昔からあるポピュラーな焼き菓子と言えばクッキーがあります。小麦粉をとバターを練り上げた生地を焼き上げたサクッとした食感のお菓子は、小腹が空いたときについ手が伸びてしまいます。
しかし、同じようなお菓子にビスケットやサブレというものがありますが、クッキーと何が違うのでしょうか?食べてみてもどちらも同じように感じます。商品名とか商標名とかの違いなんでしょうか?
実はこれらにはちゃんとした違いがあります!同じように見えてちゃんとした基準があるのです。
しかも、この違いを知らないで食べてると、太っちゃうかもしれません!
いったい何が違うというのでしょうか?
ここではクッキーとビスケットとサブレの違いを解説しちゃいます!
目次
クッキーとビスケットとサブレ
クッキーとビスケットとサブレは食べてみても、似たような食感と風味ですよね?
実はそれぞれの歴史を見てみると、その違いが分かってみます。
ますはそれぞれの歴史や製法を見ていきましょう。
クッキーとは?
クッキーとは主にアメリカで食べられているお菓子です。生地の材料に小麦粉と砂糖、バターを使い、それを良く練って粘りを出すことで、焼き上がった時にサクッとした食感になるのが特徴です。
生地を練り上げるのにとっても力がいるので、生地作りはかなりの重労働です。
元々はアメリカに移民したヨーロッパ人達がそれぞれの国で作っていた小麦粉の焼き菓子が合わさったものです。その際にオランダ語の「クォケ」という”小さい焼き菓子”という意味の言葉が元になってクッキーという呼び名になったと言われています。
このクッキーがそれぞれの家庭の味として、アメリカで定着しました。そのため、ヨーロッパにはクッキーというお菓子は無いのです。
ビスケットとは?
ビスケットは小麦粉に砂糖とバター、牛乳を入れて良く練り、粘りを出した生地を焼き上げるお菓子です。やはり、焼き上がった時にサクッとした食感になるのが特徴です。ていうか、ほとんどクッキーと同じような気がしません?そうです実はほとんど同じお菓子なのです。
ビスケットは、元々イギリスのお菓子なのですが、小麦粉と砂糖とバターを練って焼いたお菓子をイギリスでは全てビスケットと呼びます。
このビスケットは元々はフランスのビスキュイという食べ物から来ています。ビスキュイとは”2度焼く“という意味です。元々のビスキュイはパンの保存性を上げるために、更にもう一度焼いて、水分を飛ばして固くした食べ物です。
それが現代のヨーロッパでは、小麦粉、バター、砂糖をを練り上げたお菓子として、イギリスではビスケット、フランスではビスキュイという呼び名のお菓子になったのです。
また、アメリカでビスケットと言った場合は、どちらかというとスコーンやパンに近い焼き菓子を指します。ケンタッキー・フライド・チキンでパンのようなサクサクした「ビスケット」という商品が販売されていますよね?まさにあれがアメリカではビスケットなんです。
余談ですが、私は子供の頃にKFCの「ビスケット」を初めて食べた時の違和感を忘れることができません。甘くてサックりした食べ物を想像してたのに、ただのパンじゃんって思ってしまいました…。
というわけで、クッキーも実は元々ヨーロッパ各地の小麦粉を練って焼いたお菓子が元になっているだけです。それをアメリカではクッキー、それ以外の英語圏の地域ではビスケットと呼んでいるだけの違いなのです!
サブレとは?
サブレは実はフランスだけに存在するお菓子です。
サブレはビスキュイに比べてバターを多く入れて焼いているため、よりサックサクの食感なのが特徴です。
サブレという呼び名はフランスだけなので、世界的にはビスケットという呼び名が広く一般的なのです。
というわけで、ここまでは世界におけるそれぞれの違いを見てきました。
では、日本のおける違いってなんなのでしょうか?調べてみるとこれまた独特の違いがありました。
今度は日本における違いを見ていきましょう。
日本の場合
クッキーとビスケットの由来を調べてみると、どっちも同じだったことが分かります。しかし、なぜか日本においては、クッキーとビスケットは違う物と定義されています。
日本ではどんな違いがあるのでしょうか?
クッキーとビスケットとサブレの違い
日本では全国ビスケット協会が、1971年にクッキーは原材料のうち砂糖と脂肪分の割合が全体の40%以上のものと定義しました。そして、ビスケットは砂糖とバターの割合が40%以下のものとしました。それ以来、商品名はこれを基準に決めなければいけなくなりました。
そういえば、ビスケットの方がクッキーよりも軽い感じがしますね!
ちなみにサブレに関しては、日本では明確な基準はありません。
なぜ違うものとされているのか?
じゃあ、なぜ日本だけクッキーとビスケットの定義が違うのでしょうか?
日本では、ビスケットよりもクッキーの方が高級なお菓子というイメージがあったため、バターや砂糖を節約して安く作ったものをクッキーという商品名で売るのは、誤解を与えるという理由から、こうして区別することにしたのです。元々、同じものなのに、日本ではクッキーの方が高級なイメージがあったんですね~。
このように日本でのクッキーとビスケットの違いを踏まえると、実はクッキーよりもビスケットの方が砂糖と脂肪分が少ないことが分かります。
つまり、ビスケットの方が低カロリーなお菓子ということになんです。これは覚えていた方が良いですね!スーパーで市販のクッキーやビスケットを買う際には要注意ですね!
まとめ
今回はクッキーとビスケットとサブレの違いについてお伝えしました。
そんなそれぞれの違いを最後に簡単にまとめておきます!
【クッキーとビスケットとサブレの違い】
- クッキー
- ビスケット
- サブレ
アメリカの移民たちがそれぞれの国のビスケットを元に独自のお菓子にした食べ物。語源はオランダ語の「クォケ」。日本では砂糖と脂肪分の割合が全体の40%以上のものをクッキーと呼ぶ。
パンを二度焼きして固く仕上げたビスキュイが元のお菓子。ヨーロッパではビスケットが一般的で、クッキーというお菓子は存在しない。日本では砂糖と脂肪分の割合が全体の40%以下のものをビスケットと呼ぶ。
ビスキュイよりもバターが多くサクサクした食感が特徴のフランスの焼き菓子。日本では特に定義は無い。
こうして世界の歴史を見てみると、実はどれもビスケットだったわけですね~。
元々は同じものなのに、日本では違う物になってしまうことって結構多いですよね。更に日本ではクッキーよりもビスケットの方が、カロリーが低いのです。
知らないでクッキーばかり食べていると、知らない間にカロリーを取り過ぎてしまう事にもなりかねないため、これは絶対に知っておいた方が良い違いです!
皆さんもこの違いを踏まえて、クッキーとビスケットを選ぶようにしてくださいね。