毎日の生活の中で電化製品は欠かせないものです。そんな便利な電化製品のうちの一つに電子レンジがあります。
手軽に食べ物を温めることができるので、非常に便利でどの家にも必ずあるものだと思います。
しかし、電子レンジを使っている時に気になるのが、電磁波の影響です。電磁波は人体への悪影響が懸念されているため、できるだけ浴びたくないものですよね。
電化製品の中でも特に電子レンジが強い電磁波を出しているイメージなので、ちゃんと対策したいものです。
というわけで、電子レンジの電磁波対策を色々と調べてみたのですが、もの凄くびっくりしました。だって、嘘の情報ばっかりなんですもん…。
そこで、今回は正しい電子レンジの電磁波対策についてお伝えします。
目次
電磁波って何?
電磁波対策を考える前に、そもそも電磁波とはどういうものかを理解する必要があります。
そこで、まずは電磁波がどういうものかから見ていきましょう!
実は常に電磁波を大量に浴びている!
電磁波とは一体どういうものなのでしょうか?
Wikipediaで調べてみると、こうありました。
電磁波(でんじは 英: electromagnetic wave)は、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光(赤外線、可視光線、紫外線)や電波は電磁波の一種である。電磁放射(英: electromagnetic radiation)とも呼ばれる。現代科学において電磁波は波と粒子の性質を持つとされ、波長の違いにより様々な呼称や性質を持つ。通信から医療に至るまで数多くの分野で用いられている。
※Wikipedia:電磁波の記事より
難しい言葉ばかりで、分かりにくいですね…。簡単に言えば、空中を伝わってくる様々な波のうち、音波以外のほとんどが電磁波です。
電波、X線、放射線、赤外線、紫外線、可視光線、マイクロ波と様々なものが存在しますが、これらは全て電磁波です。
それぞれの違いは波長だけなんです。
電磁波は様々なものから放出されています。太陽は最も強力な電磁波を常に放出しています。私たちの体も赤外線を放出しています。そして、電気が流れているあらゆる物からも電磁波が放出されてます。
今の生活は、送電線や携帯電話、電化製品など電磁波を放出する物で溢れています。
しかし、電磁波は波長の違いによって、性質に差が出てきます。そして、危険性も変わってくるのです。
つまり、電磁波であれば何でも危険なわけではないのです。
電磁波の危険性
電磁波を浴びると人体に悪影響があると言われますが、実は波長によって危険性には差があります。
例えば波長が短い紫外線やX線、ガンマ線などは、とても強いエネルギーを持っています。そのため、皮膚などの物質を貫通して直接、原子にぶつかります。その結果、分子構造が断ち切られ、細胞の中の染色体などを壊してしまいます。
染色体が壊れた細胞はがんになりやすいため、波長が短い電磁波は有害とされています。
一方、無線通信やテレビ放送などで使われている電磁波は波長が長いものが使われます。波長が長い電磁波は少しぐらいの物体であれば透過してしまいます。
そのため、染色体が破壊されるようなことはありません。
今の生活は身の回りに電磁波を放出する物が溢れています。大切なのはそれらがどのような波長の電磁波を出しているか、正しく理解することです。
電化製品からは紫外線や放射線のような危険な電磁波が出ることは、ごく僅かです。
とは言え、ごく僅かでも気になるものは気になりますよね!
とうわけで、次はいよいよ電子レンジの正しい電磁波対策を見てみましょう!
電子レンジの電磁波対策
電磁波はたくさんの電気が流れるところから、強く放出されます。電化製品の中でも電子レンジは消費電力が大きい部類に入るため、強い電磁波が放出されます。
では、どのようにすればこの電磁波を防ぐことができるのでしょうか?
それは、ずばり「電子レンジからとにかく離れること!」です。
電磁波は電気が流れる場所から四方八方に放出されているため、遮ることが困難です。
しかし、放出されている場所から離れると急激に弱くなってしまいます。そのため、電子レンジのスイッチを入れたらさっさと遠くに行くことが、最も効果的な対策です。
料理中に使いたい場合でも、キッチンの作業場所からなるべく遠い所に電子レンジを置くようにするなど、なるべく距離をあけるようにしましょう。
ちなみに一般的に安全と言われる電磁波の量は、2ミリガウス以下と言われています。
電子レンジの場合は、2ミリガウス以下になる距離は1mのため、これを目安にしてください!
な~んだ、結局、電子レンジの電磁波対策は離れるだけなのかよって感じですよね。
世の中には他にも電磁波対策が色々ありますが、どれも効果が疑わしいものばかりです。
最後に代表的な電磁波対策がなぜ効果が無いかについて解説します!
間違った対策
インターネットなどで、電磁波防止対策を調べていると、色々な情報があります。
その中でも 多いのが次の2つです。
- 電磁波防止フィルム
- アースを取り付ける
でも、これらは気休め程度でしかありません。
なぜ、効果が無いのか説明していきますね。
電磁波防止フィルム
一番多く出てくるのが、電磁波を遮る事ができるフィルムを貼るというものです。
しかし、電磁波は電子レンジの本体はもちろん、電源コードなど、電気が流れるところ全てから放出されます。更に電磁波は四方八方に放出されるため、それらを全て覆わなければ防ぐことはできないのです。
ところが、電子レンジの電磁波防止フィルムは、電子レンジの前面の窓にだけ貼るものが多く、これでは飛んでくる電磁波を防ぐことはできません。
またこちらの記事で書いていますが、そもそも、電子レンジは電磁波で食品を温めるものです。
⇒ 電子レンジの仕組みを簡単解説!なぜ食べ物だけ熱くできる?
もし、電磁波が外に漏れてしまえば、外にいる人が熱くなって火傷してしまいます。そうならないように電子レンジの本体は電磁波が漏れないように厳重にシールドしてあるのです。
つまり、電子レンジというものは、そもそもしっかりと電磁波対策が施された電化製品なんです。
そういうわけなので、フィルムを貼っても大した効果は期待できません。
アースを取り付ける
電子レンジに限らず、電化製品の電磁波を防止するために、電化製品の電源プラグをアースすると良いという情報があります。
これはハッキリ言って、全く効果がありません!
電源をアースしていると、故障や落雷によって、想定外の高電流が流れた時に、アースに過剰な電流を流して逃がすことができます。これによって、人間が感電したり、その電子機器が破損することを防ぐことができるのです。
アースが役に立つのは、過剰な電流が流れた時です。普段、電化製品を使っている時は、通常と同じ電流が流れているため、電磁波が放出されています。放出される量も、アースの有無に関係ありません。
どういう根拠で、効果があると言ってるのか不明ですが、電気が流れれば電磁波は放出されるものなので、アースしても効果はありません!
まとめ
電子レンジは強い電磁波を出しているイメージがあるため、神経質になりがちです。しかし、実はコードレス電話や携帯電話の方が、電子レンジよりもはるかに強い電磁波を出しています。
また、太陽は常に強い紫外線や放射線を出しています。そのほとんどは、地球の大気圏で遮られるものの、強い日差しを浴び続ける事は、皮膚がんの原因になることが分かっています。
このように、私たちが普段生活している限り、電磁波を浴びないで生活することは不可能です。
大切なのは、どんな電磁波が危険で、どのようにすれば影響を防ぐことができるかを理解することです。
電子レンジの場合は、スイッチを入れたら1m以上離れれば十分に電磁波が弱くなります。電磁波の対策は、発生源から十分に離れることが基本です。
紫外線などの危険な電磁波だけ注意して、あまり神経質になり過ぎないようにしてくださいね!
電磁波でこのページを拝見、
電磁波の問題は、それなりに深く、複雑ですね。
bemsjさん
コメントありがとうございます。
> 電磁波の問題は、それなりに深く、複雑ですね。
その通りですね。
こんな記事を書いたものの、危険な電磁波は目に見えないものなので、知識を身に付けても限界があると思います。
電磁波も自然由来じゃないものは、なるべく避けた方が無難なのかもしれませんね。