注意報と警報と特別警報の違い!それぞれの差を分かりやすく解説!

最近は大雨や台風、大雪と自然災害の規模も頻度も増す一方ですよね。

そんな中で、天気予報では大雨注意報とか大雨警報のような、注意報とか警報が、頻繁に出るようになりました。

最近では特別警報なんていうものも、よく聞きます。

でも、種類や内容が分からないと、どれだけ危険なのか不安ですよね?

いったいこれらには、どのような違いがあるのでしょうか?

そこで、この記事では注意報や警報、特別警報の違いをお伝えします。

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目次

それぞれの違い

それでは、早速、注意報、警報、特別警報の違いを見ていきましょう。

注意報や警報という呼び名は、実は略称で、正式には気象注意報気象警報と呼びます。

これらの違いは簡単に言えば、こうです。

  • 注意報:「災害が起きる可能性がある気象現象」が予想される時に発表されるもの
  • 警報:「大きな災害が起きる可能性が高い気象現象」が予想される時に発表されるもの
  • 特別警報:「週十年に一度起きるか起きないかレベルの規模の大きな気象現象」が予想される時に発表されるもの


当然、被害の大きさも、注意報よりも警報、警報よりも特別警報の方が、大きいことが予想されます。

そして、それぞれには次の3つの細かい、違いがあります。

  • 種類
  • 災害の重大性
  • 基準


順番に見ていきましょう!

種類

それぞれは細かく種類が分かれています。

最も種類が多いのは、注意報で、特別警報が最も少ないです。

それぞれを一覧表にしてみました。

【注意報の種類】
種類 内容
大雨注意報 大雨による災害が発生する可能性がある時に発表されます。雨が止んだ後でも、可能性がある限り、継続します。
洪水注意報 大雨や雪解けによって河川が増水して、洪水が発生する可能性がある時に発表されます。
大雪注意報 大雪によって住家や建物への被害や交通障害などの災害が発生する可能性がある時に発表されます。
強風注意報 強風により災害が発生する可能性がある時に発表されます。
風雪注意報 雪を伴う強風により災害が発生する可能性がある時に発表されます。大雪注意報との違いは、主に強風や、強風で雪が舞って視界が悪くなることで起きる可能性がある災害が対象になることです。大雪と強風が両方伴う場合、大雪による災害も発生する可能性があれば、大雪注意報が発表されます。
波浪注意報 高波による遭難や沿岸施設の被害などの災害が発生する可能性がある時に発表されます。
高潮注意報 台風や低気圧によって、潮位が上昇し、それによる災害が発生する可能性がある時に発表されます。
雷注意報 落雷や急な大雨、竜巻等の突風、雹など、激しい気象現象による人や建物への被害が発生する可能性がある時に発表されます。
濃霧注意報 濃い霧による災害が発生する可能性がある時に発表されます。
乾燥注意報 空気の乾燥による災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、空気が乾燥するることで、火災が発生する危険が大きい時に発表されます。
なだれ注意報 なだれによる災害が発生する可能性がある時に発表されます。
着氷注意報 着氷による災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、通信線や送電線に水滴や氷が付着することでの断線や、船に着氷することで、転覆・沈没などの被害が発生することです。
着雪注意報 着雪により災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、通信線や送電線に雪がふちゃくすることでの断線や、鉄塔などの倒壊被害が発生することです。
融雪注意報 融雪により災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、雪解け水によって、土砂災害や浸水害が発生することです。
霜注意報 霜により災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、春・秋に気温が下がって霜が発生することで、農作物に被害が発生することです。
低温注意報 低温により災害が発生する可能性がある時に発表されます。具体的には、低温による農作物の被害や、水道管の凍結や破裂による被害が発生することです。
【警報の種類】
種類 内容
大雨警報 大雨による重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。特に警戒が必要なことを明示して「大雨警報(土砂災害)」「大雨警報(浸水害)」「大雨警報(土砂災害、浸水害)」のように発表されます。雨が止んだ後でも、可能性がある限り、継続します。
洪水警報 大雨や雪解けによって河川が増水して、洪水が発生することで、重大な災害の可能性がある時に発表されます。
大雪警報 大雪によって住家や建物への被害や交通障害などの、重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。
暴風警報 暴風により重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。
暴風雪警報 雪を伴う強風により、重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。大雪警報との違いは、主に強風や、強風で雪が舞って視界が悪くなることで起きる可能性がある災害が対象になることです。大雪と強風が両方伴う場合、大雪による災害も発生する可能性があれば、大雪警報が発表されます。
波浪警報 高波による遭難や沿岸施設の被害などの、重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。
高潮警報 台風や低気圧によって、潮位が上昇し、それによる重大な災害が発生する可能性がある時に発表されます。
【特別警報の種類】
種類 内容
大雨特別警報 台風や集中豪雨により数十年に一度の規模の降雨量が予想される場合、または、数十年に一度の規模の台風や温帯低気圧になる可能性がある時に発表されます。特に警戒が必要な事を明示して「大雨特別警報(土砂災害)」「大雨特別警報(浸水害)」「大雨特別警報(土砂災害、浸水害)」のように発表されます。雨が止んでも可能性がある限り、継続されます。
大雪特別警報 数十年に一度の規模の大雪が予想される時に発表されます。
暴風特別警報 暴風特別警報は、数十年に一度の規模の台風や温帯低気圧により、暴風が吹く可能性がある時に発表されます。
暴風雪特別警報 数十年に一度の規模の台風と同程度の温帯低気圧により、雪を伴う暴風が吹く可能性がある時に発表されます。
波浪特別警報 数十年に一度の規模の台風や温帯低気圧により、高波になる可能性がある時に発表されます。
高潮特別警報 数十年に一度の規模の台風や温帯低気圧により、高潮になる可能性がある時に発表されます。

※気象庁の気象注意報・気象警報の種類より

警報や特別警報になると、より「甚大な災害につながる可能性がある気象現象」に絞られるわけです。

災害の重大性

注意報、警報、特別警報の最も大きな違いは、予想される被害の大きさです。

注意報よりも警報の方が、より危険です。

特別警報は”数十年に一度”なんてある通り、滅多に起きない規模の非常に危険な気象現象が予想される時に発表されます。

基準

それぞれが発表される基準も当然違いがあります。

気象庁は全ての注意報や警報、特別警報に基準を設けています。

具体的には、気温や雨量、風速や、それらの組み合わせを指標化した数値などを基準にしています。

特別警報の説明に書いてある”数十年に一度”というのも、単なる頻度や確率のことではなく、過去の気象データを基に、”数十年に一度の規模の基準“を具体的に数値化しています。

その基準を超えさえすれば、数十年に一度どころか、毎年のように発表される可能性だってあるわけです。

さて、それぞれの違いが分かったところで、実際に注意報や警報がどのように運用されるのかが気になりますよね。

そこで、次は注意報や警報が発表されるタイミングを見てみましょう。

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発表のタイミング

普段、私たちが注意報や警報が出ているのを知るのは、テレビやラジオの天気予報だと思います。

そのため、せいぜい朝昼晩の1日3回くらいかななんて思っていると、実はそんなことありません。

気象庁には、常に最新の気象データが集まってきていて、基準を超えた時点で、すぐに注意報や警報が発表されます

例えば、特別警報は”数十年に一度”なんて言っておきながら、頻繁に発表されているように思えますよね?

そう感じる理由は、特別警報クラスになると、ニュース速報などでいち早く発表されてしまうからです。

最近では、特別警報が発表されると、スマートフォンのエリアメールが送られてきたりしますね。

特別警報だけ頻繁に発表されているように感じるのは、こういった理由なのかもしれませんね。

ちなみに現在発表されている、注意報や警報は、こちらのページで確認できます。
気象警報・注意報

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まとめ

というわけで、今回は注意報や警報、特別警報の違いを見てきました。

私たちの財産や命に関係するので、しっかりと理解しておきたいですよね。

もう一度それぞれの違いをおさらいしておきますね。

  • 注意報
  • 災害が起きる可能性がある気象現象が、予想される時に発表される。最も種類が多い。

  • 警報
  • 大きな災害が起きる可能性がある気象現象が、予想される時に発表される。災害の規模が大きいことが予想されるため、要注意。

  • 特別警報
  • 数十年に一度起きるかどうかの規模の気象現象が、予想される時に発表される。甚大な災害が起きる可能性が高いので、十分注意が必要。


特に特別警報は、滅多に発表されない分、非常に大きな災害につながる可能性が高いものです。

発表された時は、十分注意してくださいね。

皆さんもそれぞれの違いを理解して、自分がいる地域にこれらの発表があった時には、無理せず安全を確保してください!