満腹が眠気を誘う原因!理由は血流量ではなくオレキシンだった!

美味しい食べ物をお腹一杯食べるって幸せですよね。でも、満腹になると決まってやってくるのが眠気です。

ゆっくりと時間がある時なら、そのまま寝てしまっても良いかもしれませんが、仕事中だととても厄介です。

皆さんも午後イチの会議で居眠りしてしまったなんて、経験があるかもしれません。(私はしょっちゅうでした!)

でも、人間はなんで満腹になると眠くなってしまうのでしょうか?

よく言われるのは、消化吸収のために胃腸に血流が集中するからなんて言いますよね。

でも、実はそうじゃなかったんです。本当の原因は他にあるんですよ

では、その本当の原因とはいったいなんなのでしょうか?

というわけで、満腹が眠気を誘う本当の原因を見ていきましょう。

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目次

よく言われる理由

満腹になって眠気を感じた事がある人は多いと思いますが、その本当の原因を理解している人は少ないようです。

お腹がいっぱいの時に眠くなる理由で、よく言われるのは、次の2つですね。

  • 脳内の血流量の低下
  • 血糖値の低下


でも、これらはどちらも微妙に違うんですよ!

どうして違うのか、順番に説明しますね。

脳内の血流量の低下

まず、もっとも言われるのが、脳の中の血流量が減って酸欠状態になるからというものです。

満腹になると消化吸収のために、胃腸を活発に動かすために、胃腸の周りの血管が拡張して血流量が増えます。

一方でそれ以外の部分では、相対的に血流量が減るため、大量の酸素とエネルギーを必要とする脳は、機能が低下して眠くなってしまうというのです。

実はこれ、間違ってるわけではないのですが、満腹時にそこまでの状態になることはほとんど無いんです。

脳は体の中でも最も重要な部分なので、常に最優先で酸素やエネルギーを供給しています。そのため、ちょっとくらいでは酸欠になるようなことはないのです。

例えば入浴中のような全身の血管が拡張するくらいの時でなければ、眠くなるほどの酸欠状態にはなりにくいのです。

ちなみに脳の機能が低下するほど、血流量が下がった場合、それは眠気というよりも失神直前の状態なので、大変危険です。

入浴中に眠くなってきたら、無理せず風呂から出た方が良いですよ…。

血糖値の低下

もう一つよく言われるのが、食後に血糖値が低下してしまい、脳に必要なエネルギーが不足して眠くなるというものです。

こちらは実際に起きる可能性があることですが、あくまでも食後しばらくしてから起きることなんです。

食後は血糖値が急激に上がっていきます。人間の体は血糖値が一定以上になると、主に膵臓で作られるインスリンというホルモンが分泌され、血液中の糖分を脂肪に変えて細胞内に取り込みます。

このインスリンの作用によって、一時的に血糖値が急激に下がるため、脳の機能低下が起きるわけです。インスリンは食後しばらくしてから効果が出始めるため、食べてすぐにやってくるタイプの眠気の原因ではないのです。

また、あまりに血糖値が高くなり過ぎると、腎臓が血液中の糖分を尿から排泄してしまいます。これを急性糖尿病とかペットボトル症候群などと呼びます。

いずれにせよ血糖値低下による眠気は、満腹時のような食べてからすぐに起きることではないのです!

では、満腹時の眠気の本当の原因は、なんなのでしょうか?

今度はそれを見ていきましょう。

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満腹で眠くなる理由

満腹になった時に眠くなる本当の理由は、実は脳の自然な働きによるものなのです。

具体的には、次の2つです。

  • オレキシンの分泌量の低下
  • 副交感神経の優位化


言葉だけだと何のことか分からないですね。

順番に説明していきます。

オレキシンの分泌量の低下

満腹時の眠気には、実はオレキシンという脳内ホルモンが密接にかかわっています。

オレキシンとは、人間の食欲を刺激して、食べ物を得るための行動を促す働きがあるホルモンなのです。

食べ物を得るために積極的に行動させる必要があるため、強い覚醒作用も併せ持っています。

お腹が空いている時は、オレキシンが分泌されているため、眠気も感じません。

しかし、食事をすることで食欲が満たされると、これ以上の食べ物は必要ないので、オレキシンが分泌されなくなってしまいます。その結果、覚醒作用も失われてしまうのです。

皆さんは夜にお腹が空いているせいで、眠くならないなんて経験はないでしょうか?これはオレキシンの働きが原因かもしれませんよ。

副交感神経の優位化

食べ物を食べた後は、体は胃腸の活動を活発化して、消化吸収を行います。

胃腸の働きを支配しているのは、自律神経のうちの副交感神経です。そのため、食事をすると副交感神経が優位になり、胃腸の働きが活発になります。

そして、消化吸収に体のエネルギーを集中させるために、メラトニンという脳内ホルモンを分泌させます

このメラトニンは眠気を誘発して、体を休息させる働きがあります。そのため、脳の機能が低下して眠気を感じるようになるのです。

このように、食事をすると脳の中では、オレキシンの分泌が止まって、覚醒作用が無くなります。更にメラトニンが分泌されて、体は完全に休憩モードに突入してしまい、眠くなってしまうのです。

食事をすると眠くなってしまうのは、体の正常な働きなわけです。だから、起きていようとすること自体が所詮無理なことなのです。

でも、人間には寝ちゃいけない時があります。どうしてもパッチリ目覚めていなければいけない時だってあります。

そこで、次は満腹時に襲ってくる眠気の対策をお伝えします。

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満腹時の眠気対策

満腹の時は、眠くなってしまうのはしょうがないことです。

健康な人なら当然の事なので、むしろ食後は眠くなる前提でしっかりと対処しましょう。

というわけで、対策を順番に説明していきます。

昼寝

まず、一番良いのは、昼寝してしまうことです。

食べた後は、やがて眠くなります。眠くなってきたら、そのまま昼寝してしまうだけです。

大切なポイントは昼寝の時間を10分~20分にすることです。

それ以下では十分に眠気が取ません。また、それ以上長いと、深い眠りになってしまい、目覚めた後に頭がボーっとして、集中できません。

そこで、おすすめなのが、昼寝の直前にコーヒーなどでカフェインを取ることです。

カフェインが効果を発揮するのは、コーヒーを飲んでからしばらく経ってからです。そのため、寝てからちょうど良い頃にカフェインが効いてきてすっきり目覚めることができます。

空気椅子

眠気覚ましには、昼寝が一番なのですが、実際には食後に都合よく眠くならないことだってあります。

眠くなってきた頃には休み時間が終わってしまうなんてこともよくあることです。

もし、仕事中に眠くなってしまった場合は、空気椅子がおすすめです!

具体的には、次のようにします。

  1. 椅子に座ってる状態から、1cmだけお尻を浮かす。
  2. その際、太ももにギュッと力が入るようにする
  3. この状態を10秒間続ける
  4. 以上を3回繰り返す


空気椅子で眠気が覚める理由は2つです。

1つ目は太ももの筋肉に力が入ることで、交感神経を活発化するためです。交感神経は副交感神経とは逆に、体の活動を活発化させて、集中力を増して覚醒状態にしてくれます。

2つ目はの理由は、血圧が上がるためです。太ももの筋肉に力が入ることで、血管が収縮して血圧が上がります。その結果、脳の血流量が上がり、機能が活発化します。その結果、眠気が覚めるのです。

とは言え、この方法は一時的なものなので、休憩時間になったらしっかりと昼寝をするのをおすすめします。

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まとめ

食べた後に眠くなってしまうのは、脳の血流量が減るからではなかったんですね~。

もう一度、理由をおさらいしておきますね。

  • オレキシンの分泌量の低下
  • 脳の覚醒作用があるオレキシンが、食事をすると分泌されなくなるため。

  • 副交感神経の優位化
  • 食事をすると脳を休眠状態にする働きのあるメラトニンが分泌されるため。


このように満腹になると眠気を感じる原因は、脳の自然な働きなのです。

本来、体にとっては食べたら休むというのが自然なことなのです。

食後は余裕を持って、昼寝をする習慣を身に付けるのも良いかもしれませんね!