カレーの歴史!日本のカレーライスは実はイギリス料理だった!

カレーライスといえば、もはや日本の国民食と言っても良いくらいの食べ物ですよね。

常に子供の好きな食べ物ランキング上位になる食べ物ですし、大人だって大好きな食べ物です。

私も夕食がカレーだといつも嬉しかったものです!私はジャガイモ、玉ねぎ、にんじん、鶏肉というオーソドックスなチキンカレーが大好きでした。

そんなカレーはインドから伝わった料理というイメージがあります。しかし、実は私たちが食べ慣れているカレーライスはインド料理なんかじゃないんです!

私はインド料理が大好きで、こんな風に様々なスパイスを常備しているほどのマニアです。

その私に言わせれば、日本のカレーは日本独自の食べ物であって、決してインド料理などではありません!

じゃあ、あれっていったいどういう食べ物なんでしょうか?

そこで、ここでは日本人の国民食カレーライスの歴史を徹底的にお伝えしますよ!

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目次

カレーの歴史

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今やすっかり日本人の国民食になったカレーライスですが、歴史をたどっていくと確かにインドにルーツがあるものです。

しかし、その元々の料理とカレーライスは似ても似つかぬ全くの日本オリジナルの食べ物なのです!現在のカレーライスになるまでには、いったいどんな歴史があるのでしょうか?

早速、カレーライスの歴史を見ていきましょう。

カレーのルーツ

カレーは様々なスパイスが大量に使われているのが特徴です。

このような料理は世界中の熱帯の国々に存在します。これがいつどこで生まれたかは定かではありません。

元々、熱帯地方には様々なスパイスがあるため、この地域に住んでいた人々の間でスパイスが料理に使われるようになったのは、ごく自然な事でした。

やがて、紀元前3世紀頃になるとインドや東南アジアで交流が盛んになりました。その過程で、お互いの地域にあるスパイスが伝わり、お互いの食文化も融合して新しいものが誕生しました。

このような過程で、インド料理の原型、つまりカレーのルーツが誕生したのです。

カレーイギリスに伝わる

では、私たちに馴染みがあるカレーはどのようにして誕生したのでしょうか?

それは歴史が進んで15世紀の大航海時代の頃になります。

カレーは洋食!イギリス人のカレーとの出会い!

大航海時代以前、ヨーロッパとアジアはシルクロードを通して、交易をしていました。

その当時からアジアの様々なスパイスはヨーロッパでも大変人気がありました

スパイスはシルクロードを運ばれてくる間に、アジアやアラブの商人たちを介して、ヨーロッパに運ばれてくるころには、とても高値になってしまいます。

ヨーロッパの商人がアジアとの貿易に乗り出そうとしても、入り込む隙間はありません。そこで、大航海時代になるとアジアとの貿易を船で行うための、航路を確立しようという動きが盛んになりました。

その結果、コロンブスがアメリカ大陸を発見し、ヴァスコ・ダ・ガマが南アフリカの喜望峰を回る航路を発見したのです。

この航路の発見により、インドや東南アジアはスパイス貿易によって多額の利益を生む土地となったのです。

特に人気のあったスパイスがブラックペッパー、クローブ、カルダモンなどです。これらのスパイスが特産の土地はヨーロッパ諸国の植民地にされました。やがて、その土地を巡って戦争まで勃発するようになったのです。

そのような戦争で、インドは様々な国の支配を経て、18世紀にはイギリスがインドを植民地支配するようになっていました。

その頃、既にたくさんのヨーロッパ人が、インドに渡り、インド料理を食べていました。その中でもスパイスの効いたソースをご飯にかけて食べる料理が、美味しいとして、イギリスににも伝わりました。その時の料理名が”カリ“という名前だったので、Curryという名で広まりました。。

ところが、このカリというのは、タミール語で”汁物”といった意味の言葉で、料理名ではありません。だから、インド人にカレー(Curry)といっても、そんな料理は知らないと言われてしまうんです。

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もうこの時点でカレーは、インド料理じゃないんですよ!

カレー、イギリスで広まる!

18世紀も後半になると、ヨーロッパでもインド料理が紹介されるようになりました。

私たちに馴染みの食べ方は、肉と野菜をスパイスを効かせたソースで煮込むものですよね?そのような食べ方である“カレー”へと変化したのもこの時期です。

このカレーが誕生したのはイギリスでした。当時のイギリスでは日曜日の教会での礼拝のあと、牛を料理して、みんなで食べる習慣がありました。その際に食べきれなかった牛肉は鮮度が落ちると、臭みが出て不味くなります。

そこで、スパイスを効かせたソースで、その肉を煮込んだところとても美味しくて、この料理法がイギリスで広がりました。これが、私たちが慣れ親しんでいるカレーの原型なのです。

カレー伝来

さて、では日本にはどのようにして、カレーが伝わったのでしょうか?

日本にカレーが伝わったのは、やはり明治時代になってからの事です。

クラーク博士!生徒にカレーライスを推奨!

明治維新後、日本でも西洋の文化が急速に広がりしました。

日本でカレーが伝えられたのは、1873年(明治5年)に「西洋料理指南」という本で洋食として紹介されたのが最初と言われています。その本のレシピでは、ネギ、鶏肉、エビ、鯛、カキ、赤カエルを使い、小麦粉でとろみを出し、カレー粉で味付けするとなっています。

初期のカレーにはカエルが入ってたんですね…私にはちょっと無理ですね^^;

しかし、本格的に食べるようになったのは、1876年の札幌農学校(後の北海道大学)で教鞭を取っていた「少年よ大志を抱け!」で有名なクラーク博士がきっかけでした。

当時、生徒たちが貧弱だったのを見たクラーク博士は、彼らの栄養状態を改善するために生徒たちに西洋料理を勧めました。その中の一つにカレーライスがあったのです。

当時の学生たちは米を主食としていたため、栄養は糖質に偏りがちでした。糖質ばかり取っていると、脚気(かっけ)になりやすくなるため、他の食材もバランスよく食べる必要があるんです。

そこで、クラーク博士は校則で米を食べることを禁止しました。この時例外として、カレーの時だけは米を食べることを許可したのです。

また、このカレーに使われた具材も北海道ならではのものでした。

当時、学校で栽培技術を学ぶために栽培していた、ジャガイモ、玉ねぎ、にんじんを使ったのです。

カレーライスの具材で最もポピュラーなこれらの野菜を使うようになったのは、クラーク博士がきっかけだったんですね!でも、まだこの時は本格的に全国に広がるには至っていません。

海軍カレー誕生!

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本格的にカレーが家庭にまで広がったのは、海軍が軍隊食にカレーライスを取り入れたのがきっかけです。

当時の日本はイギリス海軍をお手本としており、そのイギリス海軍で食事として出していたカレーライスを日本海軍も取り入れました。カレーは長持ちする野菜を具材としている上、一度に大量に作れることから、軍隊食にピッタリだったのです。

カレーが軍隊食だった名残は今の自衛隊にも残っています。今でも自衛隊では毎週金曜日はカレーの日です。

やがて、陸軍の食事でも取り入れられ、軍隊食の定番として、すっかり定着しました。そして、カレーの作り方を覚えた兵士たちが復員するとそれぞれの家庭でカレーを作り、家族に作り方を教えたため、カレーは日本の家庭に普及しました

横須賀に行くと海軍カレーというのが、ブランドになってますが、その理由はこの歴史のためだったのです。

日本のカレーライスにはこのような歴史があったのです。このため、日本のカレーライスはインドの伝統的な料理とはかなり違うものなのです。

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つまり日本のカレーは、イギリス料理だったんです!

そこで、次は日本のカレーライスとインド料理との違いを見ていきましょう。

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カレーとインド料理の違い

ここまではカレーの歴史について書いてきましたが、既にお分かりの通り、元々のインド料理から、だいぶアレンジが加えられた料理がカレーです。

私たちが普段口にしているカレーはイギリスが発祥の洋食です。

インドにカレーなんて無い!

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実は私も昔、一緒に働いていたインド人にカレーライスを進めたところ、辛すぎるし好きじゃないと言われました…。

で、今度はインドカレー屋さんに連れて行ったところ、喜んでくれました。しかし、注文の時にカレーの好み辛さを聞かれた彼は、5段階あるうちから一番辛くないレベル1を頼んだのです!

「インド人は辛い食べ物得意じゃないのか?」と聞いたら「何でも辛ければ美味しいってもんじゃない」と言われました。

インド人にとっても、スパイスが効いてれば、何でも美味しいわけじゃないらしいです。

でも、日本に伝わったときは完全に洋食として伝わっているにもかかわらず、どこで「カレーはインド料理」という誤解が生まれてしまったんでしょうかね~?

インド料理は様々!

インド料理は日本のカレーライスともかなり違いますが、実はインド国内でも様々な違いがあるのです。

インドは多民族・多宗教の国で、食文化も様々です。なかなか説明しきれるものではないのですが、それでも分けるとすれば、大きく分けて北と南に分けることができます。

北インド料理

日本にあるインドカレー屋さんで出されるインド料理は大抵「北インド料理」です。

北インド料理の特徴は、とろっと濃厚な汁で、バター(ギー)などを多く使っています。スパイスの使い方も、辛さは控えめで、その代わりに体を温める効果のあるスパイスをたくさん使っています

ちなみに唐辛子は、たくさん汗をかいて、体を冷ます効果があるので、体を冷やす効果のスパイスに分類されるんですよ!また、インド北部は南部に比べると比較的乾燥しているので、主食は小麦です。そのため、パンをよく食べます。

ちなみに日本でもお馴染みの”ナン”はタンドールという窯で焼くパンです。タンドールは料理人がいるような裕福な家にしかないので、庶民はブーリという揚げパンを食べます。日本ではブーリを出してくれるお店はあまりないですけど、私は個人的にはこっちの方が好きなので、是非食べてみてくださいね!

南インド料理

日本では比較的マイナーなのが、南インド料理です。

もちろんスパイスをたくさん使った料理ですが、初めて食べると新鮮な感覚を受けると思います。

なぜなら、南インドは高温多湿な気候のため、味付けはとても辛くて、汁はさらっとさっぱりしているのが特徴だからです!

使われる食材も、熱帯らしく葉物の野菜や魚介類などが多いです。主食は米なので、ビリヤニというお米の料理もたくさんあります。

私も自分でよく作るのは、南インドの料理なんです。

また、スパイスで味付けしたジャガイモやひき肉をクレープのような生地で包んだドーサという料理は、私の大好物です。インドカレーをイメージして食べるといい意味で期待を裏切られますよ!

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まとめ

というわけで、カレーについて色々とお伝えしました!

日本のカレーライスはインド料理とは似ても似つかぬものだったなんて、意外でしたよね!

改めて、カレーの歴史を軽くおさらいしましょう。

  1. インドや東南アジアでスパイスを使った食文化が生まれる
  2. インドや東南アジアの食文化が融合しカレーの原型ができる
  3. 大航海時代を経て、インドがイギリスの植民地となる
  4. イギリスに”カリ”が伝わる
  5. 古くなった肉の調理法としてカリがイギリスに広まる
  6. クラーク博士が学校給食としてカレーライスを考案する
  7. 軍隊食としてカレーライスが採用される
  8. 復員兵により家庭にカレーライスが広まる


このような長い歴史を経て、インドの”カリ”が日本のカレーライスになったのです。

このように、カレーライスはどちらかというとインドよりもイギリスの料理を真似たものなので、インド料理とは全く違った食べ物になってしまったのです。

カレーライスは今や完全に日本食と言っても良いのかもしれませんね!

以上、すっかりカレーライスが食べたくなってしまった管理人でした!