私の名字は齋藤です。この齋藤という名字には、子供の頃から振り回されています。
クラスには必ず“齋藤くん”や“齋藤さん”が他にもいるので、名前を呼ばれるとみんなが一斉に反応します。これは病院でも会社でも同じです…。
そんな毎日に飽き飽きしていた私は、なぜ、自分は齋藤なのかを調べるために、名字のことを調べてみたら、驚くべきことが分かりました。
名字は苗字とも書きますが、実はこれらは同じようで、微妙な違いがあったんです!
じゃあ、私たちは名字と苗字の、どっちを使うのが正しいのでしょうか?
というわけで、今回は苗字と苗字の違いを紹介します!
目次
名字と苗字の歴史
インターネットとかで、名字と苗字の違いを調べてみると、どちらも同じなんて説明がほとんどです。
でも、よくよく調べてみると、微妙な違いがあるんですよ。
早速、説明しますね。
名字
名字を持つ習慣は、平安時代に生まれました。元々、中国では姓名意外に、
そのため、元々の読み方も
で、この名字は、当初は公家が用いるものでした。主に自分の邸宅がある地名を、名字として用いました。
東京都新宿区出身の私の場合なら、“新宿陽一”みたいな感じですね。もし、歌舞伎町在住だったら“歌舞伎町陽一”、ゴールデン街在住だったら“ゴールデン街陽一”です。凄く奇妙な名前ですが、そういうことです(^^;
そして、名字はだんだんと武士にも広まりました。名字は自分のアイデンティティーとして特別なものになっていったようです。そして、名字以外にも、自分のルーツを表す”氏”や、日常生活で呼んでもらうための”通称”などまで登場して、みんな長ったらしい、名前を名乗るようになりました。
自分のステータスや素性を、全て名前に込めていったわけです。昔の人にとっては、名字を名乗ることは、特別な事だったんです。
そして、江戸時代になって、さらに特別な名前の要素が生まれます。それが苗字です。
苗字
江戸時代になると、武士以外が名字を持つことが禁止されました。名字を名乗るのは、武士の特権になったわけです。そして、だんだんと名字ではなく、苗字と表記するようになりました。
この苗字の“苗”には、“子孫”という意味があります。
つまり、苗字は「子孫と共有する名前」という意味になります。武士にとって最も信頼できるのは、血のつながった親族です。
そのため、名字のような住所のようなものよりも、同じ家族であることの方が重要だったのです。
そういうわけで、どの一族なのかを表す、苗字という要素が生まれたのです。
とは言え、使い方は名字も苗字も一緒です。
やがて、明治時代になると、全ての人が姓を持つことが許されます。
みんなそれぞれ、それまでの通称や住んでいる場所などを、自分の姓にしました。
特にどの一族かなんて意識しない姓が増えたことや、“苗”という字の読み方に”ミョウ”が加えられなかったため、名字が一般的になりました。
名字と苗字の違い
現在は、名字で統一されてしまったこともあり、こちらを使うのが一般的です。
でも、苗字を使うのも間違いではありません。
しかし、歴史を見ると、厳密には微妙な違いがあります。
その人が住んでいた場所に関係する名前。
例)中村(真ん中の村)、西村(西にある村)、竹村(竹林がある村)、田村(田んぼがある村)
どの一族かを表す名前。
例えば”齋藤”であっても、一族を区別するために、”齊藤”や”斎藤”、”斉藤”などと、わざと別の字を使って、別の一族であることを表す。
このように、自分の名前のルーツや、目的を調べてみると、実は自分のファミリーネームが、”名字”なのか”苗字”なのかが分かります。
“齋藤”の場合なら、”苗字”というわけです。
別にどっちが上とか下なんてものではないですし、どっちを使っても間違いではありません。
しかし、自分がどっちなのか考えてみると、面白いかもしれませんね(^^♪
まとめ
というわけで、今回は名字と苗字の違いを、紹介しました。
名字と苗字は、同じようで実は微妙な違いがあるものなんですね。
簡単におさらいしておきますね。
- 名字
- 苗字
平安時代に生まれたもので、自分が住んでいる地名を、もとにして付けられたもの。
江戸時代に生まれたもので、同族であることを表すもの。
皆さんのファミリーネームは、名字でしょうか?苗字でしょうか?
そうやって、自分のご先祖様のことを考えてみるのもたまにはいいかもしれませんよ!