以前、雷が落ちる確率を調べて記事に書いたことがあるんですが、その時に意外なことを知りました。それは雷って、意外に遅いということです。
夏場になると増えてくるのが、豪雨を伴う雷です。 雷はいつどこに落ちるか分からないため、とても危険です。 雷は致死率が高いため、すぐに避難することが大切です。 でも、実は私たちの多くが安全と思っている場所は、危険な場所なのです! そこで、ここでは雷が落ちる場所や安全な避難場所、落雷を受ける確率をお伝えします。
雷って、もの凄く速いものの代名詞ですよね?しかし、実際には雷には色んな種類があって、速度も全然違うって知ってましたか?
実は私たちが雷と思ってるものは、雷全体のごく一部なんです。種類によっては光に近い速度のものもあれば、もの凄く遅いものもあります。
そのような様々な種類の雷が、一瞬のうちに発生しているんですよ~。この全体の仕組みが分かると、ちょっと自慢できるかもしれないです。
というわけで、今回は雑学好きの私をうならせた、雷の時速や、発生の仕組みを徹底解説しちゃいます。
目次
雷の全体の仕組み
雷の速度と一言で言っても、実は種類によって速度も違うんです。そこで、まず雷が落ちる仕組みから説明しますね。
実は雷って、電気が一気に空気中を伝わっているわけではないんです。
元々、空気は電気なんて通しません。
だから、雷が落ちる前には、空気中を電気が通りやすくするための、予備的な雷が落ちています。
そして、その予備的な雷が地上に達すると、大きな光や爆音と共に、一気に電気が地上に落ちます。これが普段私たちが雷と感じるものです。
分かりやすい動画があるので、まずはこれを観るとイメージが湧きますよ。
この一連の流れを詳しく説明するとこうなります。
- ステップトリーダーが雲から落ちる
- ストリーマが地上から迎えに行く
- リターンストロークが発生する
- ダートリーダーが雲から落ちる
- 再びリターンストロークが発生
- 4と5が何回か繰り返される
なんだか難しい用語が並んでいますね…。
分かりやすいように順番に解説しますね。
ステップトリーダーが雲から落ちる
普通の状態の空気は、非常に電気を通しにくい状態です。
そこで、まず最初に弱い光を放つ予備的な雷が空気の中を走ります。これをステップトリーダーと呼びます。
ステップトリーダーは20m~50m程度進んでは停止し、向きを変えたり枝分かれをして、また20m~50m進み停止するということを繰り返しながら地上に向かって落ちていきます。
こうしてジグザグに進みながら、地上付近にまで落ちてきます。
ストリーマが地上から迎えに行く
ステップトリーダーが地上付近に来ると、その電荷(電気エネルギーのこと)に引っ張られて、地表付近にも電荷が集中してきます。
やがて、地表に集中した電荷も、ステップトリーダーに引っ張られるようにして、空中に放出されます。
これをストリーマと呼びます。
リターンストロークが発生する
ステップトリーダーとストリーマが結び付くと、電気が流れる通路が出来上がります。
こうして完成した電気の通路を通って、雲から地上に一気に電気が流れます。
これをリターンストロークと呼びます。私たちが雷と感じるのは、このリターンストロークです。
“リターン”なんて言うと、地上から雲に向かっているようなイメージですが、電気エネルギーが流れている向きは雲から地上です。
ダートリーダーが雲から落ちる
人間の感覚では気付きにくいのですが、実は通常の雷は、一瞬の間にピカピカッと複数回の雷が落ちていることが多いです。
最初のリターンストロークが発生した際に電気が通った通路は、普通の空気よりは電気が通りやすい状態です。そこで、リターンストロークの0.002秒~0.005秒後に再び予備的な雷が落ちてきます。
これをダートリーダーと呼びます。
ダートリーダーは比較的電気が通りやすくなった道を通るため、ステップトリーダーのようなジグザグや枝分かれ、停止をすることなく一気に進みます。
再びリターンストロークが発生
ダートリーダーが、地上付近に達すると、地上からは再びストリーマが迎えに来ます。
ダートリーダーとストリーマが結びつくと、再びリターンストロークが発生します。
4と5が何回か繰り返される
リターンストロークが発生すると、再びダートリーダーが発生します。
あとはこれを何回か繰り返します。
雷って、ピカピカッと何回か光ることが多いですよね?
これは一瞬の間にダートリーダーとリターンストロークが発生してるからなんですね~。
というわけで、雷の仕組みが分かったところで、次はいよいよ雷の速度を見てみましょう。
雷の速度は3種類!
『雷の速度』と言った場合、対象になるのは、ステップトリーダー、ダートリーダー、リターンストロークになります。
といわけで、それぞれの速度を見ていきましょう。
ステップトリーダー
まずはステップトリーダーからです。
ステップトリーダーは進んでは停止するという動作を繰り返すため、3つの雷の中では最も速度が遅いです。
秒速:約200Km
時速:約72万Km
地球1周の距離を4万Kmとすると、1時間で18周する速さ。
秒速200Kmって速いと思かもしれませんが、他の2つに比べると実は大したことありません。
ダートリーダー
ダートリーダーは、停止や進路変更することなく、一気に進むため、ステップトリーダーの10倍程度の速度です。
秒速:約2000Km
時速:約720万Km
地球1周の距離を4万Kmとすると、1時間で180周する速さ。
一気に早くなりましたね。しかし、次のリターンストロークは桁外れです。
リターンストローク
リターンストロークは電気の通り道を一気に進むため、メチャクチャ速いです。その速度は光速の1/3程度と言われています。
秒速:約10万Km
時速:約3億5900万Km
月までは4秒弱で到達でき、太陽までは1時間で1往復半できる速度。
雷の速度と言った場合、通常はこのリターンストロークの速さになります。
もはや人間の感覚では、ピンとこない速度ですね…。
まとめ
というわけで、今回は雷の速さを調べてみました。
いやはやメチャクチャな速度でしたね。
まとめるとこうなります。
予備的な雷(ステップトリーダー)の速度:時速72万Km
いわゆる雷(リターンストローク)の速度:時速3億5900万Km
2回目以降の予備的な雷(ダートリーダー)の速度:時速720万Km
まぁ、どの雷もメチャクチャな速さであることには変わりありませんね。
皆さんも雷を見たら、この3種類の速さの雷があることを思い出してくださいね。
ちなみに、雷に関しては、こんな記事も書いています。雷はとても怖いものなので、読んでおいた方が良いですよ。
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板書風説明書きで、ステップトリーダー、ダートリーダー、リターンストロークの速度を書いてるのに小見出しが全部「ステップトリーダー」になってるよ
> 板書風説明書きで、ステップトリーダー、ダートリーダー、リターンストロークの速度を書いてるのに小見出しが全部「ステップトリーダー」になってるよ
指摘ありがとうございます!
直しておきました。
リターンストロークとダートリーダーの速度が上の記事とまとめの記事とで入れ替わってますが、どちらが正しいのでしょうか?
REXさん
誤りのご指摘、ありがとうございます。
まとめの方が間違っていますので、修正しました。
不正確な内容の記事だったこと、申し訳ありませんでした。