私たちの生活になくてはならないものといえば、たくさんあると思いまが、現代の便利な生活のために必須なものと言えば電気ですね!
でも、電気に関する用語に電流や電圧、電力というものがあります。この違いを説明しろって言われたら難しいと思いませんか?
例えば「この発電機は30,000Vの電流を流すことができます」なんて言い方をする人がいますが、これって正しいんでしょうか?
どれも似てるようですが、実はハッキリとした違いがあるんです。
そこで、今回は紛らわしくて分かりにくい、電流・電圧・電力の違いを解説しちゃいます!
目次
電流と電圧と電力って何?
早速、それぞれの違いを見ていきましょう。
まず、電流と電圧と電力がどういうものか簡単に解説します。
電流
電流とは、回路の中を流れている電子などの電気を帯びている粒子の量の事です。
例えばポンプを使って水を流すと、水道に水の流れができますよね?この水の流れにあたるのが、電線の中を流れている電気、すなわち電流です。
電圧
電圧とは、その電気を帯びている電子などの粒子を流そうとする力のことを指します。
例えば水をタンクに貯める場合は、ポンプを使って、水を流し込みますよね?電気だってポンプみたいなもので圧力をかけないと、流れを作ることができないんです。
電気の場合のポンプは、発電機です。この発電機がどれくらいの圧力をかけて、電流を作り出しているかが、電圧なのです。
電力
電力の説明はちょっと難しくなります。
電力は発電機で電流を流すために使っているパワーの量です。
例えばポンプでタンクに水を溜める時に、建物の1階にあるタンクよりも、10階にあるタンクに水を溜める方が、必要になるポンプのパワーは大きいですよね?
また、途中の水道管が細いタンクと、太いタンクがあったとすると、同じ階にあったとしても、細い水道管のタンクの方が、必要になるポンプのパワーは大きいですよね?
このように同じ電流を流そうとしても、場所の遠さや、電線の電気抵抗によって、必要になる電力は変わるわけです。
電流の流れる方向は+の電荷が流れていく方向として定義されています。そのため、電池だと+極から-極に流れると考えます。
しかし、電子は-の電荷を帯びているので、実際には電子が流れる方向は-極から+極です。
本当の流れの向きは、『-極から+極』なんです。
以上が、電流・電圧・電力の違いです!
でも、これだけじゃ分からないですよね…?
そこで、次はそれぞれの違いをもっと分かりやすく理解するため、色んなものに例えて説明したいと思います。
電流・電圧・電力を色んなものに例えてみた
それぞれの違いを、理科の専門用語を並べて説明しても分かりにくいですよね?
というわけで、色んなものに例えてみました^^
- 電流⇒注射器の先から流れ出る水の量
- 電圧⇒注射器を押す力
- 電力⇒水を出し切るのに使った体力
- 電流⇒一定時間内にチェックポイントを通過するランナーの人数
- 電圧⇒走っているランナーの速度
- 電力⇒マラソン大会を運営する人の労力
やっぱり電圧と電力の違いの説明が大変ですね(笑)
電圧はその瞬間にかかっている力の大きさで、電力は使った力の合計ってイメージすると分かりやすいです。
これが電流・電圧・電力の違いです。
そして、この違いが分かると、なぜ静電気で感電死しないのかも分かりますよ!
最後はオマケとして、静電気の豆知識を紹介しておきますね^^
静電気で感電死しない理由
冬場の厚着をする季節になると、服を着替える時などにパチパチっと静電気が走ります。
そして、静電気が溜まった状態でドアのノブなどの金属製のものに触れるとビリッとしますよね。この不快な静電気の電圧は3,000V~10,000Vと言われています。
3,000Vってかなりの電圧なんですが、ちょっとビリッとするだけで、死ぬようなことはもちろんありません。
一方で家庭用の電源のコンセントは100Vですが、こっちの方は下手をすると感電死する可能性もあるかなり危険なものです!
実は危険かどうかは電圧ではなく、電流に関係するのです。静電気は電圧は高くても、電流は微々たるものです。一方で家庭用コンセントは電圧は低くても、大量の電流が流れるため危険なのです。
静電気と家庭用電源で、流れる電流に違いがある理由は、電力なんです。
発電所の電力は静電気とは比べ物にならない大きさなので、感電した時の電流には桁外れの違いがあります。
電気を正しく理解して、安全な生活をしてくださいね^^;
まとめ
今回は電流と電圧の違いを子供に教える方法についてお伝えしました。
ポイントは電流は流れている電気の量を指し、電圧は電気が流れやすくするためにかける力であって電気そのものを指す言葉ではないことを説明することですね!
子供に電流と電圧の違いを質問されたら、是非軽やかに答えてあげてくださいね!