距離や重さなど、様々な尺度で出てくるのが、キロという単位ですよね。
実は私、最近までずっとK(大文字)を使っていました。このブログでも、今まで全部大文字を使っちゃってました。
でも、メガやギガは”M”や”G”と大文字で表すのに、キロだけなぜk(小文字)なんでしょうか?
さらにはコンピューターのメモリや、ディスク容量を表す場合のキロは大文字なんです。
いったい、なぜ、こんなややこしいことになってるのでしょうか?
今回はキロのkの使い分けのルールを説明します!
目次
キロは国際単位系の接頭辞
まず、キロってそもそも何なのでしょうか?
世界には長さや重さを表すための共通の単位が存在します。
それが国際単位系(略称はSI)と呼ばれるものです。
長さのメートル(m)、重さのキログラム(kg)、時間の秒(s)を基本とした単位系です。
しかし、このままだと地球一周の長さは40,000,000mというように、極端に多い数字や、少ない数字を表す時に、0をたくさん書く必要があります。
そこで、10の累乗を表す接頭辞を付けて、0の表記を減らすようにしました。
k(キロ)はそのうちの一つの103表す接頭辞です。
しかし、10nのnが6以上の接頭辞はみんな大文字です。キロだけ小文字で、なんか中途半端ですよね?実は元々は103以上の接頭辞は大文字を使うというのがルールだったんです。
ところが、キロだけ大文字ではなく、小文字を使うようになりました。
いったいなぜなんでしょうか?
kだけ小文字の理由
実は”国際単位系の接頭辞”なんてものができる前から、キロだけは一般的に広く使われていました。その時からk(小文字)の方が、使われて定着していたのです。
また、K(大文字)の方は、熱力学の分野におけるケルビンという単位が割り当てられています。
そのため、接頭辞にKを使ってしまうと、全く違った意味になってしまうわけです。
そのようなことを避ける意味で、キロは小文字を使うようになっています。
日本でも2008年に省令で、接頭辞にK(大文字)を使うことが禁止され、道路標識などは一斉に交換されました。
ケルビンは熱力学温度(絶対温度)の単位で、K(大文字)で表します。
0Kがいわゆる絶対零度で、273.15Kが摂氏0℃になります。
そんなこんなで、今では長さや重さの単位で、キロを大文字表記するのは、禁止されています。
ところが今でも大文字が使われている分野があります。それがメモリやディスクの容量を表す、バイト(Byte)という単位の接頭辞です。
メモリやディスク容量の場合はK(大文字)
メモリやディスク容量を表す時には、1KByte、または1KBと大文字で表記します。
でも、これには特別な理由があります。
コンピューターの世界の数字は2進数で扱います。1KBというのは、実は1,000Bではなく、1,024B(210B)とピッタリ1,000じゃないんです。
同じように1MBも1,048,576B(220B)と半端な数字です。
このようにコンピューターの世界では、ピッタリ10の倍数にならないので、慣例としてK(大文字)が用いられています。
しかし、これもうすぐ禁止されるかもしれません。その理由は2進接頭辞が定められたからです。
本来の国際単位系の接頭辞は10の累乗を表すため、2の累乗を表すものではなく誤解や不都合を生むことがあります。
そこで、2006年に国際単位系に新たに2進接頭辞が設けられました。
これによって、今までの表記との対応は、このようになりました。
国際単位系接頭辞 | 2進接頭辞 | ||
---|---|---|---|
単位 | 数字 | 単位 | 数字 |
キロ(k) | 103 | キビ(Ki) | 210 |
メガ(M) | 106 | メビ(Mi) | 220 |
ギガ(G) | 109 | ギビ(Gi) | 230 |
テラ(T) | 1012 | テビ(Ti) | 240 |
ペタ(P) | 1015 | ペビ(Pi) | 250 |
エクサ(E) | 1018 | エビ(Ei) | 260 |
ゼタ(Z) | 1021 | ゼビ(Zi) | 270 |
ヨタ(Y) | 1024 | ヨビ(Yi) | 210 |
お店で「1テビバイトのハードディスクください!」って言ったら、店員さんにキョトンとされそうですね(^^;
そういうわけで、まだこの2進接頭辞は全然浸透していません…。
でも、そのうち使われることになるかもしれないので、頭の隅で覚えておくと良いかもしれませんね。
まとめ
今回はキロのkを、大文字と小文字のどちらで表記するかを見てきました。
一言でまとめるとこうです!
コンピューターの世界では2進接頭辞なんてものが出てきていますが、こっちはまだまだ浸透してません。
とりあえず今は、コンピューター関連以外は小文字でOKと覚えておきましょう!