肉は普段のご飯のおかずには欠かせない、様々な料理で使われる食材です。しかも、肉の種類によっては、魚や野菜よりも安い場合もあり、非常にお財布にも優しい食材です。
私もボリュームが欲しい時はついつい肉料理を食べてしまいます。
でも、気になるのがカロリーや栄養ですよね。手軽だからといって好きなように食べていては、健康に良くないのは明らかです。
お肉は頻繁に食べる食材なので、栄養や特徴などを理解して食べたいものですよね!そこで、肉好きの私は色々と調べてみました!
というわけで、今回は私たちが良く食べる代表的なお肉である、牛肉、豚肉、鶏肉の違いをお伝えします。
目次
牛肉と豚肉と鶏肉の栄養素
では、早速、牛肉、豚肉、鶏肉の栄養素を見ていきましょう。
私たちは牛肉は脂肪分が豊富でカロリーが高く、鶏肉はたんぱくでカロリーが低いというイメージです。
しかし、比較してみると驚きの数字になりました!
※表のデータは「公益財団法人 日本食肉消費センター」のおデータを参考にしています。
では、まずは牛肉からです。
【牛肉100gあたりの栄養素】
部位 | 肩 | サーロイン | ヒレ | ばら | もも | そともも |
---|---|---|---|---|---|---|
カロリー(Kcal) | 246 | 351 | 208 | 459 | 260 | 229 |
タンパク質(g) | 20.2 | 17.0 | 20.4 | 12.1 | 19.0 | 20.0 |
脂肪(g) | 17.1 | 29.7 | 13.0 | 43.4 | 19.1 | 15.4 |
炭水化物(g) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
ナトリウム(mg) | 55.1 | 48.0 | 48.8 | 53.8 | 51.4 | 53.8 |
カリウム(mg) | 298 | 244 | 315 | 181 | 296 | 305 |
カルシウム(mg) | 4.6 | 4.0 | 4.2 | 4.1 | 3.9 | 4.1 |
マグネシウム(mg) | 20.2 | 16.5 | 22.2 | 11.4 | 19.6 | 21.2 |
リン(mg) | 161 | 130 | 166 | 94.8 | 150 | 169 |
鉄(mg) | 2.77 | 1.76 | 3.02 | 1.76 | 2.26 | 2.70 |
ビタミンA(レチノール)(μg) | 3 | 6 | 1 | 10 | 4 | 3 |
ビタミンB1(mg) | 0.10 | 0.07 | 0.11 | 0.06 | 0.08 | 0.10 |
ビタミンB2(mg) | 0.22 | 0.13 | 0.27 | 0.14 | 0.18 | 0.21 |
ビタミンB3(ナイアシン)(mg) | 4.64 | 4.99 | 4.69 | 2.66 | 4.30 | 5.24 |
コレステロール(mg) | 72 | 68 | 67 | 84 | 66 | 66 |
亜鉛(mg) | 5.08 | 3.42 | 4.32 | 3.53 | 4.80 | 3.93 |
銅(mg) | 0.08 | 0.05 | 0.10 | 0.05 | 0.06 | 0.07 |
マンガン(μg) | 9 | 6 | 11 | 3 | 6 | 9 |
ビタミンE(mg) | 0.55 | 0.63 | 0.43 | 1.25 | 0.60 | 0.50 |
カロリーだけならばら肉が一番多いですね。
その他の栄養には部位ごとの特別な違いは無いようです。
では、次は豚肉です。
【豚肉100gあたりの栄養素】
部位 | 肩 | 肩ロース | ロース | ヒレ | ばら | もも |
---|---|---|---|---|---|---|
カロリー(Kcal) | 265 | 281 | 320 | 122 | 405 | 243 |
タンパク質(g) | 16.8 | 16.3 | 16.9 | 21.8 | 13.6 | 19.1 |
脂肪(g) | 20.6 | 22.5 | 26.3 | 3.2 | 36.9 | 17.1 |
炭水化物(g) | 0.2 | 0 | 0.1 | 0 | 0 | 0.1 |
ナトリウム(mg) | 50.9 | 49.5 | 43.7 | 49.7 | 52.1 | 50.7 |
カリウム(mg) | 288 | 295 | 300 | 399 | 237 | 323 |
カルシウム(mg) | 5.1 | 4.5 | 4.0 | 4.9 | 3.8 | 4.2 |
マグネシウム(mg) | 19.1 | 17.1 | 18.0 | 26.2 | 13.9 | 23.3 |
リン(mg) | 156 | 172 | 168 | 216 | 122 | 178 |
鉄(mg) | 0.92 | 0.86 | 0.59 | 1.03 | 0.66 | 0.72 |
ビタミンA(レチノール)(μg) | 13 | 14 | 12 | 1 | 20 | 8 |
ビタミンB1(mg) | 0.84 | 0.76 | 0.73 | 1.32 | 0.68 | 0.94 |
ビタミンB2(mg) | 0.22 | 0.20 | 0.13 | 0.22 | 0.12 | 0.17 |
ビタミンB3(ナイアシン)(mg) | 5.10 | 3.61 | 7.49 | 6.99 | 3.90 | 6.06 |
コレステロール(mg) | 70 | 75 | 59 | 57 | 67 | 59 |
亜鉛(mg) | 2.62 | 1.96 | 1.31 | 1.69 | 1.70 | 2.25 |
銅(mg) | 0.10 | 0.07 | 0.05 | 0.09 | 0.04 | 0.09 |
セレン(μg) | 5未満 | 5未満 | 5未満 | 5 | 5未満 | 5未満 |
マンガン(μg) | 8 | 7 | 3 | 11 | 6 | 8 |
ビタミンD(μg) | 10未満 | 10未満 | 10未満 | 10未満 | 10未満 | 10未満 |
ビタミンE(mg) | 0.20 | 0.62 | 0.20 | 0.30 | 0.20 | 0.10 |
ビタミンB6(mg) | 0.31 | 0.23 | 0.32 | 0.61 | 0.27 | 0.41 |
ビタミンB12(μg) | 0.30 | 0.79 | 0.30 | 0.55 | 0.47 | 0.31 |
ビタミンB9(葉酸)(μg) | 1.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.0 | 1.0 |
ビタミンB5(パントテン酸)(mg) | 1.02 | 1.22 | 0.88 | 1.26 | 0.76 | 0.77 |
ビタミンB7(ビオチン)(μg) | 4.1 | 4.8 | 3.5 | 2.9 | 6.8 | 3.3 |
カロリーはヒレが一番低いですね。
しかし、こちらの記事にも書きましたが、とんかつにすると油を吸収してカロリーが飛躍的に上がるので、要注意です。
⇒ とんかつのカロリー!食べるならヒレよりロースの理由!
では、最後に鶏肉です。
【鶏肉100gあたりの栄養素】
部位 | 手羽 | 胸肉 | もも肉 | ささみ | 皮 |
---|---|---|---|---|---|
カロリー(Kcal) | 261 | 136 | 181 | 106 | 497 |
タンパク質(g) | 17.8 | 22.8 | 18.3 | 24.1 | 10.4 |
脂肪(mg) | 19.8 | 4.2 | 11.0 | 0.5 | 48.2 |
炭水化物(g) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
ナトリウム(mg) | 65 | 40 | 60 | 31 | 33 |
カリウム(mg) | 150 | 330 | 290 | 410 | 120 |
カルシウム(mg) | 9 | 5 | 5 | 4 | 5 |
マグネシウム(mg) | 14 | 31 | 25 | 29 | 8 |
リン(mg) | 110 | 220 | 180 | 220 | 75 |
鉄(mg) | 0.7 | 0.5 | 1.0 | 0.5 | 0.8 |
ビタミンA(レチノール)(μg) | 55 | 19 | 50 | 4 | 110 |
ビタミンB1(mg) | 0.05 | 0.10 | 0.10 | 0.11 | 0.02 |
ビタミンB2(mg) | 0.08 | 0.07 | 0.19 | 0.10 | 0.05 |
ビタミンB3(ナイアシン)(mg) | 5.50 | 15.50 | 6.60 | 14.40 | 2.30 |
コレステロール(mg) | 100 | 60 | 85 | 60 | 95 |
亜鉛(mg) | 1.20 | 0.63 | 1.80 | 0.55 | 0.54 |
銅(mg) | 0.02 | 0.03 | 0.04 | 0.03 | 0.02 |
マンガン(μg) | 12 | 12 | 17 | 9 | 8 |
ビタミンE(mg) | 0.52 | 0.21 | 0.52 | 0.21 | 0.73 |
鶏肉の場合は皮の部分が一番カロリーがあります!
牛肉や豚肉と比較しても、カロリーは鶏の皮が最も高いのです!たんぱくなお肉というイメージなので、皮付きで食べてしまうと予想外の高カロリーになってしまうわけです。
実は私たちが普段食べている鶏肉はブロイラーと呼ばれる、食肉専用の急速に成長する品種なのです。普通のにわとりは大人の大きさになるまで4ヶ月~5か月かかるところが、ブロイラーはたったの40日程度と大変短いです。
こんな短期間で成長させるためには、当然、飼育方法も自然とは程遠く、1m四方に16羽程度のにわとりが入るケージで、たくさんのエサを与えて飼育しています。
私たちが食べている鶏肉はブロイラーがほとんどなので、とても脂肪分が高いのです!
そして、その中でも特に皮の部分は脂肪が多いのです。
カロリーや脂肪分が低いイメージの鶏肉ですが意外でしたね…。鶏肉を食べる時は少なくとも皮を取るようにしたいですね。
ちなみに放し飼いしているようなにわとりの場合は、たんぱくでカロリーが低い鶏肉なので、全ての鶏肉が高カロリーではないです。
というわけで、まずは栄養素を比較してみました。数字だけ見てみると、鶏肉のカロリーの高さ以外は、大した差は感じませんね。
そこで、次は数字に表れないような、それぞれの特徴を見てみましょう。
それぞれの特徴
それぞれの特徴なんて食べてみれば分かるでしょ!と言われればそれまでですが、食べただけでは分からない違いもあります。
順番に見ていきましょう!
牛肉
牛肉の特徴は鉄分の多さです!
実は鉄と言っても、食品に含まれている鉄には、ヘム鉄とノンヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄はノンヘム鉄に比べると10倍の吸収力があるのですが、牛肉に含まれている鉄の多くはヘム鉄のため、とっても良質の鉄を含んでいる食品なのです!
貧血には牛肉がおすすめです!
また、牛肉は完全に火を通すと堅くなって美味しくないため、ステーキなどでは完全に火を通さなかったり、完全に生の状態で食べることもしばしばあります。
しかし、意外に知られていませんが、牛の筋肉にはサナダムシの一種である無鉤条虫という寄生虫が寄生していることがあります。
無鉤条虫は-10℃以下で冷凍するか、60℃以上で加熱すると死滅します。無鉤条虫が寄生している事は滅多にありませんが、基本的に素人は生のままの調理はしない事をおすすめします。
さらに最近、日本では生レバーをお店で出すのが禁止されました。これは牛の肝臓にはカンピロバクターという食中毒菌が10%程度の確率で存在するためです。
私もレバ刺しが好きだったので、禁止された時は残念でしたが、10%はかなりの高確率なので、生食はやめた方が良いですね…。
豚肉
豚肉の特徴と言えば、何と言ってもビタミンB群が豊富に含まれていることです。
中でも豊富なのが、ビタミンB1です。ビタミンB1はエネルギーの代謝を助けるため、疲労回復などにとても効果があります。
更に豚肉の良いところは、ビタミンB群の吸収力が優れていることです。ビタミンB分は脂肪分に溶けやすいため、豚の脂肪に溶けて、多くが吸収されるのです。疲労回復には豚肉が最適です!
ただし、豚肉は完全に火を通して食べることが必須です。
生の豚肉には次のような細菌や寄生虫が存在する可能性があります。
- 豚ヘルペスウィルス
- トキソプラズマ
- カンピロバクター
- E型肝炎ウィルス
- 有鉤嚢虫(サナダムシの一種)
このように生食はとても危険な豚肉ですが、世界の一部では生で豚肉を食べる習慣もあります。
代表的なのはイタリアの生ハムですが、これも熟成の段階で細菌が繁殖できないようにする、特別な方法で作っているため安全なのです。
ちなみにユダヤ教やイスラム教では、豚は不浄な生き物として、豚肉を食べることが禁止されています。神様は火が通っていない豚肉を食べると危険だと知っていて、このような掟を作ったのかもしれませんね…。
鶏肉
鶏肉のイメージは、カロリーが低くてヘルシーというものだと思います。
しかし、既に説明した通り、私たちが普段食べる鶏肉は、カロリーが高い種類です。更には日本人が好む、部位は脂肪分が多い、もも肉なので、更にその傾向が高くなります。
鶏肉はヘルシーだからというイメージで、もも肉ばかり食べているのは、実はヘルシーでなかったりするので、カロリーが気になる場合は、胸肉やささみを食べるようにしましょう。
鶏肉の食感は、火を通しても柔らかくて、食べやすいのが特徴です。肉の臭みも比較的少ないので、世界中で広く食べられている肉と言えます。
ただし、にわとりの腸の中には、カンピロバクターやサルモネラがいるため、鶏肉も食中毒菌で汚染されていることがあります。
焼き鳥屋では、とりわさのように生で食べるメニューがありますが、プロが衛生状態に十分注意して調理しているものなので、素人が自分で調理して生食するのはやめましょう!
まとめ
牛肉はカロリーが高くて、鶏肉はカロリーが低いというイメージでしたが、実は私たちが良く食べている鶏肉は、とても高カロリーだったなんて意外でしたね!
私は鶏肉がヘルシーだと信じていたため、鶏肉ばかり食べて、牛肉や豚肉は軽く見てきました。しかし、牛肉は鉄分が豊富で、豚肉はビタミンB群が豊富なので、必要な栄養素によって食べ分けるのがとてもおすすめです!
また、豚肉は生で食べるのは危険というのは、よく言われていることですが、実は牛肉も鶏肉も生食は危険だったのです。
そのため、牛肉や鶏肉を生で提供するお店もありますが、それはプロの料理人が衛生状態に十分注意して調理しているので、素人が生食するのはやめてくださいね!
というわけで、これからは栄養もあってお手頃な値段の豚肉もたくさん食べていこうと思う管理人でした!
“牛肉と豚肉と鶏肉の違い!それぞれの栄養素の違いを解説!” への1件のフィードバック