机上の空論の意味!絵に描いた餅との違いを例文を使って解説!

日本語には様々な慣用句がありますよね。そのような慣用句を自在に使いこなして、コミュニケーションできるとちょっとカッコいいですよね。

でも、中には似たような意味の慣用句や間違って使ってしまいそうなものもありますよね。その中の一つに「机上の空論」と「絵に描いた餅」があります。

この2つの意味って何が違うんでしょうか?

また「机上の空論」には似たような言葉として「卓上の空論」なんて言葉もあります。これってどっちが正しいんでしょうか?

私はこれらの慣用句を長年同じような意味で使い続けてきて、正しい意味がよく分からなくなってしまいました。

そこで、それぞれの意味の違いをちゃんと調べてみたところ、意外なことが分かりました。

というわけで、今回は「机上の空論」と「絵に描いた餅」の意味、そして、「卓上の空論」との違いをお伝えします。

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目次

机上の空論の意味

早速、机上の空論の意味から見ていきましょう。

大辞泉で意味を調べてみると、次のように書いてありました。

【机上の空論】
頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え。


※参考サイト
⇒ 机上の空論

まぁ、言葉の通りの意味ですね。恐らく、皆さんも予想通りで、間違って認識なさってた方は少ないと思います。

言葉だけで、実際に実現するのか疑わしい考えを揶揄する時によく使う慣用句ですよね。

例文としてはこんな感じですね。

  • 高さ18mの防波堤を作れば津波を防げるなんて、机上の空論だ!
  • 会社が年3%成長すれば、借金が返せるなんて机上の空論を言う社長は信頼できない。
  • 私は突然、今まで信じてきたこの理論が、机上の空論であることに気付いた。


意味のポイントは対象が理論や考え方のような実態が無いものが対象ということです。

では、「絵に描いた餅」との意味の違いはどうなのでしょうか?

今度は、絵に描いた餅の意味を見てみましょう。

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絵に描いた餅との違いは?

「絵に描いた餅」も似たような意味に思いがちな慣用句ですよね。

そこで「絵に描いた餅」も同じように大辞泉で調べてみました。

【絵に描いた餅】
何の役にも立たないもの。また、実物・本物でなければ何の値打ちもないこと。画餅(がべい)。


※参考サイト
絵に描いた餅

あれ…いったい何が違うのでしょうか?両方とも役に立たないという意味ですよね?

色々と違いを調べても、どうにも釈然としません。

「絵に描いた餅」の例文もこんな感じになります。

  • いかにも乗り心地が良さそうな車だが、動かないのでは絵に描いた餅だ
  • イチゴがあれば、美味しいショートケーキが作れるなんて、この季節では絵に描いた餅だ


しかし、それぞれの意味を比べていると、あることに気付きました。

それは「絵に描いた餅」の意味のポイントは、形のある物だとということです。

何の役にも立たないのが、理論や考え方なのか、物なのかが大きな違いなのではないでしょうか?

と思ったら、大辞泉の第三版にはこのように書いてあります。

【絵に描いた餅(大辞泉 第三版)】
役に立たないたとえ。計画などが実現する可能性のないこと。画餅(がべい)

“計画”って形の無いものですね…。

このことから、「絵に描いた餅」の方は、形があっても無くても関係無く、とにかく実現の可能性が無かったり、役に立たないことを意味する言葉のようです。

言い換えるなら「机上の空論」の方が範囲が狭いということだとです。

例えば、先ほどの例文の”机上の空論”の部分を”絵に描いた餅”に直しても、そんなに違和感は無いですよね…。

  • 高さ18mの防波堤を作れば津波を防げるなんて、絵に描いた餅だ!
  • 会社が年3%成長すれば、借金が返せるなんて、絵に描いた餅のようなことを言う社長は信頼できない。
  • 私は突然、今まで信じてきたこの理論が、絵に描いた餅であることに気付いた。


しかし「机上の空論」をこんな風に使うと、ちょっと違和感がありませんか?

  • いかにも乗り心地が良さそうな車だが、動かないのでは机上の空論だ
  • イチゴがあれば、美味しいショートケーキが作れるなんて、この季節では机上の空論だ


両方とも考え方を差しているとも取れますが、やっぱり私は変に感じます。

これらの事から、私は「机上の空論」は実体のあるものには使わず、「絵に描いた餅」の方はどちらにも使えると考えました。

皆さんはどう思いますか?

そもそも「机上の空論」と「絵に描いた餅」は同義語として扱われるくらいなので、違いといっても微妙なものかもしれません。

では、「卓上の空論」の方はどうなのでしょうか?「机上の空論」の代わりに。こちらを使う人も多いですよね?

そこで、次は「卓上の空論」について見ていきましょう。

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卓上の空論の意味は?

「机上の空論」と同じような意味で使われることがある「卓上の空論」ですが、こちらの意味はどんなものなんでしょうか?

調べてみると、なんと「卓上の空論」という慣用句は存在しないことが分かりました。

つまり、卓上の空論なんて言葉を使うのは、間違いってことなんです。

というのも、理論を考えたり、考え方を議論するのは机(desk)の上で行う事です。それに対し、卓(table)の上でするのは、食事なんですね。

そのため、「卓上の空論」というのは、言葉として成り立たないというわけです。

でも、ふと思ったのですが、テーブルの上でも議論する事ってありますよね?例えば夫婦喧嘩とか…。

そういうわけで「卓上の空論」は”夫婦間で行う、不毛な議論“という意味にしたらピッタリなんじゃないでしょうか^^;

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まとめ

というわけで、今回は「机上の空論」「絵に描いた餅」「卓上の空論」の意味の違いを見てきました。

それぞれの意味をもう一度おさらいしておきますね。

  • 机上の空論
  • 役に立たない考えや理論。(形の無いものが対象)

  • 絵に描いた餅
  • 役に立たない物や実現の可能性の無い計画。(実体のあるなしに関わらない)

  • 卓上の空論
  • (このような慣用句は存在しない)


「机上の空論」と「絵に描いた餅」の違いは、あくまでも私の推論ですので、ご注意ください。

「それは違うでしょ?」と思った方、是非コメントお待ちしてます!

ちなみに「卓上の空論」にピッタリな新しい意味の方もお待ちしています^^