豆腐はヘルシーで、日常の食事に欠かせない食べ物ですよね。夏は冷奴、冬は湯豆腐など、色んな食べ方があります。
そんな豆腐にも色んな種類がありますが、代表的なものと言えば、やはり木綿豆腐と絹豆腐(絹ごし豆腐)ですよね。
しっかりした食感が特徴なのが、木綿豆腐で、滑らかな食感が特徴なのが、絹豆腐です。でも、普段私たちが意識している違いと言えばそれくらいで、それ以外は何も知りませんよね?
でも、実はそれ以外にも微妙な違いがあるって知ってましたか?
これを知らずに豆腐を食べるのは、もしかすると損してるかもしれませんよ!
というわけで、今回は木綿豆腐と絹豆腐のカロリーや栄養価の違いを比較しちゃいます。
木綿豆腐と絹豆腐の違い
カロリーや栄養の違いを見ていく前に、まず木綿豆腐と絹豆腐の作り方の違いから見ていきましょう。
実は作り方の違いが、カロリーと栄養の違いの原因になっているからです。
では、それぞれの作り方を見ていきましょう。
- 大豆を一晩水に漬ける
- 水に漬けた大豆を細かくすり潰してペースト状にする(これを”呉”と呼びます)
- 呉に適度に水を加えて濃度を調整しつつ、釜で炊く
- 炊きあがった呉を布でこして豆乳だけにする
- 熱いうちに豆乳ににがりを加えてある程度固める
- 穴の開いた箱に布を敷き詰めて、そこににがり入りの豆乳を流し込む
- 重石を乗せて水を切り固める
【絹豆腐の作り方】
- 大豆を一晩水に漬ける
- 水に漬けた大豆を細かくすり潰して呉にする
- 呉を木綿豆腐の時より濃いめに調整しつつ、釜で炊く
- 炊きあがった呉を布でこして豆乳だけにする
- 熱いうちに豆乳ににがりを加えてそのまま固める
- 固まったら切り分ける
それぞれの違いは重石をして水を切るか、水を切らずにそのまま固めるかの違いなわけです。絹豆腐の場合は水を切らないので、最初から濃度の濃い豆乳になるように調整します。
また、呉を炊かずにそのまま布でこして豆乳を搾り取る「生絞り」という製法もあります。こちらの場合は絞った後の豆乳を煮詰めていくだけで、後の手順は同じになります。
こういった製法の違いのため、木綿豆腐は大豆の成分がギュッと凝縮して、固くしっかりした食感なのに対し、絹豆腐は水分を多く含んでプルンと滑らかで、崩れやすいという特徴があります。
私は木綿豆腐は木綿で水を切り、絹豆腐は絹で水を切っているのだと思っていました…。でも、絹豆腐の絹は、「絹のように滑らかな食感」だからだったんですね。
ちなみに豆腐と言えば、古くは木綿豆腐のことを指していました。それが、江戸時代になって、滑らかな食感の絹豆腐が開発されました。
絹豆腐を作る際に、にがりを使ってムラなく均一に固めるには、技術が必要なため、今では豆腐を固めるのに、にがりを使うことは少なくなってしまったそうです。
というわけで、ここまでは木綿豆腐と絹豆腐の作り方の違いを見てきました。
実はこの違いがカロリーや栄養価の違いになって表れるのです。
というわけで、次はカロリーと栄養価の違いを見ていきましょう。
カロリーと栄養価の比較
木綿豆腐と絹豆腐のカロリーと栄養価を表にして比較してみました。
木綿豆腐の方が凝縮されている分、全体的に数値が多くなるのかと思いきや、意外なことが分かりました。
項目 | 木綿豆腐 | 絹豆腐 | 備考 |
---|---|---|---|
カロリー | 216Kcal | 168Kcal | |
タンパク質 | 19.8g | 14.7g | |
脂質 | 12.6g | 9.0g | 脂質も意外に多い |
炭水化物 | 4.8g | 6.0g | |
ビタミンE | 0.6mg | 0.3mg | |
ビタミンK | 39μg | 36μg | |
ビタミンB1 | 0.21mg | 0.30mg | |
ビタミンB2 | 0.09mg | 0.12mg | ビタミンB群は絹の方が多い |
ビタミンB3(ナイアシン) | 0.3mg | 0.6mg | |
ビタミンB6 | 0.15mg | 0.18mg | |
ビタミンB9(葉酸) | 36μg | 33μg | |
ビタミンB5(パントテン酸) | 0.06mg | 0.27mg | |
ビタミンB7(ビオチン) | 11.4μg | - | |
ナトリウム | 39mg | 21mg | |
カリウム | 420mg | 450mg | |
カルシウム | 360mg | 129mg | |
マグネシウム | 93mg | 132mg | |
リン | 330mg | 243mg | |
鉄 | 2.7mg | 2.4mg | |
亜鉛 | 1.8mg | 1.5mg | |
銅 | 0.45mg | 0.45mg | |
マンガン | 1.14mg | 0.93mg | |
ヨウ素 | 15μg | - | |
セレン | 12μg | - | |
クロム | 6μg | - | |
モリブデン | 123μg | - |
木綿豆腐の方がギュッと押し固めている分、全ての栄養価が高いように思えますが、実はそうではありません。ビタミンB群や一部のミネラルは絹豆腐の方が高いのです。
実は木綿豆腐の方が少ない栄養素のほとんどは水溶性の物質なのです。
木綿豆腐の場合、重石を乗せて水分を切ってしまうので、水に溶けている栄養素はそのまま流れ出てしまいます。そのため、しっかりと水分を保持している絹豆腐の方が、水溶性の栄養素は豊富なのです。
ちなみにビタミンB群は、糖や脂質の代謝を上げる働きがあります。そのため、ダイエット中の人にとっては、カロリーが低く、ビタミンB群が多い絹豆腐の方がおすすめなのです!
まとめ
というわけで、今回は木綿豆腐と絹豆腐の違いをカロリーや栄養価という視点で見てきました。
豆腐は元からヘルシーな食べ物ですが、木綿豆腐と絹豆腐の違いが分かると、目的別に食べ分けた方が良いことが分かりますね。
というわけで、それぞれの違いを簡単にまとめておきます。
- カロリーやタンパク質の量など、全体的な栄養価は木綿豆腐の方が多い
- 水溶性の栄養素は絹豆腐の方が多い
- 体を鍛える目的の場合は、タンパク質が多い木綿豆腐がおすすめ
- ダイエット目的の場合は、カロリーが低く、ビタミンB群が多い絹豆腐がおすすめ
このように違いが分かると、目的別に食べ分けることができます。
ヘルシーと言っても、それなりのカロリーがある食べ物なので、違いを理解して食べるのはとても重要なのです。
私の場合、食べ応えがあって好きなので、木綿豆腐ばかり食べていたのですが、カロリーのことも気にかけて、絹豆腐も食べるようにしようと思いました。
皆さんも豆腐を目的別に食べ分けてみてはいかがでしょうか?