実は私は今年の夏に東京から宮城に引っ越してきました。
今まで車のタイヤを季節毎に履き替えるなんて、考えたことも無かったのですが、11月にもなると普通に雪が降るので、慌てて冬用のスタッドレスタイヤに履き替えました。
恥ずかしながら、実は冬タイヤを履くなんて経験は初めてです。夏タイヤとスタッドレスタイヤの見分け方すらよく知らない私でしたが、何とか雪が降る前にタイヤの交換を済ませました。しかし、これで雪が降っても一安心と胸を撫でおろしていたところ、ふと一つの疑問が湧いてきました。
それは「雪でも大丈夫なくらい滑りにくいんだったら、一年中履いてても良いんじゃないの?」というものです。
皆さんも冬タイヤを夏に履いてたらどうなるのか気になりませんか?
気になると調べずにいられない私は、タイヤについて徹底的に調べてみました。
というわけで、今回は夏タイヤと冬タイヤの違いや見分け方、そして、スタッドレスタイヤを一年中履いていてはダメな理由をお伝えします。
目次
夏タイヤと冬タイヤの違い
まず夏タイヤと冬タイヤの基本的な違いから見ていきましょう。
冬タイヤとは一般的にスタッドレスタイヤのことを指します。
昔の冬用のタイヤは、金属製の鋲が打ち込んだスパイクタイヤだったのですが、雪が無い道路をスパイクタイヤで走ると、アスファルトが削れてしまいます。春になるとその粉塵が舞い上がってしまい、呼吸器系の病気の原因になってしまいました。
そのため、徐々に使われなくなり、ついに1991年には法律によって、スパイクタイヤが使えなくなってしまったのです。
そんなスパイクタイヤに代わって普及したのが、スタッドレスタイヤだったのです。
一方の夏タイヤは何か特別なタイヤを指すわけではなく、冬用タイヤ以外のタイヤ全般をそう呼ぶのが一般的なようです。
そんな夏タイヤと冬タイヤの主な違いは次の3つです。
- 溝
- 硬さ
- 温度性能
それぞれ順番に見ていきましょう。
溝
夏タイヤと冬タイヤの一番の違いはサイプと呼ばれる溝の入り方です。
上の画像が夏タイヤで、下が冬タイヤです。
ご覧の通り冬タイヤの方が全体的に細かい溝が、たくさん入っているのが分かります。
夏タイヤと冬タイヤは、溝の入り方を見れば、違いは一目瞭然です。
また、もっと分かりやすいのは、冬タイヤの場合はタイヤの側面に「STUDLESS」と書いてあります。夏タイヤにはこの記載が無いので、これが一番分かりやすい見分け方と言えます。
硬さ
夏タイヤと冬タイヤには、外見からは分からない違いもあります。
その一つがタイヤの硬さです。
冬タイヤの場合は、地面(雪面)に密着して、滑りにくくする必要があるため、夏タイヤよりも柔らかくなっています。
一方、夏タイヤは冬タイヤよりも硬く、地面との摩擦抵抗が大きくなり過ぎないようになっています。
温度性能
夏タイヤと冬タイヤでは、最適な温度が違います。
ゴムは温度が低くなると、より硬くなる性質がありますが、冬タイヤは低温になっても硬くなりにくく、-20℃程度までなら大丈夫ですが、高温になると逆に柔らかくなり過ぎてしまいます。
一方の夏タイヤは低温だと硬くなり過ぎますが、夏の高温の時には、柔らかくなり過ぎず最適な硬さになります。
というわけで、以上が夏タイヤと冬タイヤの基本的な違いになります。
でもここまでだと、冬タイヤの方が滑りにくい分、夏タイヤの方が良さそうな気がしちゃいますよね…。でも、当然そんなことありません。そもそももしそうだとしたら、世の中全てスタッドレスタイヤばかりになっちゃいます。
そこで、次は一年中冬タイヤを履いちゃダメな理由を見ていきましょう。
一年中冬タイヤじゃダメな理由
一年中冬タイヤで良いとしたら、もはや夏タイヤなんて不要になってしまいます。
やはり、夏に冬タイヤではダメな理由があるのです。
その主な理由は次の3つです。
- 熱い道路に弱い
- 濡れた路面が苦手
- 燃費が悪くなる
路面環境は季節によって、劇的に変わるため、その季節に合ったタイヤを履くことが重要なのです。
順番に説明していきますね!
熱い道路に弱い
既に説明した通り、夏タイヤと冬タイヤは最適な温度が違います。
冬タイヤの場合、夏の熱い路面では、柔らかくなり過ぎてしまいます。
そのため、路面との摩擦力が強くなり過ぎて、速く摩耗してしまいます。
夏タイヤは高温時に最適な硬さになるように設計されているため、路面との摩擦力がちょうど良く、スムーズに走ることができます。
濡れた路面が苦手
タイヤが滑ってしまう理由は、路面とタイヤの間の水が原因です。
夏でも冬でも滑る原因が水なのは一緒ですが、実は夏タイヤと冬タイヤでは、この水への対策の考え方が根本的に違います。
夏タイヤは、まずタイヤの硬さで路面の水を押しのけます。そして、押しのけた水をタイヤの溝から排出することで、濡れていても、常に水を取り除いて、タイヤで直接、路面にグリップすることができるのです。
雨の場合は、路上に大量の水が存在するため、固いタイヤで力強く水を排除する必要があるのです。
一方の冬タイヤは、柔らかさを活かして、タイヤが路面(雪面)に密着する面積を増やします。そして、路上の水分をたくさんある溝で吸い上げることで、水を取り除いて、タイヤを路面にグリップさせるのです。
雪や氷の場合、表面に存在する水分はごく僅かなので、押しのけるのではなく、吸い上げる方が効果的なのです。
もし、雨の中を冬用タイヤで走ると、タイヤが柔らかいせいで、十分に水を押しのけることができないため、逆に滑りやすくなってしまうのです。
燃費が悪くなる
冬用タイヤは柔らかいため、タイヤが路面に密着する面積が広くなります。
そして、路面温度が上がればより柔らかくなって、更に密着面積が広くなります。
こうなると、路面との抵抗が増してしまい、スピードが出しにくくなり、燃費が悪くなってしまうのです。
燃費が悪くなるというのは、嫌ですよね。
やはり、面倒くさがらずに季節によってタイヤは履き替えるようにしましょうね。
まとめ
今回は、夏タイヤと冬タイヤの違いをお伝えしました。
タイヤの履き替えなんて面倒だから、一年中冬タイヤでいた方が良いんじゃないかというのは、おバカな考えでしたね…。お恥ずかしいです。
というわけで、それぞれの違いをもう一度、簡単にまとめておきます。
- 溝
- 硬さ
- 温度性能
冬タイヤには全体的に細かい溝が入っている
夏タイヤは硬く、冬タイヤは柔らかい
夏タイヤは路面が熱くても最適な硬さを保つ。冬タイヤは路面が冷たくても柔らかさを保つ。
このような違いがあるため、それぞれ最適な季節がちゃんとあります。
雨に対しては、冬タイヤは夏タイヤほどの性能は発揮しないうえ、燃費も悪くなるので適さないわけです。
そのため、ちゃんと季節によってタイヤの履き替えをするのが良いのです。
ちなみに夏タイヤと冬タイヤの見分け方は次のようなものです。
冬タイヤには細かい溝がある。
また、冬タイヤの場合は、タイヤの側面に「STUDLESS」という表記があれば冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)
夏タイヤと冬タイヤはこのように簡単に見分けが付きます。
私のように面倒くさがらずに、季節ごとに最適なタイヤを履くようにしてくださいね!