日本語は世界の中でも難しい言語のうちの一つです。日本人である我々自身も、まずかしいなと感じる事がよくありますよね。
知らないうちに間違って、使っちゃってる言葉もたくさんあります。
そんな、使い方を間違っていることばのうちの一つに、”すべからく“という言葉があります。皆さんはこのすべからくという言葉はどんな意味として使ってますか?
実は日本人の4割近くが”すべからく”の意味を勘違いして誤用してるんだそうです。
実は恥ずかしながら私も間違って理解していました。
もしかすると、あなたも知らない間に恥ずかしいことをしてるかもしれませんよ!
というわけで、今回は”すべからく”の意味と使い方をお伝えします。
目次
すべからくの意味
早速、”すべからく”の正しい意味から見ていきましょう。
すべからくは漢字では、”須く“と書きます。
意味はこうです。
当然、是非ともの意味。
動詞「す」に推量の助動詞「べし」の付いた「すべし」のク語法から。漢文訓読による語。多くは下に「べし」を伴って、ある事をぜひともしなければならないという気持ちを表す。
※goo辞書の須く(すべからく)の意味から
元々が”すべし”から来ているので「是非、○○をやるべきだ」という意味になるわけなんですね。
でも、実際には「全て、皆」という意味で使っていたという人も多いのではないでしょうか?
「村人はすべからく祭りに参加した」なんて使い方はおかしいんです。
いったいなんで間違った意味がこんなに広がっちゃったのでしょうか?
今度はその理由を考えてみました。
なんで間違っちゃうの?
文化庁が平成22年に「国語に関する世論調査」の結果を発表しました。
これによると、すべからくの意味を尋ねたところ次のような結果になったそうです。
- 「全て、皆」という意味:38.5%
- 「当然、是非とも」という意味:41.2%(これが正解)
- この両方:5.2%
- どちらの意味でもない:3.1%
- 分からない11.9%
なんと、正解に匹敵するくらい「全て、皆」と回答している人が多いんです。
いったいなんでこんなにも間違った意味が広がってしまったのでしょうか?
私が勘違いしていた理由をもとに考えると、次の2つなんじゃないかと思います。
- “すべて”と音が似ている
- 文章の意味がどちらの意味でも自然だから
“すべからく”の”すべ”と”全て”の”すべ”が一緒なので、”全て”という言葉と関係があると思ってしまう。
「優勝を目指なら、すべからく練習すべきだ。」と言った場合、「優勝を目指なら、”皆”練習すべきだ」と言い換えても意味が通ってしまう。
日本語は国語の授業でも習うものですが、誰かと会話しながら覚える言葉の方が圧倒的に多いものですよね。
すべからくの場合、普通に会話していると意味を誤解する要素が多過ぎるわけです。
これが誤用が広がった原因なのではないでしょうか?
というわけで、ここまでで”すべからく”の正しい意味が分かったと思います。
そこで、次は更に正しい使い方の例文を紹介します。
正しい例文
すべからくの正しい使い方は、基本的に”~すべき“と組み合わせることです。
いくつか例文を紹介しますね。
- 「頑張った社員には、すべからくボーナスを支払うべきだ。」
- 「重病患者は、すべからく高度な医療を受けるべきだ。」
- 「日本国民は、すべからく納税の義務を果たすべきだ。」
“すべからく”には、強く勧めるというニュアンスがあります。
そのため「日本国民には、すべからく幸福を追求する権利がある」と言うと、強く勧めるというニュアンスが弱くなってしまいます。間違ってるわけではないのですが、誤解を生む微妙な使い方になってしまうわけです。
“すべからく”は、何かを推奨する時に使うと良い言葉と思っておくと良いかもしれませんね。
まとめ
“すべからく”という言葉を正しく理解している人と、間違って理解している人が、半々というのは驚きでしたね!
最後にもう一度正しい意味をおさらいしておきますね。
当然、是非ともの意味。
「すべからく○○すべきだ」といった感じで、強く勧めるニュアンスで使うと間違えにくい
正しい意味にまだ慣れない私は、どうしても”全て”とか”みんな”という意味に聞こえてしまうのですが、強く勧めるというニュアンスを込めると、ちゃんと理解できるようになります。
これを頭の隅に入れておくと、上手く使いこなせると思います。
日本人なら、すべからく正しい日本語を使うべきですね!
今後は私も注意したいと思います。