あんこを小麦粉ベースの生地で包んで焼いたお菓子と聞くと皆さんは、何をイメージするでしょうか?多くの人は、たい焼きや今川焼きをイメージするのではないでしょうか?更に外見は今川焼きと同じな、大判焼きというものもあります。
でも、実際に食べてみるとその違いがよく分かりません。私は小さい頃からこれらのお菓子の違いに疑問を持っていました。
近所にはたい焼き屋と今川焼き屋があったりします。そんなに近くで売っていても大丈夫ということは、やはり違うものだからなのでしょうか?
そこで、今川焼きと大判焼きとたい焼きの特徴と、それぞれの本当の違いをお伝えします。
目次
今川焼き
まず最初は今川焼きです。今川焼きは高さの低い円筒形をしています。中の具はあんこの他にカスタードクリーム、うぐいすあん、更にはチーズなど、様々な種類があるのが特徴です。
そんな今川焼きの材料と由来を見てみましょう。
材料と中の具
今川焼きの基本的な材料と代表的な中身の具です。
お店によって、個性を出すために色々な材料を入れている可能性もあるため、それらは省いて、ここでは基本の材料だけ書きます。
- 小麦粉
- 卵
- 砂糖
- 水
【中の具】
- 粒あん
- こしあん
- カスタードクリーム
- うぐいすあん
- 味噌あん
- チョコレート
- チーズ
今川焼きというと、中の具のバリエーションが多いというイメージですね!
また、生地がふんわりしていて、厚みがあるのも特徴です。
由来
今川焼きは、なぜ”今川”焼きと呼ぶのでしょうか?
諸説あるのですが、有力視されているのが、次の2つの説だそうです。
- 江戸時代中期の今川善右衛門が架けた今川橋の近くで売っていたから
- 戦国大名の今川家の家紋に似ているから
ちなみに今川家の家紋は下の画像のような感じです。
似てる所は、ただ丸いってだけですよね…。他にも丸がデザインされている家紋はあるので、今川焼きじゃなかったかもしれませんね…。
大判焼き
さて、今度は大判焼きです。
大判焼きもあんこを小麦粉ベースの生地で包んで焼いた、高さの低い円筒形のお菓子です。中の具も今川焼きとほぼ同じです。
そんな大判焼きの材料と由来はどんなものなのでしょうか?
材料と中の具
大判焼きの材料と中の具は…なんと今川焼きと同じです!
もちろん、お店によって生地や具の種類に個性はありますが、基本的な材料や作り方は同じです。
というわけで、材料と中の具は今川焼きの章を参考にしてください。
由来
大判焼きの由来は、今川焼きから名前が変わったというだけで、ハッキリ言って今では全く同じものです。
元々は円筒形の今川焼きと区別するために、形を小判型にして”大判焼き”としていました。
しかし、最近では円筒形に戻ってしまい、今では小判型の物は少なくなってしまいました。それでも呼称だけは”大判焼き”のままなのです。
実は今川焼きと全く同じものでありながら、地域によって名前が違うお菓子が、全国にたくさんあります。
その一例をあげるとこんなものがあります。
- 回転焼き
- 義士焼き
- 太鼓饅頭
- 小判焼き
大判焼きという呼び名は、全国的なもので、今川焼きも含めて、これらを総称した名前が大判焼きなのです。
元祖は今川焼きなのですが、あまり特徴のない地味な外見のせいで個性がなく、無理矢理、差別化するために名前を変えたのではないでしょうか…。
たい焼き
さて、最後はたい焼きです。
たい焼きも小麦粉ベースの生地、中の具があんこという点では同じですが、何といっても鯛の型で焼いていることが特徴です。
たい焼きというと、全国に様々な名店がありますね。東京の名店ともなると行列ができていたりします。
今川焼きに比べると、なんだか特別な感じがする、たい焼きですが、果たして、材料や具に違いはあるのでしょうか?
材料と中の具
たい焼きの材料と中に入れる具は、ほぼ今川焼きと同じです。
- 小麦粉
- 重曹
- 砂糖
- 水
【中の具】
粒あんだけのお店がほとんどだが、近年はカスタードクリームなど、今川焼きと同じような具のたい焼きも増えている。
今川焼きと違い、生地には重曹を入れるのが一般的なようですが、やはりこれもお店の個性があるので、今川焼きと全く同じ材料の生地にしているお店も多いです。
そのため、たい焼きも今川焼きとほとんど同じと言っても過言ではありません。
由来
今川焼きとほぼ一緒のたい焼きの由来はどんなものなのでしょうか?
実はたい焼きも今川焼きから派生したお菓子というのが、一般的な見解です。明治時代になって、鯛の型で焼くようになって広まっていきました。
やっぱり、元祖は今川焼きだったのですが、今川焼きと比べると、たい焼きの方が魅力的に感じますよね…。
恐らく、地味な今川焼きと差別化するために、焼き型を鯛にしたのではないかと思いますが、外見が違うだけでこうも印象が違うのですから、不思議ですね…。
結局、違いは何?
というわけで、今川焼きと大判焼きとたい焼きの特徴を見てきたのですが、どれも生地の材料や中の具に違いはありません!
じゃあ、3つとも全く同じお菓子なのかというと、実は微妙に違います。その違いとはズバリ焼く時に使う器具です!
大判焼きの中には、焼き型が回転するテーブルのようになっているものもあり、この焼き型で焼いたものは回転焼きと呼びます。(とは言っても、焼き上がりは一緒なので、味や食感に差はありませんが…)
また、たい焼きの場合は、焼き型が鯛の形をしているため、火の通り方に微妙なムラができるため、部位ごとの食感や香ばしさに違いがあります。そして、あんこの入り方も部位によってまちまちです。部位によって、ふんわりしてたり、カリッとしてたりと最後まで飽きずに楽しめるのがたい焼きの特徴といえます。
今川焼きや大判焼きは円筒形の焼き型を使っているため、生地が厚くてふんわりした食感になります。
焼く時に使う器具の違いは、食感の違いを生むわけです!
まとめ
今川焼きと大判焼きとたい焼きは、生地は同じ材料が使われていて、お店や地方によって個性はあるものの中の具も同じでした。
でも、使う材料や具が一緒だからと言って、全く同じというわけではありません。
焼く時に使う器具の違いが食感の違いを生みます!
具体的には今川焼き、大判焼きは、生地が厚く、ふんわりした食感が特徴です。そして、たい焼きは生地が薄めで、カリッと香ばしい食感が特徴です。
好みに合わせて今川焼き、大判焼き、たい焼きのどれを選ぶか決めてみてくださいね!
こんな記事を書いていたら、何だかたい焼きが食べたくなってしまった私でした~!
大判の形をしていたのが大判焼きで丸いのは今川焼でしょ!
私の子供のころは,大判焼きはみんな大判の形をしていましたよ!
yoshioさん
コメントありがとうございます。
> 大判の形をしていたのが大判焼きで丸いのは今川焼でしょ!
> 私の子供のころは,大判焼きはみんな大判の形をしていましたよ!
言葉足らずですみません。記事中で「全く同じもの」と言ったのは、あくまでも今のことです。
確かに昔はyoshioさんのおっしゃる通りだったようです。
しかし、今では大判型から丸型に戻して、名前は”大判焼き”のままのお店が増えてしまい、更にはその名前が広まってしまったようです。
実際に私の近所のお店は、丸型なのに大判焼きと呼ぶお店が多いです。
私にとっても丸型のものは”今川焼き”なので、この状況には違和感を感じてます^^;
というわけで、誤解が無いように記事に説明を追記しておきました。