社会でビジネスマンとして、仕事をしているとよく「定性的な表現ではなく、定量的に表現しろ」と言われるようなことはないでしょうか?
私などはプレゼンの資料などを上司に見せる時などによく言われます。最初は定性的と定量的の意味も分からずに、何度もやり直しさせられたものです…。
しかし、定性的と定量的の意味の違いが分かったても、次に苦労するのが、どうやったら定量的に表現できるかです。
私も「これってどうしたら定量的に表現できるんだよ~」とぼやきながら、資料を作ってたものです…。
というわけで、今回は定量的と定性的の意味の違いと、定量的に表現するためのコツをお伝えします!
目次
定性的と定量的
定量的と定性的な表現の違いを良く理解していると、論理的な思考が身に付くため、様々なビジネスシーンで役立つものです!
そこで、まずは定量的と定性的の意味の違いから見ていきましょう!
定量的
定量的とは単純に数字で表現することです。
例えば自動車のデザインを決める時に、高級感のあるデザインにすることの効果を表現したいとします。
この時に「高級感のあるデザインにすると、富裕層への売り上げが5%アップします」と表現するのが、定量的表現です。
他にもエンジンの部品と燃費性能の関係を表現したい時に「エンジンの部品をA社の物を採用すると、3%燃費性能が向上します」というのも、定量的な表現です。
定量的な表現はどれくらいの量なのかが、誰にでも分かりやすく、同じように伝わるというメリットがあります。
ビジネスにおいては、定量的に表現できることは、何でも定量的に表現した方が良いです。この例で言えば、富裕層への売り上げがアップすると言っても、どれくらいアップするかが分からなければ、そのデザインにして良いか判断できないからです。
しかし、定量的な表現は、その方法と結果が本当に関係があることを表現しているわけではありません。そのため、研究段階においては、定性的な表現が必須になります。
定性的
定性的とは物事の質的な面を表現することです。
例えば同じように定量的の意味を説明した、高級感のあるデザインとエンジン部品の例で説明すると、それぞれの定性的な表現はこうなります。
「高級感のあるデザインにすると、富裕層への売り上げアップの効果が期待できます」
「エンジンの部品をA社の物を採用すると、燃費性能が向上します」
最初の高級感があるデザインにすることの例の場合は、そのデザインにすることで、富裕層への訴求力が上がって、富裕層の購入が増えることの理由を表現しています。
また、エンジン部品の例も、A社のエンジン部品と燃費が良くなることの関係性を表現している定性的な表現です。
ちなみに、注意が必要なのは「このデザインにすると売り上げがアップします」だとどんなデザインだと売り上げがアップする傾向があるのかが分からないので、定性的ではありません。
このように定性的に表現する時は、行為と結果の関係性を表現するようにしてください。
さて、ここまでは定量的と定性的の意味をお伝えしてきました。大抵のことは定性的に表現できますが、中には定量的に表現することが難しいこともあります。
というわけで、今度は定量的な表現をするためのコツをお伝えします!
定量的に表現するコツ
定量的と定性的の意味を説明しましたが、実際のビジネスの場面では、定量的に表せと言われる場合がほとんどです。
例えば定量的の意味を説明する際に使った「高級感のあるデザインにすると、富裕層への売り上げが5%アップします」の場合、実際にはデザインを変えたからといって、どれくらいの金額の売り上げがアップするか、具体的な数字を出すことが困難な場合が多いです。
なぜならデザインは時代や人の感じ方によって、良し悪しが分かれます。高級感のあるデザインと一言で言っても、デザインは様々なので、実際に売ってみないと結果など分かりません。
それにもかかわらず、定量的に表せと言われるのはよくあることです。それでは定量的に表すコツはなんなのでしょうか?
定量的と定性的の意味を説明した時の高級感のあるデザインと売り上げの関係とエンジン部品と燃費の関係を例にして、いくつかポイントをあげてみました。
【定量的な表現例】
- 定性的なデータ+過去の実績で表現する
- チェックリストで表現する
- アンケート結果を提示
定量的というのは、要は数字で表せば良いのです。人間は量や大きさ、長さなど、全て数字で表されないとピンとこない生き物です。
それぞれを具体的な例を挙げながら、説明していきますね!
定性的なデータ+過去の実績で表現する
定性的なデータと過去の実績を、組み合わせて伝える方法です。予測できるデータが無い時には、最も説得力がある方法なのでおすすめです!
例えば次のような表現にすると良いです!
「過去に高級感のあるデザインにしたところ、富裕層の売り上げが5%アップした実績があります」
「他の車種でA社のエンジン部品を採用したところ、燃費性能が3%向上しました」
どちらも過去実績を根拠に高級感のあるデザインと富裕層への売り上げの関係、A社のエンジン部品と燃費性能の関係を定性的に表現しつつ、数字で効果も表現している理想的な定量的表現です。
チェックリストで表現する
単に高級感のあるデザインというだけでなく、色、形など富裕層が好むデザインの条件のチェックリストを作って、いくつの項目をクリアしているかを提示します。過去の実績などが無い場合に使える方法です。
例えば高級感のあるデザインのチェックリストであればこうします。(内容は適当なので、ご注意ください!)
【富裕層の好むデザインのポイント】
- 色:黒
- 形:流線形
- ドアの数:4ドア
- シートの材質:皮
- マフラー:B社のマフラー
「この5項目を全て満たしているので、富裕層への訴求力が高いです」というように表現します。
5つの項目のうち何項目を満たしているかという数字で分かるため、これも定量的な表現です。
アンケート結果を提示
このデザインの好みについてのアンケートを実施して、その結果を提示します。しかし、実際の顧客にアンケートを実施するのは大変なので、同僚など身近な人に実施したアンケート結果を出します。どうしようもない時の最終手段といった感じです。
例えば、このようなアンケートです。
あなたが好きな車のデザインについて教えてください。
- 色
- 形
- ドアの数
- シートの材質
- マフラーメーカー
黒
シルバー
白
流線形
オープンカー
ワゴン
2ドア
4ドア
皮
ビニール
A社
B社
C社
アンケート結果とこの車のデザインがこのアンケート結果と何項目マッチしているか表現するわけです。
ある程度の根拠がある数字で表現されていれば、意外に説得力が出るものなので、頑張って数字で表してみてください!
まとめ
今回は定量的と定性的の意味と違いについてお伝えしました。
よく定性的は数字を使わない抽象的な表現で、定量的はとにかく数字を使って表現することと誤解されていますが、これは微妙に間違ってます。
定性的は性質や傾向などを表現することで、定量的は何か物差しになるような数字で表現することです。
このあたりの意味をしっかり理解して、論理的な表現ができるようにしてくださいね!
物事を定量的にとらえるのが苦手な管理人でした!