さんまの内臓は食べるべき?味や寄生虫など色々な理由から考えた!

さんまって安くて美味しいですよね。秋の味覚のイメージが強いですが、最近は冷凍技術が発達したおかげで、一年中売ってますよね。

私は大好きなんで、本当によく食べてます。でも、さんまの食べ方でいつも議論になるのが、内臓を食べるか食べないかです。やっぱり苦いですし、寄生虫とかも心配で、食べない人が多いですよね?

実は私も家族が嫌がるのもあるので、内臓は取っちゃう派なんです。

でも、栄養があるから食べろとか、食べないのは邪道だなんて、言う人も多いですよね?特に年配の人からそう言われることがよくあります。

そこで、そんなに言われるなら、さんまの内臓は本当に食べた方が良いのか、しっかりケリをつけてしまおうと思い、徹底的にさんまのことを調べてみましたよ!

というわけで、今回はさんまの内臓は食べるべきかどうかを、考えてみたいと思います。

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目次

さんまの内臓は食べられるの?

そもそもさんまの内臓って食べられるものなんでしょうか?

体に良くなかったり、もの凄くマズかったりしたら、そもそも食べる物じゃないですよね?

というわけで、まず最初は、さんまの内臓は食べられるものなのかをいろんな角度から見ていきましょう。

味はそんなに苦くない

まず、一番気になる味ですね。

さんまの内臓って、食べるとやっぱり苦いですよね…。でも、実はこの苦さは、他の魚の内臓に比べたら全然苦くないんだそうです。

実はさんまの内臓には、胃がありません。食べたものを数十分で消化して排泄してしまうため、余計な内臓や消化液が無いため、あまり苦くないのです。

こんな内臓をしている理由は、さんまの生態にあります。

さんまの生態

さんまの寿命は1年~2年と言われています。体長が25cm以上が成魚の目安で、2年で体長が35cm程度にまで成長します。

住んでいる海域は太平洋の日本近海からアメリカ大陸沿岸の海域で、広い範囲を回遊している魚です。

産卵場所は日本列島の南の海域と言われていて、冬に生まれるとそのまま春にかけて、北上してエサをたっぷりと食べ大きく生長した後、8月頃から南下を始めます。この南下を始めた頃が脂が一番乗った旬の時期というわけです。

南下を始めてから、北海道から東北地方の太平洋側を通過するのが8月下旬から10月頃のため、毎年秋に美味しいさんまが食卓に上ります。

このように広い海を泳ぎ回っているため、さんまは常にプランクトンを食べ続けて、栄養を補給する必要があります。

そのためには、徹底的に消化吸収の速度を上げる必要があります。そこで、常に食べ続けて、常に排泄するという、回転率重視の消化器官になったわけです。

とは言え、やっぱり苦味はあるんですよね。

実際に内臓を食べる時には、身と内臓を、醤油と大根おろしと混ぜて一緒に食べると。美味しいですよ!

この食べ方だと、苦さが逆にアクセントになって、とっても美味しいです。イカの塩辛みたいな食べ方ですね^^

寄生虫は大丈夫

魚の内臓と言えば、寄生虫が気になりますよね。

実はさんまにも寄生虫がいるんです。

有名なのは赤い紐みたいなラジノリンクスという寄生虫です。でも、これは人間には害が無いので、食べちゃったとしても大丈夫です。

やはり気になるのは、アニサキスですよね…。実はごく稀にさんまにもアニサキスがいることがあります。

しかし、それは本当にごく稀です。さんまの消化器官は、数十分で消化が終わって排泄されてしまうため、アニサキスが寄生できる暇も場所もないからです。

いずれにしても、完全に火を通してしまえば、どんな寄生虫も無害化できるので、気にする必要は無いです。

アニサキスが寄生する仕組み

アニサキスの成虫は、クジラやシャチの腸です。

アニサキスが産んだ卵はクジラやシャチの糞と一緒に、海中にばら撒かれ、それを小型の魚が食べることで、まず、それらの魚の腸の中でふ化して、幼虫になります。

そして、アニサキスの幼虫がいる魚を人間が食べることで、食中毒を引き起こしてしまいます。

ちなみにアニサキスは、人間に寄生することはありません。寄生できないので、人間の体内から逃げ出すために、胃や腸に穴を開けて移動しようします。そのため、激痛が起きるのです。

鱗が入ってるって言うけど大丈夫?

さんまは鱗がとても剥がれやすい魚です。

さんま漁では網で大量のさんまを取りますが、その際に剥がれた仲間の鱗を飲み込んでしまうと言われています。そのため、内臓の中には鱗がたくさん入っていて、美味しくないなんて言います。

でも、実際に私が食べている時に、鱗があったことなんてありません。もしかすると、実際には鱗が入っているのに、それに気付かないだけかもしれません。

どちらにしても、全然気にならないので、鱗の心配はしなくても良さそうです。

というわけで、さんまの内臓は食べようと思えば、食べられるものだと言えそうです。

では、栄養の面ではどうなんでしょうか?

次はさんまの栄養を見ていきましょう。

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さんまの栄養!

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さんまの内臓って、食べる価値はあるんでしょうか?

内臓だけでなく身も含めて、総合的に判断したいので、内臓の部分と身の部分で、それぞれ見ていきます。

内臓の栄養素

既に書いた通り、さんまの内臓は他の魚と違って、食べることができます。

じゃあ、栄養の方はどうなんでしょうか?

そんなさんまの内臓には次のような栄養が含まれています。

【さんまの内臓の主な栄養】

  • カルシウム
  • 鉄分
  • ビタミンA
  • ビタミンB12


これらの栄養素は身の部分にも含まれているのですが、内臓の部分には特に多く含まれています。

実は捨てちゃうのはもったいないです!

さんま全体の栄養素

今度は身の部分の栄養についてです。さんまには、内臓の部分以外にも様々な栄養素が含まれています。

さんまの身の部分の栄養素には次のようなものがあります。

【さんまの身の部分の栄養素】

  • EPAやDHAを始めとする不飽和脂肪酸
  • 様々なビタミン
  • カルシウムや鉄分などのミネラル


これらの栄養が組み合わさることで、身体にとても良い健康効果があるのです!

さんまの3つの健康効果!

さんまは内臓と身が合わさることで、栄養のバランスが優れたものとなります。ここからはさんまの栄養素がもたらす3つの健康効果について見ていきましょう!

記憶力向上と脳機能低下の防止

さんまを始めとする青魚に含まれる脂肪の大部分は、不飽和脂肪酸です。さんまに含まれる不飽和脂肪酸の代表はEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)です。EPAは血液をサラサラに保ち、DHAは脳の働きを活発にし、記憶力向上や脳機能の老化を防ぎますが、不飽和脂肪酸自体がコレステロールの上昇を防ぐ効果を持っています。

普通、脂肪分と聞くと、太るというイメージがありますが、魚の脂肪分はそうではないのです!不飽和脂肪酸は溶ける温度が低いという特徴があります。さんまのような回遊魚は常に泳ぎ続けているため、大量のエネルギーを消費しています。

さんまに身体に蓄えたエネルギーを効率良く燃やすことはとても重要なのです!低い温度で溶ける脂肪分の方がより、効率良く燃えるため、さんまは体内に大量の不飽和脂肪酸を蓄えているわけです!

一方で、地上で生活している動物の脂肪分は溶ける温度が低いため、なかなか燃えにくいという特徴があります。

地上で生きる動物は、身体に蓄えた脂肪は少しずつ使う、省エネで暮らすライフスタイルのためと思われます。同じカロリー数でも動物の脂肪と魚の脂肪では、消費のし易さが違うため、肉を魚に置き換えるだけで、数字に表れないカロリー消費効果があるわけです!

身体の代謝機能アップ

さんまには特にビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEが多く含まれています。ビタミンAやビタミンEは脂溶性のビタミンのため、脂の乗ったさんまは、身体への吸収効果が高いのです。

また、ビタミンB群は脂肪の代謝を助ける効果や身体の細胞を上部にする効果などがあります。元々、燃え易いさんまの脂を更に燃えやすくしてくれるため、身体の代謝機能を高めて、疲れにくい身体にしてくれます。

そして、ビタミンDは骨の形成を助けてくれるビタミンです。もともと、カルシウムなどのミネラルを多く含んださんまは骨を丈夫にする効果もあるため、生長過程にある子供や骨が弱くなってくる高齢者などが食べると良い魚です!

これらのビタミンは身よりも内臓の部分に多く含まれているので、さんまのビタミンを取るには内臓も食べることが重要です!

貧血防止と骨の形成

さんまにはカルシウム鉄分が多く含まれています!特にさんまの鉄分はヘム鉄と呼ばれる形で含まれています。

ヘム鉄は赤身魚の身や特に血合いの部分に多く含まれ、動物であればレバーに多く含まれ、吸収率は15%~25%と言われています。一方で非ヘム鉄は野菜に多く含まれていますが、吸収率は2%~5%と非常に低いのです…。さんまは鉄分補給に優れた食材のため、貧血予防に効果的です!

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というわけで、やっぱりさんまの内臓は食べた方が良いです。まぁ、そりゃそうですよね。普通どんな動物でも貴重な栄養は、内臓に蓄えてるに決まってますもんね。

でも、それでも「気持ち悪いから、食べられない!」って人もいると思います。

そこで、最後に私がいつも実践している、さんまの内臓の取り方を紹介しておきます。

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さんまの内臓の取り方

どうしても、気持ち悪くて食べられないって場合は、こんなやり方で簡単に取ることができますよ!

順番に解説しますね。

  1. 首の部分の骨を切る!

  2. まず、首というか後頭部のあたりを切ります。

    ポイントは骨を切ることです。こうすることで、頭を引き抜きやすくします。

  3. 肛門の手前に1㎝程度の切れ込みを入れる
  4. 次に肛門の5㎜手前あたりに、1cmくらいの切込みをいれます。(写真の赤点線の部分です)

    こうすることで内臓と筋肉がくっ付いてる部分を切ることができ、簡単に引っ張り出すことができます。

  5. 頭を引っ張って、内臓を少し出す

  6. これで、頭を引っ張れば、簡単に内臓を引き出すことができます。

    ただし、ちぎれてしまう可能性もあるので、念のため少しだけ内臓を引っ張り出したところで止めます。

  7. 内臓をつまんで引っ張り出す

  8. 最後は少し引っ張り出した内臓をつまんで、最後まで引っ張り出します。

    上手に取れるとこんな感じになります。

これで内臓は綺麗に取り除けます。もし、お腹の中の血も綺麗に洗い流したいのであれば、お腹を切り開いて水洗いすればOKです。

やってみると、かなり簡単なのが分かると思います。是非、試してみてくださいね!

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まとめ

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というわけで、さんまの内臓はやはり食べるべきというのが結論でした。

その理由をもう一度まとめておきます。

  • 内臓にはビタミンやミネラルが豊富
  • 実はさんまの内臓は比較的苦くない
  • 寄生虫の心配も少ない

まぁ、そんなわけなので、皆さんも頑張って挑戦してみてはいかがでしょうか?

コツはよく火を通して、身や大根おろしと一緒に食べてしまうことです。

私もいろいろ工夫して、美味しい食べ方を研究してみますね~!