私はインド料理を食べるのも作るのも好きです。キッチンの戸棚には、常に様々なスパイスが常備されています。
そのせいで、戸棚の中は常にカレーの匂いで満ちています。妻からは「他の食材にカレーの匂いが付く」と良く文句を言われています^^;
そんなある日、たくさんのスパイスを見た妻からこう言われました。
私「それぞれ、使い道が違うから、1種類だけじゃダメなのよ。」
妻「じゃあ、どんなふうに違うのか教えてよ」
私「まぁちょっと…味と香りが違うのよ、多分…」
いつも使っているものほど、その正体や由来を知らないことって、よくありますよね?
胡椒の場合、最もよく使うのは、黒胡椒ですが、他にも白胡椒に青胡椒、赤胡椒など、様々な色の物があるんです。
いったいこれらは何が違うのでしょうか?
いつも使ってるくせに知らなかった私は、改めて調べてみました。すると面白いことが色々と分かりましたよ!
というわけで、今回は黒胡椒や白胡椒などの胡椒の色による違いについてお伝えします。
目次
それぞれの胡椒の違い
胡椒と一言で言っても、色の違いによって、4種類に分けられます。
それが次の4つです。
- 黒胡椒
- 白胡椒
- 青胡椒
- 赤胡椒
「同じ胡椒でも品種が違ったりするんでしょ」って思うかもしれませんが、実は4つとも全く同じ品種なんです。
じゃあ、いったい何が違うっていうんでしょうか?
順番に説明しますね。
黒胡椒
最も有名で、よく使うのが黒胡椒ですね。
黒胡椒は、胡椒の実です。胡椒の実を、未熟な緑色のうちに収穫して、それを長時間乾燥させたものが黒胡椒なのです。
最初は鮮やかな緑色の実が、じっくりと乾燥させるうちに黒くシワシワになるのです。
元々が未熟な状態なので、土に撒いても芽は出ません。(そんなこと試すのは私くらいですね…)
英語では『ブラックペッパー(Black pepper)』という名前です。
白胡椒
白胡椒は、黒胡椒と違い、しっかりと完熟させた実を使います。
まず胡椒の実を真っ赤になるまで完熟させ、それを収穫した後に、一旦乾燥させます。
それから水に漬けて、外側の赤い皮を腐らせて、取りやすくして除去し、再び乾燥させたものが白胡椒です。
英語では『ホワイトペッパー(White pepper)』という名前です。
青胡椒
青胡椒なんて名前ですが、色は緑色です。
青胡椒は胡椒の実を未熟な緑色のうちに収穫し、塩漬けや酢漬けにしたり、色が黒くなる前に、短期間で一気に乾燥させたものです。
黒胡椒はじっくり長時間乾燥させるのに対して、青胡椒は乾燥させなかったり、乾燥期間が短いことが違いです。
英語では『グリーンペッパー(Green pepper)』という名前です。
赤胡椒
赤胡椒は胡椒の実を完熟させて、乾燥させたものです。
白胡椒と違い、皮を付けたままなので、当然鮮やかな赤色の粒です。
英語では『ピンクペッパー(Pink pepper)』という名前です。
レッドペッパーは赤唐辛子のことなんで、ピンクなのもしょうがないですね…。
というわけで、胡椒の色の違いを見てきました。
それでは、それぞれの胡椒にはどのような特徴があるのでしょうか?
次はその特徴と向いている料理をお伝えします。
それぞれ特徴と向いている料理
それぞれの胡椒はどのような違いがあるのでしょうか?
実は、とても大きな違いがあるんですよ!大きな違いがあるからこそ、私も色んな胡椒を揃えているわけです。
というわけで、順番に見ていきましょう。
黒胡椒
黒胡椒の特徴は、強い辛さと香りです。
また、皮ごと挽いて使うため、辛さ以外の香りが強いのも特徴です。
胡椒の辛味の成分はピペリンという物質です。唐辛子に含まれるカプサイシンとは、別の辛味成分で健胃作用や整腸作用があります。
また防腐・防虫作用が強く、食品の保存性を上げる効果もあるため、中世ヨーロッパでは食品保存に欠かせない香辛料として珍重されていました。
インドでは唐辛子のカプサイシンは体を冷ますものとされ、胡椒のピペリンは体を温めるものとされています。
例えば北インドなどの寒い地方で飲まれるチャイには、黒胡椒がたくさん使われています。
体を温めたい時に唐辛子の効いた料理を食べる人も多いかもしれませんが、実は体を温めたい時は、胡椒を効かせた料理を食べる方が良いんですね。
黒胡椒はあまりに色んな料理に使うため、相性の良い料理を上げたらきりがありませんね。
でも、その中でも特に相性が良いのが、肉を使った料理全般です。
白胡椒
白胡椒は完熟させた上に、皮も取り去ってしまっているため、余計な香りがしません。
純粋に胡椒の辛さを効かせたい時に使うスパイスです。
また、色が白いので、クリームシチューなど、綺麗な白色のままにしておきたい料理にも最適です。
青胡椒
青胡椒の特徴は爽やかな香りです。
辛味も強いので、肉料理のほかに魚料理にも合います。
挽いて使う以外にも、塩漬けにしたものや酢漬けのものをそのまま使う場合もあります。
赤胡椒
赤胡椒はカリカリッとした食感が特徴です。
やはり、肉料理によく合います。
しかし、挽いて使うよりは、その鮮やかな赤色を活かして、そのまま料理の上に飾りつけとして乗せる使い方が多いようです。
まとめ
というわけで、今回は胡椒の色による違いについて、お伝えしました。
どれも全く同じ品種の胡椒なのですが、収穫時期や加工の仕方が違うわけです。
もう一度簡単におさらいしておきますね。
- 黒胡椒
- 白胡椒
- 青胡椒
- 赤胡椒
胡椒の実を緑色の未熟なうちに収穫し、長時間かけて乾燥させたもの。強い辛味と香りが特徴。肉料理と相性が良い。
完熟した胡椒の実の皮を取り除いて乾燥させたもの。余計な雑味が無く辛味だけがあるのが特徴。色を綺麗に仕上げたい料理に向いている。
未熟な胡椒の実を塩や酢に漬けたり、短時間で一気に乾燥させたもの。爽やかな香りと強い辛味が特徴。肉料理の他に、魚料理にも合う。
完熟した胡椒の実を乾燥させたもの、鮮やかな赤色を活かして肉料理の飾りつけに使われる。
同じ胡椒でも、このような違いがあるのです。
やはり歴史的に人気のスパイスだけあって、奥が深いものがありますよね!
これだけ違いがあれば、色んな種類の胡椒を常備してても文句無いはずです。
皆さんも黒胡椒ばかりでなく、たまには違う胡椒も使ってみてはいかがでしょう?