歩道の脇の植え込みには、ツツジが植えてあることが多いですよね。子供の頃は花を摘んで、チュウチュウと蜜を吸ったものです(^^♪
ところが、ツツジには毒がある品種が存在するんです!
そもそもツツジという名前自体に、危険性が込められているのだとか…。毒のある品種は、絶対に子供に吸わせちゃダメなんだそうです。怖いですよね…。
というわけで、今回はツツジの中の危険な品種と、安全な品種との違いを解説します。
目次
毒性のある品種
“ツツジの蜜には毒がある”といっても、本当に危険なのは、ごく一部の品種だけです。
その危険な品種は、レンゲツツジと言います。
レンゲツツジの特徴
これがそのレンゲツツジの写真です。
日本中に自生していて、庭木にしている家もあります。
また、花が黄色いキレンゲツツジという品種も存在します。花の見た目が似ている品種もあるため、それらを並べられると素人には見分けがるかない可能性もあります。
だから、怪しいのは吸わないに越したことがありません。
そして、このレンゲツツジの毒の成分が、グラヤノトキシンとロドジャポニンという物質です。
グラヤノトキシン・ロドジャポニンの症状
グラヤノトキシンとロドジャポニンは、根から始まって、茎や葉、そして花にまで、全てに含まれています。当然、蜜にも含まれています。怖いですね…。
有毒な植物に含まれていることが多い毒で、症状はこのようなものです。
- 痙攣
- 嘔吐
- めまい
- 歩行困難
- 呼吸困難(呼吸停止)
- 期外収縮(不整脈)
グラヤノトキシンやロドジャポニンには、筋肉を麻痺させたり、痙攣させる働きがあります。
動物にも同じような症状が出るため、誤って家畜が食べてしまうことで、中毒死してしまうこともあります。
また、レンゲツツジの花から集めた蜜で作られた蜂蜜は、当然危険で、過去には、トルコ産の蜂蜜での中毒が報告されています。
※参考:食品安全委員会~グラヤノトキシン~
体の小さい子供には、危険なので注意が必要ですね。
ちなみに動物実験でのグラヤノトキシンの致死量は、体重1kgあたり、0.18mg(静脈注射)だったそうです。
※参考:北海道立衛生研究所~シャクナゲ葉による中毒事例~
さすがに花の蜜を1輪分くらい吸っただけでは、命に関わるようなことにはなりませんが、やはり注意は必要です。
もし中毒症状が出たら
解毒薬は存在しないようなので、吐き出させるしかありません。
しかし、症状が出るのは、摂取してから数時間後です。症状が出てから吐き出させようとしても、もう遅いので、とにかく早く病院で診てもらいましょう。
やはり、うかつに蜜を吸ったりしないことですね…。
ちなみに道端に植えられているのは、安全なヒラドツツジという品種です。
街路樹にするものに、危険な植物は選ぶわけないですよね。とは言え、車通りの多い道に植えられていることも多いので、汚れが気になります。
どちらにしても、体に良さそうではないので、吸わない方が良いかもしれませんね。
実は怖いツツジですが、そもそもツツジという名前には、その危険性が暗示されていたんです。
次はツツジの名前の由来を紹介しますね。
ツツジの名前の由来
ツツジは漢字で、躑躅と書きます。
実は元々は”つつじ”とは読まない言葉でした。本来は、
意味は『足踏みしてなかなか進まないこと』です。元々はこっちの意味の言葉だったんです。
それがツツジを指す言葉になったのには、2つの説があります。
立ち止まってみたくなるほど綺麗だから
一つ目の説が「立ち止まってしまうほど綺麗だから」というものです。
通りがかった人が、ツツジの花を見た時に、あまりにも綺麗なので、
こっちの説だったら、良いんですけど、問題は2つ目の説です。
食べた羊が歩けなくなったから
2つ目の説が、ツツジを食べた羊が歩けなくなったからというものです。
毒性の強いツツジを、誤って食べてしまった羊が、
恐ろしい由来ですね…。
しかし、実際には馬や牛などの家畜は、本能的にレンゲツツジには毒があることを知っていて、食べたりしないのだそうです。
馬や牛の牧場では、逆にレンゲツツジを残して、他の植物を食べ尽くしてしまうため、レンゲツツジばかり生えているなんてこともあるんだとか…。
誰かから教わるわけではないのに、食べちゃいけない物を知ってるって、動物は凄いですね…。
まとめ
ツツジって、実は怖い植物だったんですね。
名前自体にも、その危険性が表現されていたんです。
ただし、危険なのはレンゲツツジという品種です。
赤とオレンジの間のような色の花が特徴です。
とは言え、実際には似た花を咲かせる品種もあるので、素人が見分けるのは簡単じゃないです。
わざわざ、リスクを冒す必要も無いので、ツツジの花の蜜は吸わないに越したことはないですね(^^;