ニュースでよく聞く言葉に”タカ派“とか”ハト派“なんて言葉があります。
昔は政治家に対して「アメリカの○○大統領はハト派だ」なんて使い方をしていました。でも、最近「次期の日銀総裁はタカ派だ」のように経済ニュースでこの言葉を聞くことがありました。
今まで私は、この言葉を聞いても、なんとも思いませんでした。でも、政治でも経済でも使われてるのを知って、そもそもこの言葉の意味を知らない自分に気付いたのです。
気になりだすと調べずにいられない私は早速、調べてみました。すると、意外にも凄く単純な意味でした…。
というわけで、今回はハト派とタカ派の意味を、政治の場合と経済の場合でそれぞれ解説していきます!
目次
タカ派とハト派の言葉の由来
元々、ハト派とタカ派という言葉は、政治家や政治団体の思想を一言で表す時の言葉です。
そこで、まずは政治における、それぞれの意味から紹介しますね。
ハト派
ハト派とは、外交や安全保障の政策において、平和的で穏健な政策や考え方を持つ、政治家や政治集団のことを指します。
ハト派の傾向としては、軍事力を用いて、他国をけん制したり、侵攻したりする解決法には、否定的な考え方を持っています。
このような平和的ともいえる政策や考え方のため、平和の象徴としてのイメージが強い鳩から名前を取って、”ハト派”と呼ぶようになりました。
ここには、有名な”ノアの箱舟”のお話が書かれていて、ノアは洪水の水が引いたかどうかを確認するために、鳩を放してその鳩が戻ってくるかどうかを確認します。
1度目に放した時は、すぐに戻ってきてしまい、2度目に話した時には、オリーブの枝をくわえて戻ってきました。
そして、3度目に話した時には、戻ってこなかったため、ノアは水が引いたことを知って、箱舟から外にでました。
大洪水という災害が終わり、平和が訪れたことを知らせてくれたこの鳩の話から、鳩=平和の象徴というイメージができたと言われています。
タカ派
一方のタカ派は、ハト派とは逆に外交や安全保障において、比較的、強硬的な政策や考え方を持つ、政治家や政治集団のことを指します。
タカ派の携行としては、戦争や軍事力によるけん制など、武力行使も厭わない、積極的な考え方を持っています。
そして、この”タカ派”という言葉の由来は、鳩と同じ鳥類の鷹(タカ)から来ています。
鳩とは逆に、鷹は獰猛で肉食なので、他国を攻撃することに積極的な考え方と照らし合わせて、この名前で呼ぶようになりました。
というわけで、政治の世界では”武力行使”に関する考え方の違いが、ハト派とタカ派の違いなわけです。
では、経済の世界では、それぞれはどのような意味になるのでしょうか?
今度は経済界でのハト派とタカ派の意味を見ていきましょう。
経済の場合の意味
経済の世界でのハト派とタカ派は、基本的には政治の場合と同様の意味です。
穏健な経済政策を取る人をハト派、強硬で積極的な経済政策を取る人をタカ派と呼びます。
でも、解釈によっては逆なんじゃないの?とも思ってしまうんですがね~。
というわけで、同じようにそれぞれを見ていきましょう。
ハト派
経済分野でのハト派は、次のような政策や考え方をする人を指します。
- 景気判断は慎重
- 金融緩和に積極的
景気判断は控えめで、比較的悪い方に捉えるので、金利を上げたりするのには消極的です。
景気判断が慎重なので、景気を刺激するための量的緩和には、積極的です。
個人的には、じゃんじゃん量的緩和をするのって、大胆というイメージです。
政治の世界でハト派と言うと、穏健というイメージなので、なんだかちょっと感覚が違いますね^^;
タカ派
一方のタカ派は、ハト派の逆の経済政策なので、当然こうなります。
- 景気判断は強気
- 金融緩和に消極的
景気判断は強気なので、比金利を上げるのにも比較的、積極的です。
景気判断は強気なので、金融引締めの方を好みます。
まぁ、当然の内容ですね。タカ派はハト派とは全く逆なわけです。
このように経済の場合は、景気の見方が慎重で、景気刺激策を重視する考え方を「穏健=ハト派」と考えるようです。
でも、金融緩和って、長期的に見たら、リスクだってあると思うんですよね…。
そうなると「リスクをかけて積極的に動く=タカ派」と言えなくもないような気もします。
まぁ、あくまでも私個人の感じ方ですけどね^^;
まとめ
というわけで、今回は政治と経済のそれぞれの場合の、ハト派とタカ派の意味を紹介しました。
最後に簡単にまとめておきますね!
- ハト派
- タカ派
外交や安全保守政策において武力行使に消極的な政治家や政治集団
外交や安全保守政策において武力行使をも辞さない政治家や政治集団
【経済の場合】
- ハト派
- タカ派
景気判断が慎重で、金融緩和に積極的な政策や考え方の人
景気判断が強気で、金融引締めを重視する政策や考え方の人
まとめるとこのように簡単に書けてしまうのですが、どこからがハト派で、どこからがタカ派という明確な基準は存在しません。
それに、実際はそんなに単純に分けられないですしね。
同じ人でも、状況や関わる人や国などが変われば、判断はガラリと変わるはずです。
その人の考え方の一つの目安と思っておくと良いかもしれませんね。