寒い冬になると、降る可能性があるのが雪ですね。特に北日本などの寒い地方では、毎年たくさんの雪が降ります。
でも、降るのは雪ばかりではありません。時にはあられやひょう、みぞれなんかも降ることがありますよね。
特にひょうが降ると、色んな被害が出るため、ニュースになりますよね。
しかし、これらの違いっていったい何なのでしょうか?
どれも雪の仲間なのかな?くらいでハッキリと違いが分からない人も多いかもしれませんね。
そこで、北日本に住んでいる者として、徹底的に調べてみました!
というわけで、今回は雪、あられ、ひょう、みぞれの違いや発生の仕組みを解説しちゃいます!
目次
それぞれの違い
雪、あられ、ひょう、みぞれも、大雑把に言えば、雨が凍ったものが降ってくるわけですが、それぞれ微妙な違いがあります。
中には深刻な被害をもたらすものもあるので、しっかりと違いを理解しておくことが大切ですよ!
それでは、順番に解説していきますね!
雪
雪がどんなものかは、改めて説明の必要も無いですよね!
雪は空気中の水蒸気が凍ったものが、地上まで融けずに落ちてくるものです。
大抵は雪のままが多いのですが、条件によっては、他の3つに変化することもあります。
あられ
あられ(霰)は雪よりも大粒の氷の事です。
通常あられと呼ぶのは、直径が5mm未満の物を指します。
この氷の粒が地上に降るのがあられです。
あられにはさらに雪あられと氷あられの2種類があります。
雪あられは色が白くて不透明なのに対し、氷あられは半透明なのが特徴です。
ひょう
ひょう(雹)はあられよりも更に大粒な氷の事です。
ひょうと呼ぶのは、直径が5mm以上の場合で、通常は大きくても直径5cmくらいまでです。
ただし、ごくまれにそれ以上の大きさのひょうが降ることもあります。
ピンポン玉や野球ボールくらいの塊になることもあるため、建物や車を損傷させたり、人間に怪我を指せたりする危険があるので、注意が必要です。
みぞれ
みぞれ(霙)は雨と雪が混ざって降ることです。
天気予報上は雪として区別されます。
雪になるには微妙に高温の時や、雨から雪に変わったり、またはその逆の時にみぞれになりやすいです。
といわけで、これらの違いのポイントは降ってくる氷の粒の形状なわけです。
では、それぞれの発生仕組みはどのようなものなのでしょうか?
更に詳しく見ていきましょう!
発生する仕組み
雪やあられ、ひょう、みぞれは、ただ寒いだけでは発生しません。それぞれ、違ったメカニズムにより、発生するのです。
特にあられやひょうは、夏でも発生することがあります。
大きな氷の塊が降ってくるのは、とても危険な事ですよね。
そこで、順番にどのような仕組みで発生するのか見ていきましょう。
雪
雪の発生メカニズムは気温が違うだけで、基本的に雨と一緒です。
空気中にはエアロゾル粒子と呼ばれる、埃や粉塵など様々な小さい粒子が飛んでいます。
空気中の水蒸気は上空で冷やされると、このエアロゾル粒子に付着して水滴になります。
そして、この水滴が冷やされて凍り、そのまま融けずに地上にまで降るのが、雪なのです。
一般的に雪になる条件は次の3つと言われています。
- 地上の気温が3℃以下
- 上空1,500m付近の気温が-6℃以下
- 上空5,000m付近の気温が-30℃以下
これらの条件を満たしていない場合は、雨になっちゃうこともあります。
あられ・ひょう
あられとひょうの発生メカニズムは基本的に同じです。
雪はエアロゾル粒子に付着した水滴が凍ったものですが、中には過冷却状態になっただけで、氷になってない水滴も存在します。
そのような水滴が他の氷の粒に衝突すると、その衝撃で一気に凍り付きます。
それを繰り返すことにより、どんどん直径大きくなるのです。
例えば水は0℃で凍って固体になる。しかし、物理的な衝撃が無い、極めて静かな状態においては、0℃を下回っても、液体のままでいることがある。
これを過冷却と呼ぶ。
過冷却状態の水は衝撃を与えるとそれをきっかけに、本来の固体の状態に変わる。
しかし、これだけだとひょうと呼ばれるほどまで、直径が大きくなることはありません。
ひょうと呼ばれる直径5mm以上の大きさになるのは、多くの場合、積乱雲の中です。
まず、氷の粒ができるところまでは、あられと一緒です。
しかし、積乱雲の中は強い上昇気流があるため、氷の粒はすぐに地面に落下せず、上昇気流に乗って再び上空に舞い上げられます。
こうして途中まで落下して、また舞い上げられることを繰り返すうちに、融けてまた凍ることや、過冷却状態の水滴が衝突して凍り付くことを繰り返して、どんどん直径が大きくなるのです。
強い上昇気流により、急激に発達した縦に長い雲の事。
強い上昇気流が発生するためには、地面の温度が高温になる必要があるため、日差しの強い夏場に発生することが多い。
積乱雲は急速に発達するため、雷を伴う豪雨を発生させやすい。
このようにひょうは積乱雲の中で発生しやすいため、雷と共に夏場に発生することがしばしばあります。
大きな氷の塊は家や車の屋根や窓ガラスを貫通することもあります。
人間の頭や体に直撃すれば、大怪我につながります。
雷鳴が聞こえた時には落雷だけでなく、ひょうにも十分注意してくださいね!
みぞれ
みぞれは一言で言えば、雪になる条件をギリギリ満たしてない時に発生するものです。
最初は雪でも、降ってくる途中で融けてしまい、雨混じりになってしまうわけです。
具体的には上空1,500m付近の気温が―3℃~‐6℃の時にみぞれになりやすいです。
まとめ
雪もあられもひょうもみぞれも、寒い時期にばかり降ってくるものだと思ったらそうじゃないんですね。
特にひょうは大きな被害を出すことがありますが、それが夏に発生しやすいとは驚きですね!
というわけで、それぞれの違いについて簡単におさらいしておきます。
- 雪
- あられ
- ひょう
- みぞれ
空気中の微粒子に付着した水滴が凍ったもの
空気中でできた氷の粒子に過冷却状態の水滴が衝突を繰り返して大きくなった、直径5㎜以下の氷の粒
基本的にあられと同じ仕組みだが、上昇気流に乗った氷の粒が、上昇と下降を繰り返して、直径5mm以上の大きさになった氷の粒
雪になる気象条件をギリギリ満たしてない時に、雨混じりの状態で降る雪
あられやひょうなどは、ただ寒いだけでは発生しないので、結構、稀な現象だったりします。
ひょうはごく稀に野球ボール大の大きさになることもあり、プレハブの屋根など簡単に貫通するほどの威力になります。
場合によってはとっても危険なので、十分注意してくださいね。