呼びます。
前線の北側は涼しく、南側は暖かいため、前線は季節の境い目ともいえます!
山の斜面に風が吹いて、空気が駆け上がっていく
冬場の本州日本海側の雲のでき方です。
山に向かって風が吹くと、斜面によって空気が上空に駆け上がって冷やされ雲ができます。
冬の日本付近は「西高東低」といって、日本海側に高気圧、太平洋側に低気圧ができやすいため、風向きが西から東になりやすいのです。
更に日本の本州は、中央部が山地になっているため、西から吹いてきた風は山の手前で雲になり、日本海側の地域に雨や雪を降らすのです。
一方の太平洋側は雨を降らした後の乾燥した空気が流れ込むため、乾燥した晴れの日が多くなります。
強い風が吹いたせいで、風がうねって波打つため上昇中に冷やされ雲になる
最後は少し特殊な雲のでき方です。
強い風が吹き込むと空気はスムーズに流れずに、波打つように縦に蛇行してしまいます。
このように蛇行すると、上空に達した空気が冷えて雲が作られるのです。
まとめ
今回は雲ができる理由についてお伝えしました。
もう一度おさらいすると、雲ができる要素は次の3つです。
- 空気中の水蒸気
- 空気中のチリ
- 空気の上昇
そして、空気の上昇が起きるのは、この5パターンです。
- 太陽の熱で地面が暖められ、そこから上昇気流が発生する
- 低気圧に向かって地上の空気が吸い上げられていく
- 冷たい空気と暖かい空気がぶつかって、暖かい空気の方が上に押し上げられる
- 山の斜面に風が吹いて、空気が駆け上がっていく
- 強い風が吹いたせいで、風がうねって波打つため上昇中に冷やされ雲になる
天気予報で雨や雪、曇りの予報の時には、このうちのどれかのパターンに必ず当てはまります。
この仕組みを頭に入れておくと、自分でもある程度、天気の予測が付きます。特に山に出かける時などは、風向き次第ですぐに雲ができて雨が降ったりするので、油断せずに雨の準備をしておくと良いと思います!
ちなみにこの記事のような理系のテーマの記事をこちらにまとめています。夏休みの自由研究のネタに役立つと思うので、良ければご覧ください!
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