大相撲の番付の決め方!昇進のルールを分かり易く解説!

私はスポーツ観戦がとても好きです!大相撲も大好きなスポーツのうちの一つです。

大相撲の本場所開催期間中の休日の夕方に、お酒を飲みながら、テレビで大相撲観戦するのが、私にとっての至福の時間です!

最近は大相撲の人気も回復してきて、連日満員のようです。ファンの私も最近の日本人力士の活躍はとても楽しみです。

ところで、そんな大相撲ですが、小さい頃から観ているのに、細かいところは知らないことだらけということに気付きました。番付の決め方も細かいところは、知らないことばかりです。

そこで、大相撲の番付の決め方について調べてみたので、分かりやすくお伝えします!

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目次

大相撲の番付の決め方

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大相撲の番付は実はたくさんあります。普段テレビでしか大相撲を見ない人は、十両やせいぜい幕下くらいまでの番付しか知らないのではないでしょうか?

そこで、まずは大相撲の番付をおさらいしておきます!

番付の一覧

大相撲の番付を一覧表にしてみました。各番付はひとくくりにして、別の呼び方をすることもあるので、それも合わせて書いておきました!

【大相撲の番付一覧】

番付名 給料の有無 説明
横綱 関取 幕内 役力士 最高位の番付、不在可能
大関 三役力士 最低1名必要
関脇 東西に1名ずつ必要
小結 東西に1名ずつ必要
前頭 平幕力士 基本は東西に16名ずつ。役力士が多いとその分減ることがある
十両 東西に14名ずつ
幕下 取的 × 東西に60名ずつ
三段目 東西に100名ずつ
序二段 制限なし
序ノ口 制限なし
番付外 前相撲 特に制限なし

前頭の力士の場合、1枚目の力士を前頭筆頭、16枚目の力士を幕尻と呼んだりすることもあります。また、幕内力士の上限人数は42名のため、役力士が多いとその分前頭の人数が減ることがあります。

これが大相撲の番付の全てです。関取になるまでの道が長すぎですね!大相撲の世界では、関取になると部屋を出て一人暮らしすることや、結婚が許されるようになります。

取的の間は部屋住まいしながら、相撲協会から出る僅かばかりの手当てや、部屋の後援会や関取からの小遣いしか収入がありません。そして、取的が一人暮らしや結婚をしたければ、相撲を辞めるしかありません。厳しい世界ですね…

だからこそ、十両に昇進して関取になった力士は、相撲界では英雄と言っても過言では無く、尊敬される存在なのです!

ちなみに関取になると給料が貰えるようになるのですが、力士の給金制度はプロスポーツの中では、とても安定したものになっています。そんな力士の給料のことは、こちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
大相撲の給金制度!給料以外にもらえる力士報奨金とは?

番付の決め方

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それでは、本題の番付の決め方を見ていきましょう。

番付は本場所の成績によって決まります。実は大相撲の本場所の大きな目的は、各力士たちの技量を見極めて、番付を更新することなのです。

そのため、本場所が終わると、番付編成会議が行われ、各力士の成績に応じて、番付の更新が行われます。

番付を決める際の基準は、次の通りです。

  1. 勝ち星
  2. 相撲内容
  3. それまでの番付
  4. 他の力士の成績


もっとも重視されるのは勝ち星ですが、何勝したらいくつ番付が上がるなどの明確な基準はなく、他の基準も加味した上で決められます。というわで、それぞれの基準について、更に詳しく説明しますね!

勝ち星

最も重視されるのは、勝ち星です。大相撲の本場所は15日間行われます。その間、取的は2日に1度のペースで7番の相撲を取り、関取は毎日、計15番の相撲を取ります。

相撲には引き分けが無いので、勝ちと負けが同数になることはなく、必ず勝ちか負けのどちらかが上回ることになります。勝った回数が上回ることを勝ち越し、負けた回数が上回ることを負け越し呼びます。

基本的には勝ち越せば番付は上がり負け越せば番付が下がります。そして、勝ち越しの数が多ければ多いほど、番付の上がり方は大きく、逆に負け越しの数が多ければ多いほど、番付の下がり方は大きくなります。

また、怪我などで休場した場合は、休んで取り組みができなかった日は、負けと同じ扱いになります。

例えば、場所中の7日目までに5勝2敗で、8日目から15日目まで休場した場合は、5勝2敗8休(=5勝10敗)となります。

相撲内容

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近い番付の力士が、同じような勝ち星の場合は、それぞれの力士の取り組みの内容が判断材料になります。

例えば同じ8勝7敗同士で、前頭6枚目の力士がいたとします。一方の力士は8勝のうちの3勝は役力士に勝ったもので、もう一方の力士は8勝全てが平幕力士から勝ったものだとすると、前者の力士の方が成績が上だと判断されます。

それまでの番付

どれだけ番付が上下するかは、それまでの番付が基準になります。

例えばある力士が前頭6枚目で8勝7敗、別の力士が前頭15枚目で10勝5敗だとすると、前頭15枚目の力士の方が勝ち星が上だからといって、前頭6枚目の力士より上の番付になることはまずありません(相撲内容によってはあり得ますが)。

他の力士の成績

他の力士の成績も番付編成の判断基準になります。もはやここまでくると運の要素といえます。

せっかく勝ち越しても、自分よりも番付が上の力士に勝ち越した力士が多ければ、あまり上がらなかったり、逆に上位力士に負け越しが多ければ予想外に上がる場合もあります。負け越した場合の番付の下がり方も同様です。

また、ある力士が前頭筆頭で、8勝7敗で勝ち越したものの、役力士も全て勝ち越した場合などは、昇進できる番付が無いため、変動しない場合もあります。このあたりの昇進基準は次のところで説明します。

さて、相撲の番付を決める際は勝ち星が重要ですが、それに加えて特殊な条件が加わる場合もあります。次はその特殊な条件を説明します。

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特殊な昇進基準

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大相撲の番付は、単に勝ち越しただけでは昇進できない番付など、特殊な条件があります。そんな特殊な昇進条件の番付は次の5つです。

  • 横綱
  • 大関
  • 関脇
  • 小結
  • 序ノ口


このあたりの昇進条件に付いては、運や世論などが影響することがあるので、知識として知っておくと相撲を楽しむ上で役に立ちます。

順番に見ていきましょう!

横綱

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横綱への昇進条件だけは特別です。横綱になるためには、まず「大関の地位で2場所連続優勝かそれに準ずる成績」を満たす必要があります。

その条件を満たすと相撲協会の理事長が、横綱審議委員会という委員会に、その力士の横綱昇進を諮問し、それを受けて横綱審議員会は、該当の力士が横綱にふさわしいかを検討します。

2場所連続優勝の場合は、無条件で、横綱昇進に推薦されますが、”それに準ずる成績”の場合は、委員の3分の2以上の賛成により、横綱昇進に推薦されます。

そして、横綱審議委員会の推薦を受けると、相撲協会が正式にその力士の横綱昇進を決定します。

横綱審議員会の委員は相撲に造詣の深い、相撲協会外部の有識者によって構成されています。

ちなみに横綱審議委員会への諮問条件である「大関の地位で2場所連続優勝かそれに準ずる成績」の”それに準ずる成績“の部分が曖昧だと、よく議論になることがあります。

過去には優勝経験のない力士が横綱になり、そのまま優勝することなく現役を終えた力士もいます。大相撲の横綱は日本人にとっては特別な存在のため、横綱の昇進条件に付いては、相撲協会外部の有識者の意見や世論などに影響される傾向があります。

また、いったん横綱になると、大関以下に陥落することはありません。規定上ではどんなに悪い成績でも横綱を続けることができますが、実際には横綱は常に高い成績が求められます。

負け越しなど許されず、常に準優勝以上が期待されるため、悪い成績を取ると即引退につながる厳しい地位です。

大関

大関への昇進条件は結構ややこしいです。一般的な昇進条件は、小結か関脇で直近の3場所の勝ち星の合計が33勝以上というものです。

しかし、これも3場所30勝の力士が大関になったこともあるなど少し曖昧さがあります。大関の昇進に関しても、横綱と同様に外部の意見や世論が影響します。

また、大関は実は厳密には東西に1人ずつ存在する必要があり、足りない場合は横綱が大関を兼任する形で、補うことになります。

そして、横綱も不在で、大関も1人または不在になってしまう事態になった場合のみ、特例で関脇から無条件で昇進します。そんな事態になったらまさに棚ぼたですが、実際に大関不在となった事例は過去にはありません。

ちなみに大関は負け越してもすぐには陥落せず、負け越した次の場所に”角番“(かどばん)という状態になります。この角番大関の状態で勝ち越すと、角番が取り消されます。しかし、連続で負け越してしまうと関脇に陥落します。

ただし、この関脇に陥落した場所で、10勝以上すると再び大関に返り咲くことができます。これも大関の特殊な昇進条件の一つです。

関脇

関脇は東西共に1人ずつが原則です。そのため、関脇に昇進するには、既に関脇の力士が負け越して陥落するか、大関に昇進するなどで、空きが出ることが前提条件になります。

この前提条件を満たした上で、小結で勝ち越すと関脇に昇進することができます。

関脇には張出関脇が特例で認められることがあります。関脇に空きが出なくても、小結で10勝以上の勝ち星を上げると、3人目の関脇として、張出関脇に昇進できる場合があります。

ただし、最近では関脇と小結は原則として2人ずつという事が厳格に守られているため、よほどのことがない限りは張出関脇は設けないことになっています。

小結

小結も基本的に東西に常に1人ずつとなっています。そのため、小結への昇進条件も関脇と似ていて、小結に空きが出る時に前頭上位で勝ち越していることが条件になります。

しかし、たとえ前頭上位で勝ち越したとしても、小結に空きが出なければ、小結昇進はお預けです!更に小結の上の関脇の力士が負け越した場合は、よほどひどい成績でない限りは、小結になるため、そういった場合も小結昇進はお預けです。

ところが、関脇の力士が負け越して、小結の力士も東西共に負け越した場合は、一気に関脇に昇進できることもあるなど、三役への昇進は、運に左右されてしまいます。

また、小結は東西1人ずつが原則ですが、あまりに好成績の力士が前頭にいる場合は、関脇と同様に張出小結という、特例で3人目の小結ができる場合もあります。ただし、これも最近ではほとんどありません。

序ノ口

大相撲の最も下位の序ノ口に昇進条件なんてあるのかと思う人も多いと思いますが、大相撲には序ノ口でもない番付外という位置づけの力士がいます。

番付外の力士というのは、新弟子検査に合格したばかりの力士序ノ口から陥落してしまった力士です。

番付外から序ノ口に昇進するためには、前相撲と呼ばれる取り組みを1番でも行えば昇進できます。たとえ前相撲が全敗でも序ノ口に昇進する資格は得られます。そして、番付外から序ノ口に昇進することを出世といいます。

前相撲は序ノ口の取り組みの前に行われます。入門者の多い3月場所以外は、先に2勝すると勝ち抜けになって、それ以降の前相撲には参加しません。

また、出世には勝ち星は関係ありませんが、5日目までに2勝を挙げると一番出世、8日目までに2勝すると二番出世9日目以降に2勝をすると三番出世として、出世披露でお披露目を受ける序列が決まります。

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まとめ

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こうして全ての番付を見てみると、関取になるだけでも凄いことだと分かると思います。昔は大相撲の関取になることは、まさにジャパンドリームといっても良いことでした。

相撲部屋に入門すれば、とりあえずタダでお腹いっぱいの食事と寝る場所が保証されます。そのため、貧乏な家に生まれた子供は、体さえ大きくて丈夫であれば、とりあえず相撲部屋に入門する人も多かったそうです。

今は関取を志す日本人も減ってきてしまいましたが、豊かになってハングリー精神が薄れてきた今の日本では、しょうがないことなのでしょうか…。

日本の国技とも言われる大相撲なので、日本人力士にも活躍してもらいたいですね!