レポートを書く際、最初に悩むことは書き出しの文章をどうするかですね。レポートの種類によって「はじめに」とか「目的」などのように名前が変わりますが、必ず書く必要のある章です。
この書き出しの文章って、書くのが難しくないでしょうか?実は私の場合、書くのに結構時間を使ってしまいます。レポートの他の部分は書くことがある程度決まっているので、ただ書いていくだけですが、書き出しの部分の内容は基本的に自由です。
自由に書いてよい部分は、逆に何を書いてよいか悩んでしまうものです。
そこで、今回はレポートの中で意外に悩んでしまう、書き出しの文章を例文を上げながら解説したいと思います。
目次
書き出し文の書き方
まずレポートを書く時のコツの基本は、とにかく簡潔に分かりやすく、必要な情報を過不足なく盛り込むことです。感動させる必要もないですし、過度な修飾も不要です。
良いレポートの基準は、報告する内容の良し悪しはもちろんですが、「いかに分かりやすく書けているか」というところにあります!それを踏まえると書き出しの部分も、あまり悩む必要がないことが分かります。
それでは早速、説明していきたいと思います。
書き出しに必要な内容
レポートというのは、情報伝達の形式の1つです。情報を伝達する際に必要な要素を表した用語に「5W1H」というものがあります。
この5W1Hというのは、次の要素を表しています。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのようにして(How)
何か情報を伝える時には、この6つの要素を盛り込むことが、分かりやすさのポイントとされています。これは会話でする報告であっても同じことです。
書き出しの部分には、この6つの要素を簡潔に書けばよいのです。そして、レポートの本題の部分に書くことも、より掘り下げて、詳細に書くだけの違いで、5W1Hをの6つの要素を書くのは同じです。
レポートで報告する内容によっては、6つの要素全てを表現できない場合や、表現する必要が無い場合もありますが、書き出しを書く時には、この6つの要素が表現されているかを必ずチェックしてください。
書き出し文のコツ
実際にレポートの書き出しの文章を書く際には、5W1Hを次のような順番で書いていくと綺麗な文章を書くことができます。
- なぜ(Why)
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- どのように(How)
まず、1の「なぜ(Why)」から書くのが、綺麗な書き出しのコツです。これが一番大切なポイントです。
残りの2~6もこの順番で書くのが基本です。ただし、自然な文章になっていることが重要なので、無理にこの順番に合わせる必要はありません。
では、次は実際の例文を見ていきましょう!
書き出しの例文
ここからは実際に書き出しの例文を見ながら説明していきたいと思います。
レポートには大別すると、調査結果などを報告するものと、実験結果などを報告するものの2種類があると思います。
そこで、報告書と実験レポートの2種類のパターンの書き出しの例文を紹介したいと思います。例文のテーマは次のようにしました。
【例文のテーマ】
- 若者の政治意識について(報告書)
- 金属の電気抵抗と温度の関係(実験レポート)
ちなみに紹介する例文の内容は全て適当なので、真に受けないでくださいね!
「若者の政治意識について」の例文
「若者の政治意識について」というテーマの報告書の「はじめに」の部分の例文です。
日本社会では昨今、若者の政治離れが深刻化してきている。直近の国政選挙では20代の投票率が30%を切るなど、その傾向は年々進む一方である。
若い世代が政治に関心を持たなくなると、政治家たちは投票率の高い、年配者向けの政策を重視するようになり、若者向けの政策は疎かにされるリスクもあり、バランスの取れた政策が実施されない可能性が出てくる。
そのため、若者が政治に関心を持ち、政治に参加できるようにすることが日本の将来のために重要である。(Why)
そこで、本レポートでは、201X年4月~201X年5月の期間(When)に、関東地方(Where)で○△□研究所の調査チーム(Who)が関東地方在住の20代の男女(What)に、政治に対する関心を調査するアンケートを実施(How)した結果を報告する。
ここでポイントになるのは、6つの要素は必ずしも全て盛り込む必要が無いという事です。
必要な要素と、場合によっては不要な要素は次のようになります。
- なぜ(Why)⇒必須
- いつ(When)⇒場合によっては不要
- どこで(Where)⇒場合によっては不要
- 誰が(Who)⇒自分である場合は不要
- 何を(What)⇒必須
- どのように(How)⇒必須
報告の内容によっては、「いつ(When)」、「どこで(Where)」が重要でない場合があるため、省略することが可能です。また、「誰が(Who)」も、自分である場合が多いので、その場合は書かない方が自然です。
一方で、「何を(What)」と「どのように(How)」は必ず書く必要があります。
「金属の電気抵抗と温度の関係」の例文
今度は「金属の電気抵抗と温度の関係」というテーマの実験レポートの「目的」の部分の例文です。
金属は温度によって、電気抵抗が変わる性質を持つ。そのため、電気的に効率の良い回路の設計のためには、金属の電気抵抗と温度の関係を調べる必要がある。(Why)
本実験では、鉄、銅、アルミニウムのそれぞれの金属の電気抵抗(What)を、⁻100℃~20℃の範囲で5℃ずつ温度を変えて測定(How)し、最も効率の良い金属と温度を調べる。
この例文では「いつ(When)」、「どこで(Where)」、「誰が(Who)」の3つの要素が表現されていません。
理由はこの実験の場合は、「いつ(When)」、「どこで(Where)」というのは、実験結果に与える影響が無く、「誰が(Who)」も、自分であることが分かり切っているからです。
例えば、実施した実験が、太陽光の影響を避ける必要がある場合は、実験時間を夜(When)にしたり、実験場所を地下(Where)にした方が良いかもしれません。そういった場合には、「いつ(When)」、「どこで(Where)」を表現するようにしましょう。
まとめ
今回はレポートを書く時に意外と困ってしまう、書き出しの部分のコツをお伝えしました。
ポイントは次の6つの要素をこの順番で表現することです。
- なぜ(Why)
- いつ(When)⇒重要な意味があるなら書く
- どこで(Where)⇒重要な意味があるなら書く
- 誰が(Who)⇒自分である場合は書かない
- 何を(What)
- どのように(How)
この6つの要素だけを簡潔に表現すれば、自然で読みやすい書き出し文になります。
ただし、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)は、必要が無ければ書かない方が自然な文章になります。まずは、6つの要素を盛り込んだ形で書いて見てから、重要でなかったり、不自然に感じるようならこれらの3つは削ってしまいましょう。
そして、書き出し文を書いたら、この6つが表現されているか確認してみてください!
ちなみに書き出し文を書き上げたら、いよいよレポート本体を書くことになると思います。レポート本体の書き方のコツはこちらの記事に書いているので、良ければ参考にしてみてくださいね!
⇒ レポートの構成の例!この型にはめれば簡単に書けますよ!
⇒ 実験レポートの書き方!高評価の決め手は考察から書くこと!